ハラスメントを野放しにする傍観者効果|ココカリ心理学コラム
ハラスメントは良くない事と誰もが認識しているのに、なぜ発生してしまうのか。人が不正を行うのは「機会」「動機」「正当化」の3つが揃っている時といわれており、職場という環境は、悲しいかな、これが成り立ちやすいのである。
要因が特定できれば対策を考えられる。「機会」は、研修などを定期開催して、権威を有する危うさを訴え続け、裸の王様にならないよう注意喚起していきたい。「動機」「正当化」は心理カウンセリングも有効であろう。ストレス・マネジメントや偏った認知の変容などは、心理士と一緒に取り組んだほうがいい内容である。専門家を頼ってみてほしい。
傍観者効果
もし職場でハラスメントが行われていた場合、我々はこのクライシスに対して行動がとれているだろうか。その場に割り込んで制したり、行為者に対して注意ができるだろうか。見てみぬふりをしていないだろうか。関与しないという肯定的な態度をとっていないだろうか。恥ずかしい話、私自身を振り返ると、かなり疑わしい。
傍観者効果という社会心理学用語がある。これはある事件に対して、自分以外に傍観者がいる時に、率先して行動を起こさなくなる心理である。発生要因は以下の3つの観念で説明される。傍観者が多いほど、その効果は強力なものになる。
傍観者効果を打ち破り、火中の栗を拾う勇気をみせた社員には賛辞を贈ろう。ハラスメントに対して、注意していい、注意されたら直す、という雰囲気を全員で作り上げていきたい。
ハラスメントを起こさないための基本姿勢
結局のところ、明らかにハラスメントと言えそうなものを除けば、何がハラスメントかの判断は難しく一律には決められない。これがハラスメントの難しいところでもある。
我々がやれることは、①常識的に考えて、これを言われたら相手は嫌だろうな、これをされたら相手は嫌だろうなという事をしない。②相手およびその言動・思考・意見を尊重する。③相手の年齢や社内の立場がどんなものであろうと、リスペクトしつつも対等性を感じておく、ということである。どれも至極当然な事項なのだが、これが以外と難しいものである。
共通認識をつくり、遵守することで、心理的安全性の高い職場を目指したい。
※ ※ ※ ※
オンライン心理カウンセリングルーム|cocoro no cacari|こころの健康で気になることがありましたら、まずはお問い合わせからどうぞ。私の経験談などコンサルテーション的なお話しもできます。多くの方の何かしらのお役には立てると自負しています。