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【物語】オズの魔法使い② ”ハートの探求者”

私の好きなインナーチャイルドカードは【おとぎ話のタロット】とも言われている、物語をベースにしたカードです。
昔読んだことのある懐かしい童話や、意外と知らなかった物語もあったりして、カードへの理解も深まるかと、それにまつわる物語を読んで感想を記録しています(^^)/



今日のカード

ハートのシーカー(ブリキ男)

ハートは、
タロットカードではの元素と関係します。
インナーチャイルドカードでは翼をもつハートと呼ばれ、感覚、感情、優しさ、無意識の分野がテーマです。

探求者(シーカー)は、
タロットのコートカードのナイトにあたります。
それぞれのスートにおけるテーマを深め、子供から成長していく過程の学習・研究途中の状態を表しています。


読んだ物語は?

『オズの魔法使い』
(福音館古典童話シリーズ28)

L・F・バウム 作
W・W・デンスロウ 画
訳者 渡辺茂男
発行 福音館書店


読んで感じたこと

本の感想はコチラに書きました^^
 ↓


物語とカードの関係(私の考察含む)

2枚目の『オズの魔法使い』の登場人物は、ブリキのきこりです。

魔法使いオズ大王の治めるエメラルドの都を目指して、ドロシーの仲間に加わります。
ブリキのきこりは、心臓(心)をもらうために。

なぜ心臓が欲しいのか?というのは、彼の身体がブリキで出来ているからだと思っていましたが、この本を読んでそこに悲しいお話があった事を知りました。

人間であった頃にある娘と結婚の約束をしていたのに、娘の結婚を阻止したい母親が東の悪い魔女に頼み、彼の斧は魔法にかかります。そして自分のオノで自らの身体を切り落とし、心もその娘に対する愛情もなくしてしまったというお話。
ブリキの身体になった後、森で木を切っていた時に雨に打たれてしまい体中の繋ぎ目が錆びて、そのまま1年間も動けなくなっていたのをドロシー達に助けられるのです。

1年も考える時間があったきこりは、自分が失ったものの中で一番大事なものは心臓だったと実感します。それはきこりがこの世で一番幸せだったのは、誰かを愛しているときだったからでした。

心臓をもらってもどう使えばよいか分からないから脳みそを頼むという案山子に、ブリキのきこりはこういい返します。

「わたしは心臓をとります。
脳みそは、人を幸せにしませんからね。
幸せが、この世でいちばんです。」

『オズの魔法使い』P74より


心をなくしたとはいえブリキのきこりは、本当はとても繊細な心を持っていました。

旅の途中カブトムシを踏んでしまって悔しくて泣き、自分には心がないから気をつけなくちゃと細心の注意を払い、山ねこが小さな野ネズミを殺すなんてとんでもないことだと助け、西の悪い魔女からドロシーに助けて貰った時も涙を流して喜んだのは、ブリキのきこりでした。

心臓が欲しいきこりに、オズは「心臓はほとんどの人を不幸にするので、ないことは運がいいことだ。」と言います。でもきこりは、それを意見の相違だとキッパリ言うのです。

「わたしにすれば、あんたが心臓をくれれば、
どんな不幸も、文句ひとついわずにたえられるようになるのさ。」

『オズの魔法使い』P230より


これはどういう意味があるのでしょうか。
確かにオズがいうように、恐怖や悲しみを感じたりイライラしたりざわついたりするのは、心があるせいなのかもしれません。でもそんな不幸も耐えられるという程、きこりはかんじょうのじゆうを取り戻したいと思っているのでしょうか。


このインナーチャイルドカード・ブリキ男には、

・心を開くこと
・涙を流すこと(痛みを見せること)

という意味があります。

身体がブリキで出来ているきこりは、水によって錆びつき身体の自由を奪われてしまいます。
心がないからではなくあるからこそ、涙を流さないように感情を押し込めていただけで、自分には心がないと思い込んできただけなのかもしれないな、と私は思いました。
ブリキの硬い鎧の内側には、周りに心を配る優しい心を持っていたはずですから^^


涙を流すことが痛みを見せることであるのも、憚る事なく涙と共に心の傷を誰かに話せるということが感情の解放に繋がります。またその痛みを見せることは、また誰かの心を動かしたり気づきを起こすことにも繋がるのではないでしょうか。
鎧を脱いで、心を開いて、泣いたっていいのです!

一番幸せなのは愛している時だというブリキのきこりは、オズにもらった絹で出来たおがくず入りの小さな心臓を胸に入れ、これからは悪い魔女が治めていた西の国の親切な民たちを愛する優しい国王になるでしょう^^


次回は、臆病なライオン編です!









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