071.官僚として能力が問われる時代へ
勘定奉行にふさわしい家格の武士たちは計算ができず、財務処理を誰もやりたがらないのですから、下級武士にとって、実力さえつければ、登用される可能性は大です。下級武士にとって、勘定奉行という職務は、またとない出世のねらい目になりました。
足高制が実際にどのように利用されたのか、勘定奉行についてみると、実施以後では500石以下層からの登用がその半数近くを占め、「徳川時代中期以降に活躍した勘定奉行の中には、禄高が150~200石という、旗本でも最下位の身分の出自ながら、順次に昇進し