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#海外文学のススメ

おすすめの作品や作家、注目している国や地域を教えてください!

急上昇の記事一覧

朗読 | Henry James,"The Portrait of a Lady"

Under certain circumstances there are few hours in life more agreeable than the hour dedicated to the ceremony known as afternoon tea. There are circumstances in which, whether you partake of the tea or not - some people of course never do - the situation is in itself delightful. Those that I have in mind in beginning to unfold this simple history offered an admirable setting to an innocent pastime. The implements of the little feast had been disposed upon the lawn of an old English country-house, in what I should call the perfect middle of a splendid summer afternoon. Part of the afternoon had waned, but much of it was left, and what was left was of the finest and rarest quality. Real dusk would not arrive for many hours; but the flood of summer light had begun to ebb, the air had grown mellow, the shadows were long upon the smooth, dense turf. They lengthened slowly, however, and the scene expressed that sense of leisure still to come which is perhaps the chief sourse of one's enjoyment of such a scene at such an hour. From five o'clock to eight is on certain occasions a little eternity; but on such an occasion as this the interval could be only an eternity of pleasure. The persons concerned in it were taking their pleasure quietly, and they were not of the sex which is supposed to furnish the regular votaries of the ceremony I have mentioned. The shadows on the perfect lawn were straight and angular; they were the shadows of an old man sitting in a deep wicker-chair near the low table on which the tea had been served, and of two younger men strolling to and fro, in desultory talk, in front of him. The old man had his cup in his hand, it was an unusually large cup, of a different pattern from the rest of the set, and painted in brilliant colours. He disposed of its contents with much circumspection, holding it for a long time close to his chin, with his face turned to the house. His companions had either finished their tea or were indifferent to their privilege; they smoked cigarettes as they continued to stroll.One of them, from time to time, as he passed, looked with a certain attention at the elder man, who, unconscious of observation, rested his eyes upon the rich red front of his dwelling. The house that rose beyond the lawns was a structure to repay such consideration, and was the most characteristic object in the peculiarly English picture I have attempted to sketch.

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いま借りている本。ウェストール4冊『海辺の王国』『弟の戦争』『クリスマスの幽霊』『遠い日の呼び声』、ヘルマン・シュルツ『川の上で』、マイケル・モーパーゴ『西の果ての白馬』、ダレーシー『飛べないハトを見つけた日から』、ゴッデン『すももの夏』、ヘンドリー『屋根裏部屋のエンジェルさん』

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幻想を報告せよ -公務員カフカの冒険

【水曜日は文学の日】 ある朝、普通のサラリーマンが毒虫になってしまう小説『変身』で名高い小説家フランツ・カフカは、本当に不思議な「ありよう」の作家です。 個人的に興味深い作品は何個かあれど、なぜここまで研究者から読者まで、惹きつけてやまないのか、ちょっと驚くようなところがあります。 私が今興味があるのは、彼の「生き方」と「書き方」です。 それは、一見新奇なようでいて、実は、文学史のある種の伝統に即しています。だからこそ、彼の作品がここまで受け入れられて

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星の王子さま(図書係の思い出)

小学5年の2学期に入ってすぐ、班替えがあって島田さんと同じ班になった。男子2人、女子3人の班で、班長は私だった。 学活のとき、どの班がなんの係活動をするのかを決めることになった。 まず班ごとに話し合いが行われ、私は班員に「お楽しみ係がええんじゃないん」とすすめた。お楽しみ係とは、お楽しみ会を企画・運営する係で、男子のあいだで人気があった。 「読書の秋じゃけ、図書係にしようや」 さっそく島田さんが立ちはだかった。図書係の仕事といえば、学級文庫の整理くらいだ。 「いやじゃ

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ストーン・ローゼズを追って【八〇〇文字の短編小説 #15】

二〇一二年六月二十九日の昼すぎ、ニーナはイングランドのマンチェスターの熱気にのみ込まれていた。 前日、友人のイーダと一緒にマルメからスカンジナビア航空の飛行機に乗り、五時間かけてロンドンに到着した。セント・パンクラス駅に着くと夕食にロンドン・プライドというビールを飲みながらフィッシュ&チップスを食べ、予約していた安宿に泊まり、朝早くにユーストン駅からマンチェスター行きの列車に乗った。 お目当てはストーン・ローゼズの復活ライブだ。一九八九年にリリースしたデビューアルバムで

