対数コンピューティングの提案

0,1,2,3.4,5,6,7,8,9 という数は、本来強力にべき乗/指数関数で動いている宇宙や現象が冷却・定常化して誕生して落ち着いちゃった生物ヒトが自らの指とか個数である石とかを手がかりに開発したもの。実はいびつな等間隔な割振りによる数世界解釈。その非整合性の修復が数学史である。

宇宙発生は佐藤勝彦らが138億年前の「インフレーション」により起きたと解明しており(宇宙論I、日本評論社 2008)当然極度のべき乗で膨らんだ。受精卵の分裂は2のn乗。この時間を逆回しに急速に回収して解釈理解する人間の取り組みが「対数 Logarithm」。ヒトが類人猿から進んだどこかの段階で獲得した。

指数にはAnti-logarithm という表現もあり、指数/べき乗と対数が実は一体であることがわかる。現象によっては相互の方向に入れ替わるものはいくらもありますからね。不可逆なことが逆に限定的と考えるべき。端的に述べると「ヒトは現象を未来から遡及して予測し、行動を選択、決定している」

ヒト以前の動物の脳ではおそらく四則演算から割り算をのぞいた三則での処理しか行われていない(割り算は実は永遠のナゾ。そろばんの割り算対応にヒントかな)ヒトがヒトとして処理速度を向上させたのは、対数的演算を脳内で効率よく実現させ、実装できたからであろう。

この高効率のヒトの処理法をコンピューティングに反映させるだけのことです。現行の0と1のみによる二進法/binary コンピューティングは、1940年代当時人類に普通となった電気回路の開閉(開=不通 off、閉=通 on。ドイツなど大陸欧州では今でも家庭のオンオフは0とIで表示)を転用したに過ぎない。

対数コンピューティングでは閉じた回路 circuit は使用できない。模倣するならばヒトの脳のニューロネットワーク状のものだが、これにも無駄があるため最理想のマスターとはならない。「ある事象 an event 」を正確に整理して定義すると、ある事象以外のすべての事象を排除した残りの「事象」となる。

であれば、正確に整理されて残存し定義されたある事象は、その時点で事態の帰結はすでに正確に定義できることとなる。

もちろん、ある事象の帰結には複数の「選択肢」が想定され得る。ここで「可能性 possibility」という不正確な語は使用できない。可能性は、実際は「不可能性 impossibility」を排除した残りに過ぎないから。やはり「蓋然性 probability」を再度採用することが精度を上げる唯一の策である。

「ある事象の帰結はxでない/xである蓋然性が(きわめて)高い/低い」。これですべての事象の帰結は表記し尽くせたことになる。

参考: 数学入門、遠山啓 岩波新書青 1959 Amazon Unlimited 無料対象
数と図形の発明発見物語、板倉聖宣編 国土社 1983新版
和算の誕生、平山諦 恒星社厚生閣 1993
宇宙論I - 宇宙のはじまり シリーズ現代の天文学第2版補訂版 佐藤勝彦・二間瀬敏史編 2008
科学 2024/1 岩波書店

脳と心の地形図、リタ・カーター著 藤井留美訳 原書房 1999
自由意志-現代哲学のキーコンセプト、ジョセフ・K・キャンベル著 高崎将平訳 岩波書店 2019
確率-現代哲学のキーコンセプト、ダレル・P・ロウボトム著 佐竹佑介訳 岩波書店 2019
因果性-現代哲学のキーコンセプト、ダグラス・クタッチ著 相松慎也訳 岩波書店 2019
ゲーデル,エッシャー, バッハ - あるいは不思議の環、ダグラス・ホフスタッター著 野崎昭弘/はやしはじめ/柳瀬尚紀訳 白楊社 1985
意識と本質、井筒俊彦 岩波文庫 1991
チョムスキー言語学講義、ノーム・チョムスキー/ロバート・C・バーウィック著 渡会圭子訳 ちくま学芸文庫 2017
世界史を変えた新素材、佐藤健太郎 新潮新書 2018
赤瀬川原平の冒険、赤瀬川原平 赤瀬川原平の冒険実行委員会 1995
など

本が買いやすかった場所: 縮小前のBook 1st 中野店

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