どうやら恋という病に感染してしまったらしい あなたが脳裏を犯して 朝は愛しく、昼は逢いたく、夜は寂しい この症状はやはり恋という他ないのだろうか しかして僕は愛情と劣情の区別もつかない未熟な人間だ そんな僕がこのはやり病に感染してしまったらしい 特効薬はないらしく、症状はあなたに依存して変化していく 「あなたとの精神的な距離と反比例した関数で症状の重さは表される」となにかの本で読んだような 嗚呼、切ないというのはこの感情をいうのだろうか 僕はもう耐え切れそうにない はやく
深夜0時45分、僕はふと、その感情か妄想かに取り憑かれる。 それは粘性の流体のように僕を飲み込む。 それは僕の在り方について問う。 やはり答えなど見つかるはずもなく、挙句どうして僕は泣く? 午前3時15分、僕から溢れる涙は、ひとつ、水溜まりを作る。
独り、青い光で薄暗い、狭い部屋の中 狭間でどうにも動けない僕は 重力で融けるまま 夢に沈んでいく そこは現実で虚構で 苦しく流動する 逃げ出すように焦り 意識が戻ると そうしてまた狭間で動けないのだ 独り、青い光で薄暗い、狭い部屋の中 動けない
眠れない夜は侘しい。 独りで夢想するものほど惨めなものは無く、それでも変わらない日常に嫌気がさす。 眠れない夜は寂しい。 静かな青に飲まれてもどうして虚像しか無く、そうしてただ胎児のように芳香性の波に揺られる。 眠れない夜は愚かしい。 その悔しさに僕を責めたとてそこに行動は無く、結局自律のできるはずのないこの夜だ。 どす黒い頭の塊が僕の精神を蝕み、遂に眠れぬバケモノの僕はただそれが使命かのように月に遠吠える。消せない過去を背負い、甘美な今を喰らい、霧の中の未来へと歩みを
僕はまだあの夜にいる 空の青緑から星が落ち 僕とさざめく草木 二人のために青い街灯と あなたに微笑みかける空気が肌寒い そんな夜だから きっとI LOVE YOUな言葉も月の光にかき消されゆく 冬が優しく撫でて 僕は まだ そんな夜にいる