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『愚か者同盟』ジョン・ケネディ・トゥール

いつも本を借りる市営図書館の新刊がおいてある棚で見かけたのが最初です。ピンクのカバーに『愚か者同盟』というタイトルでインパクトがかなり大きい、そしてあらすじも「警察にも追われるようになったイグネイシャスは、一癖も二癖もある奇人変人たちを巻き込んだり巻き込まれたりしながら逃亡劇を繰り広げ、ニューオリンズの街に大騒動を巻き起こす」とおもしろい予感しかしませんでした。 木原善彦さんが翻訳している本は難しいという印象があるので、最後まで読めるのか心配でした。でもイグネイシャスという

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「失われた時を求めて」を巡る冒険①

↓を読み始めています。 岩波文庫版のプルースト「失われた時を求めて」全14巻です。 ボリュームと難解そうなイメージに圧倒され、ずっと二の足を踏んでいました。でも先日亡くなった唐十郎さんがよくインタビューや作品内で引き合いに出していたのを思い出し、追悼の意も込めて挑もうかと。 他の出版社からも出ています。岩波文庫を選んだことに理由はありません。あえて言うなら、ページを捲った時の感覚が目と指先に心地良かった。 どの巻も分厚そうなので(第1巻は528ページ)長丁場になる予感

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埋められない溝を見事に描いた台湾グルメ小説「台湾漫遊鉄道のふたり」楊双子著、三浦裕子訳

文学ラジオ第154回の紹介本 埋められない溝を見事に描いた台湾グルメ小説 「台湾漫遊鉄道のふたり」 楊双子 著 三浦裕子 訳 中央公論新社 パーソナリティ二人で作品の魅力やあらすじ、印象に残った点など、読後の感想を話し合っています。ぜひお聴きください! 今年の第十回日本翻訳大賞の最終候補/まるで日本の小説のよう/趣味が合うか不安はあったけど心配無用だった/著者&作品紹介/日本人作家が書いた小説という構成がユニーク/グルメエンタメ/台湾人のアイデンティティ/作品の時代背景

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クラーク『幼年期の終わり』池田真紀子訳、光文社

ずっと気になっていた。SFの古典的傑作だというこの小説。なんで「幼年期の終わり」なのか。児童心理学みたいな不思議な題名だ。いつか読んでみないとねーと思ってはや数十年。やっと手に取ったかと思ったら、数ページ読んだあと家の中でしばらく行方不明になっていた。なかなか読めないものである。やっとベッドの隙間に発見して、今回めでたく読むことができました。 ところで、わたしはSFというジャンルにはちっとも興味がないので、(あ、もちろん『スローターハウス5』とか『夏への扉』はSFと呼ばれて

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『あのころ、天皇は神だった』ジュリー・オオツカ(小竹由美子訳)【読書感想文】#38

ジュリー・オオツカ(岩本正恵・小竹由美子訳)『屋根裏の仏さま』(新潮クレスト・ブックス)が良かったので、『あのころ、天皇は神だった』をつづけて読む。小竹由美子訳。フィルムアート社。 こちらがデビュー作だそうで、そう知って読むせいか、『屋根裏の仏さま』へ通じる書き方が垣間見え、愉しい。 具体的なのに抽象的(象徴的)で、ひとりだけど複数の語り、詩的な繰り返し、などなど、独特の文学は本作に早くも顕れている。 日経移民の強制収容という状況の残酷さに比して、風景の描写が美しい。

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言葉の森をさまよう -小説『森のバルコニー』の美しさ

【水曜日は文学の日】 小説というのは、現実の体験から、現実を超えた何かを味合わせてくれるゆえに美しい。そんな風に思っている人は多いと思います。 フランスの小説家、ジュリアン・グラックの1958年の小説『森のバルコニー』は、そんな美しさを持つ小説の一つであり、私の偏愛する作品の一つです。 ジュリアン・グラックは1910年、フランスのロワール川近くのロワール県生まれ。ナントで歴史の教師をしながら、小説『アルゴールの城にて』を出版。これが、ブルトンに絶賛され、彼の

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推し活翻訳8冊目。The Ghost’s Child、勝手に邦題「まぼろしの子」

原題:The Ghost’s Child 原作者:Sonya Hartnett 勝手に邦題:まぼろしの子 「真っ暗な空を稲妻が切り裂き、天を衝く大波が地滑りのように崩れ落ちた。もうだめだと思った瞬間、マディーは声を限りにフェザーの名を呼んだ。姿を見せてくれてもいいはず。こんなにも、あなたが欲しいのだから」 概要と感想: 一人暮らしの老女マチルダが、冷たい霧の午後、犬の散歩から帰ってくると居間で見知らぬ男の子が待っている。不思議な客人は、訪問の目的も、自分の素性も告げ

