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父の夢をみた

亡くなった父の夢をみた

朝起きたときと、出かけるまえに届いていた
家具を組み立てるときに思い出したけど
そのときは深く感情は動かなかったのに

お手がけから帰ってきて
落ち着いてYouTubeのキャンプ動画をみて
ゆっくりしだしたときに思い出して
なんだか号泣
あんまり泣けるので
(今日はもう)泣くのはいいよーって
苦しくなって思って涙を拭った

わたしが好きだった神楽坂で
テラスみたいな席で
父と食事をした

お店を出て
日が落ちて夜が染み込んだ空を感じた
少しだけ残った夕日の気配のなか
なぜか少し父が一人になりたい気がして
わたしと父は左右に分かれた

反対側の歩道を歩く父は少年みたいに
飛び上がるように駆け出して
途中で個人の本屋さんの小さい軒先で冊子を手にしては
興奮し、こんな場合ではないと慌てて手にした
冊子を置いて、また夜の街を駆け出し
どこかのお店に向かっているような
楽しくてたまらないというふうだった

なんだか亡くなって、自由になったようだった
無くなる前の病気と戦った姿でなくて
幾分、若くなっていた

足取りはとても軽くて
夜が楽しくて仕方ないというふうだった


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