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消費者インタビューしたら顧客のインサイトが把握でき施策が明確になった話

定期的に購入者に向けてアンケートを実施しているが、表面的なことしかわからず実態が捉えられない。実際のところなぜ自社製品を選んでくれているのか、いまいちよくわからない。
そんな経験ありませんか?

シナジーマーケティングは創業約18年。

どうやったらより顧客理解が深まるのかをずっと考えてきました。

かくいう私たちも、顧客理解をしましょう!と、クライアント企業にアンケートの実施や購買データの分析、アクセス解析など様々な施策のご提案を行ってきました。
もちろん、それらの取り組みで「行動傾向」や「評価(満足/不満足など)」は分かるものの、「なぜ買おうと思ったのか」は推測するしかありませんでした。

企業のファンづくりに貢献できるサービスを企画する立場になってから、なぜ人はファンになるのか?を理解するためにも、やはり一度は自分たちで消費者インタビューをした方が良いのではないか?と考え、協力いただける企業様を探し始めたのが昨年の6月後半。
そこから複数社でインタビューを取り組ませていただき、一からの準備にレポート作成、報告後の社内活用支援など、サービス開発と並行しながら慌ただしい日々を過ごしていました。(投稿が滞っていた言い訳)

結論やって良かった

今、結果的に消費者インタビューを自分たちで実際に体験してみて、とてもとても良かったなぁと感じています。
それは、顧客を理解するということはこういうことか!と実感することができたためです。それと同時に顧客を理解するということは何を理解することなのかということと、目指すところも明確にできました。

顧客を理解することで、その商品やサービスが現在、どのような人たちに他社にはない価値を感じてもらっているのか、本来ならターゲットになりうる人たちだけど、正しく情報が届けられていない人たちにはどのようなお届け方法なら確実に届くのかなど打ち手も明確になりました。

何よりも、レポートを納品したクライアント内で行われる企画会議で、見出した顧客像を中心に議論がされていることが、嬉しく思っています。

データ分析を中心とした取り組みとインタビューの違い

では、今までのデータ分析を中心とした取り組みとインタビューの結果では何が違ったのか?

それは、様々な代替品が溢れかえるこの世の中で、どういう経緯でその商品やサービスを選ぶに至ったのか、という物語があるかないか、だと感じています。

データ分析を中心とした取り組みでは、どうしても自社が選択肢に含まれた前提で、競合と比べてどうすれば購入に繋げられるか、と考えがちになります。
ですが、インタビューをしていると、「なぜその商品を選択肢に入れたのか」「何と比べていたのか」など、各種データ分析で見える範囲よりももっと前にとても大きなヒントが隠れていました。

そこには一人ひとりの物語があり、それこそが真実であり、机上で考えられた粒度の顧客像とは全く違いました。

2社実施して浮き彫りになったこと

最初にインタビューをした鉄道会社さんでは、展開している物販に対してと、ファンとの繋がりをより作るためのイベント企画に対してのユーザーニーズを把握すべく、インタビューを行いました。

その結果、今まではできるだけ多くの方に受け入れられるであろうデザインで商品を企画・販売されていたのですが、いざ話しを聞くと、なんとターゲット層の中でも特にコアになり得そうな層には、選ばれていなかったという事実がわかりました。

また、インタビュー前はファンの方が一同に会するようなイベントを開催することでより好意度が上がると考えていて、その回数を増やすことやイベントのテーマを増やすことを考えていました。
ところが、実はそれよりも自分と同じ程度の知識や熱量、世帯状況の人たちと交流できるようなイベントの方が好意度が上がるということがインタビューによって明らかになりました。この“同じ程度”というのがポイントで、お話を聞いたみなさん「熱量が高すぎると参加しにくい」というご意見が一致していたのがとても印象的でした。
これにより商品企画はもちろん、ファンの方が参加しやすいようなイベント企画に向けて鉄道会社さんの社内で企画が進んでいらっしゃいます。

次にインタビューをした出版社さんでは、今まで年齢や役職などの属性情報で読者を捉えており、ビジネス課題を解決したい人向けに事柄をより深く分析、推察した情報を提供されていました。

こちらでは、今後もっと読者を増やしていくために、今の読者は何に価値を感じてくれていて、何をしていけば良いかを考えるためにインタビューを行いました。

その結果、もちろん元々その出版社さんが大事にしていた編集方針に価値を感じてくれている読者は多かったのですが、なぜそこに価値を感じてくださるのかという背景に違いがあることがインタビューによって把握できました。

そして、本来メインの読者になって欲しい層には、今の販売戦略だと十分にリーチできていない(知る人ぞ知る商品になってしまっている)ということが明確になりました。これにより、営業戦略や広告戦略、Webコンテンツの出し方など様々なポイントで課題が浮き彫りになりました。
その後、ご担当者さまより社内で弊社から報告した内容を共有いただく中でも、とても好ましい評価をいただいているという嬉しいご報告をいただきました。

最後に

このように、アンケートデータや購買データを見ているだけでは分からなかった、どういった背景で喜んでいらっしゃるのか、どうやって楽しんでいらっしゃるのかをご自身の考えや感じたことをご自身の言葉でお伝えいただいき、それを分析してインサイトを抽出できたことがインタビュー実施した大きな成果だと感じています。

とはいえ、サービス開発としてはまだまだ道半ば。
引き続き消費者インタビューを通して仮説検証を行い、サービス開発に繋げていきたいと思います。


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