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2024/5/23(Thu) 🇺🇸Jim Cramer's top 10 things to watch (with チャート・経済指標、決算情報)

注目すべきジム・クレイマーのベスト10 1.Nvidia (NVDA) エヌビディアのすべて 私たちの "所有し、取引しない "クラブ銘柄は、水曜日のゴング後、トップラインとボトムラインで空の期待をはるかに上回った。AIリーダーであるエヌビディアはまた、大きな収益指針とジェンセン・フアンCEOによるより広いビジョンを発表した。同社は今年、自動車、特に自動運転が巨大な分野と見ており、テスラがその取り組みにAIインフラを利用していることに言及した。その後、クラウドサービスプ

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「母の日」に、ジョージ・エリオット『サイラス・マーナー』(改訂)

ディケンズと並び称される、19世紀イギリス文学を代表する女流作家です。 彼女の代表作のひとつ「サイラス・マーナー」は、「大人のためのおとぎ話」として海外では広く読まれている作品です。 「他人への愛」や「因果応報」をテーマとしたシンプルな内容ですが、端役にいたるまでの緻密な人物描写・心理描写が感情移入を促します。 読後感がこの上なく素晴らしい物語です。 女性が愚かであるということを 私は否定しませんが 全能の神は 男性につりあうように 女性を作られたのです

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わたしたちの詩 #36

ハヤカワ・ミステリ文庫(メグレ)→ 光文社古典新訳文庫(『ペスト』)と海外文学をつづけて読んだら、つぎは新潮クレスト・ブックスを読みたくなる。 近く新作の出るらしい、ジュリー・オオツカ(岩本正恵・小竹由美子訳)『屋根裏の仏さま』を、その予習がてら手に取る。 写真だけを頼りに海を渡った日系移民一世「写真花嫁」たちの物語だ。 時代や共同体といった、個人ではどうすることもできない運命に翻弄される過酷さは悲痛であり、その内にあっても連帯し、芯を強くもち懸命に生きるさまは美しくも

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【雑感】オーディオブックと朗読

『書くことについて』によると、スティーブン・キングの息子さん(作家)は子どものころ、父親から小遣いをもらって、小説の朗読をテープに吹き込んでいたそうだ。60分テープ1本9ドル。 父親はそれを運転しながら聴く。 教育のためではないと言っていたそうたが、子どもは読み書きのスキルは向上するし、小遣い稼ぎになるし、本人は運転しながら本が読める。一石三鳥だ。 昔は朗読を仕事にしていた人もいたようだ。本を読むより人の声で聴きたい人や、さまざまな理由で読めない人も多かったからだ。

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終わった、、、

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『自傷行為』

self-inflicted wound Charles Bukowski やつはスタインベックとトマスウルフについて話しをし2人を掛け合わせたような文章を書いた オレはフィゲロア通りにあるホテルに住んでいた 近くにはバーが所狭しと並んでいる やつは郊外の小さな部屋に住んでいた オレたちは2人とも作家になろうともがいていた オレたちは市民図書館で会い、石のベンチに座り話しをする やつはオレに短編を見せた よく書けていた、 オレの短編よりもはるかに優れていた、 やつの短編には

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「最後の最後にまさかの事実がわかる青春ミステリー~『ヴァイオレットがぼくに残してくれたもの』~」【YA83】

『ヴァイオレットがぼくに残してくれたもの』(SUPER!YA)         ジェニー・ヴァレンタイン 著 冨永星 訳 (小学館)                           2024.5.15読了 イギリスのロンドン北部に住むもうすぐ16歳のルーカスは、友人の家に泊まったあと夜明け前に帰るのに、タクシー会社に入ってタクシーを頼もうとしたことから始まる不思議な出来事に遭遇することになります。 タクシー会社の事務所の棚にはなぜか忘れ物の骨壺が置いてあって

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【本の話】SFの正しい装丁について

いまさらだけど、ハヤカワ文庫のフィリップ・K・ディックの装丁って、かっこいいよね。 私が昔読んだ『マイノリティ・リポート』って、こんなんだったなあ。これはこれで味わい深いんだけど。 それに引き換え、ロバート・A・ハインラインの原書は、いまこんな事になってる。 『月は無慈悲な夜の女王』 『異星の客』 『宇宙の戦士』 これはダメでしょう。これじゃイメージ湧かんよ。 もしかしてあちらではインテリジェントでスタイリッシュ、とかということになってるのだろうか。 まあ訳書

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