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座右の銘は『棚から牡丹餅』

 「棚から牡丹餅ぼたもち」とは、「苦労なく思いがけず幸運に出会う」という意味のことわざで、タナボタと略されることもしばしばです。この諺の由来は、棚の下で寝ていたところ、ぼた餅が何かの拍子で落下し、たまたま開けていた口の中に入ったという昔話です。こんな都合がいい偶然は滅多にありませんが、滅多にないからこんな諺として伝承されています。

 年初に当たって「今年の目標を決めよう」と思いましたが、よくよく考えてみると年間目標を立てたことが一度もないことに気が付きましいた。長いこと生きてきたので、記憶にないだけで、ひょっとすると一回くらい目標を立てたことがあるかもしれませんが、目標のことは覚えていませんし、たぶん目標を達成していません。そんなこともあって、私の座右の銘は『棚から牡丹餅』です。

 こう書くと、この諺の意味が分かってるの?、とツッコミが返って来そうですが、本当にそう思っています。”本当のタナボタ”は、何もしていないのに素敵な物をもらったり、予想もしなかった場面でラッキーなことが起こったりしたときに使います。その意味では、”私のタナボタ”とはちょっとニュアンスが違います。”私のタナボタ”は、「努力はするけど、あとは運任せ」のような意味合いで使っています。

 昔、有名な指揮者が、インタビューで座右の銘を聞かれた時のエピソードを思い出しました。その指揮者の方は、心から(嘘偽りなく)「座右の銘は棚から牡丹餅です」と言っているのに、ファンの方々が「あの人は海外留学が長いので、日本語の諺の意味がよくわかっていないのだろう」と解釈されてしまったと話されていました。

 今年も大きな目標はありませんが、一つ一つの仕事を大事にしていこうと思っています。強いて言えば、昨年は小さなタナボタがあったので、今年もタナボタ狙いです。

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