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【看護師はケアマネをやりたがらない】

🌲元看護師として思うこと

私は精神科看護師として、長く働いた経験がある。

今は訪問看護ステーションに併設されたケアマネ事務所で働いている。
精神科に特化した訪問看護ステーション以外は、精神科を経験した看護師は少ないように感じている。

今でも精神科病棟、一般病棟と呼ぶことに違和感があるが、それが無意識に残る偏見なのだろう。

最初に精神病院に足を踏み入れた時の衝撃は、今でも鮮明に覚えている。
その中で、観察とコミュニケーションについて深く学ばせてもらった。

今、私がケアマネとして働いている基盤は、この精神科看護の経験から得たものが大きい。

結局のところ、ケアマネも看護師も根本的には大した差はないと私は思うのだが、ケアマネは魅力ある仕事だと言う看護師は少ない。

ケアマネの資格を取っても、ケアマネとして働かない。一応、長く看護師をやってるから取ってみるか程度。
そんな看護師が多いように感じる。

看護師から見れば、ケアマネの仕事は書類に追われ、仕事も煩雑、その割に給与面で待遇が悪い、
直接命に関わる仕事ではないので、看護師の手技を活かすことができない…そんな思いもあるようだ。

「ありがとう」と言う直接感謝の言葉をいつも受け取っていた看護師にとって、『縁の下の力持ち』のケアマネでは物足りないのかもしれない。

🌲ケアマネとして思うこと

兼務でケアマネとして働いている人も多いとは思うが、片手間でやるほど簡単な仕事ではない。

できないことはないが、細かなところに気を配る仕事だからこそ、兼務では中途半端な働き方になってしまう恐れがある。

器用にこなせる人もいるかもしれない。業務命令だから仕方なくやっている人もいるだろう。
私は専任として働ける今に感謝している。

ケアマネの基礎資格がどうであれ、介護の業界ではキーパーソンになる仕事。

でもどうして看護師はケアマネになりたがらないのか。

幼い頃から、将来は看護師になりたいと思っていた人もいるだろう。
母親が看護師だったからと言う人もいる。

看護師は白衣の天使と言われた。

看護師に憧れても、ケアマネに憧れの気持ちを持つ人がどのくらいいるのだろう。

ケアマネは経験年数が条件にあり、結果的に平均年齢は高くなる。
ケアマネの資格を取ることは、本業の看護師として働くための教養になる。勉強熱心な看護師はそう考えるのではないか。

看護師は国家資格で歴史は長い。ケアマネは民間資格で歴史が浅い。
看護師を知らない人はいないが、ケアマネと聞いてピンとこない人も多い。

🌲ケアマネの未来

少子高齢化はこれからも進む。
ケアマネとして働くことはまだできるだろう。

私にとって、精神科看護師からケアマネになったことは自然の流れだった。
憧れて看護師になったわけではないということも1つの要因だったと思う。

縁あって看護師になり、さまざまな病を抱える人と出会った。
統合失調症、神経症、鬱病、認知症、依存症…
社会の片隅でひっそりと生活されていた方々は、病院が治療の場でもあり、生活の場でもあった。

よく、看護師は「病気」を見る、介護福祉士や社会福祉士は「生活」を見ると言われる。

どちらも大事なことに違いはない。
看護師のケアマネは、その両方の視点から利用者さんを見ることができる点で、期待される存在だとは思っている。

ケアマネが憧れの職業になる道は遠い。
それでも魅力ある職業として選んでもらうために、これからも努力を重ねていくしかない。

魅力あるケアマネの仕事について、妄想力を働かせ勝手に考えてみた。

*看護大学や、社会福祉の大学を出る学生は、経験年数を経なくてもケアマネの受験資格を得られ、若いうちからケアマネとして働ける。
*国家資格となる。
*給与面で優遇される。
*働きやすい職場作り。家庭の事情にも臨機応変に対応。休みがとりやすい。ワークライフバランスの取れた職場。
*ケアマネ更新研修見直し。受講費用の軽減。
*ケアマネ間で情報共有し、気楽に話したり勉強し合う場作り。不安を軽減。
*ICTを活かした業務改善。書類を減らす。仕事が楽になる。
*フリーで働くケアマネ。副業、起業支援。働く場所が広がる。

制度上現時点で無理なことも多いが、次世代のケアマネが育つ取り組みをしないことには、近い将来が不安になるのは事実だ。

「ケアマネの仕事って楽しいね」
そんな思いで働ける人が増える将来に期待しながら、今できることをやっていく意識だけは持って働いていこうと思っている。







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