シマ子

イタリアに住んで十云年の会社員。某大学の今はなき一文の美術史を氷河期時代に卒業し、日本…

シマ子

イタリアに住んで十云年の会社員。某大学の今はなき一文の美術史を氷河期時代に卒業し、日本で社会人をした後、移住先をフランスかイタリアかで迷い、ミラノに来て今に至る。ヨーロッパ各地の美術館や文化施設訪問、フランス映画、ダンス、北欧の自然が好き。 インスタ:@enaga_shimako

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Alessandro Mendiniの「Io sono un drago(私はドラゴン)」を鑑賞する

とある会社帰り、私のNoteでも何回か登場しているよく行く複合美術館でAlessandro Mendiniの作品を鑑賞した。 タイトルと、美術館の案内のページに使われている作品が私の好みとは大いにかけ離れているので(例えば、"私はユニコーン"とかいうタイトルで、一角のある巨大な目をしたカピバラの絵でも載っていれば、開始早々行ったかもしれない…😂)、結構後回しにしてしまったが、「実によかった、ポップな色合いと夢のある作品に癒された」と素直に感じ、少し疲れている時に見るとより心に

    • 世界で16しかない「ラビの館」を訪れる

      先日、とあるイベントで、長らく狙っていた「ラビの館=Casa 770」が公開されることを知った。開かずの間と言っても過言ではないこの建物は、私が時折食材を奮発したい時に訪れる食品店の近くにあるため、その界隈を通るたびに眺めるのだが、一度たりとも門扉が開いているのを見たことはなかった。 そもそも、シマ子がユダヤに、とりわけその建築や装飾に強い関心を抱いたのは、3年前の夏にポーランドを縦断し、クラクフのKazimierz地区にあるシナゴーグを全て訪れたことがきっかけで、その前は

      • Marcel Walldorfというドイツ人アーティストの作品を鑑賞する

        ある土曜の夕方、とあるイベント一覧に含まれていたアートギャラリーの最寄り駅からたまたま地下鉄に乗ろうとしていたシマ子は、「しめしめ、まだ時間があるぞ、もう1軒行ってみるか」と梯子酒をするかのように、初めて目にするアートギャラリーのインターホンを押した。 (ちなみに、梯子ギャラリーはしょっちゅうしているが、お酒は年に片手で数えられるほどしか飲まず、梯子酒の経験は一度もない。こうなったら、セカンドネームを梯子ギャラリーにしようか…わかり憎すぎてダメですね…😂) 声が聞こえてくる

        • ここ2週間強で日々「スキ」の数が増えている私の「The Zone OF Interest」の投稿。日本公開前に映画が受賞したから、投稿した当初は"6スキ"程度だったのに今頃注目されたわけですね?間違ってもユダヤパワーではないですね😂? https://note.com/clean_echium3/n/nd9e46d66f292?sub_rt=share_pw

        Alessandro Mendiniの「Io sono un drago(私はドラゴン)」を鑑賞する

        • 世界で16しかない「ラビの館」を訪れる

        • Marcel Walldorfというドイツ人アーティストの作品を鑑賞する

        • ここ2週間強で日々「スキ」の数が増えている私の「The Zone OF Interest」の投稿。日本公開前に映画が受賞したから、投稿した当初は"6スキ"程度だったのに今頃注目されたわけですね?間違ってもユダヤパワーではないですね😂? https://note.com/clean_echium3/n/nd9e46d66f292?sub_rt=share_pw

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        • 学びのある記事
          3本

        記事

          Robert Capaの写真展を訪れる

          とある金曜の会社帰り、Robert Capaというハンガリー出身の写真家の展覧会を観に行った。場所は何度かシマ子のNoteに登場している、展示のタイトルがアーティスト名ズバリの博物館だ。 彼は戦場カメラマンとして死亡する少し前に日本に滞在しており、日本の著名人たちとの繋がりもあるため、ご存知の方も多いとは思う。それゆえ、もしかしたら多くの方から「見た作品ばかりだな」という感想を抱かれる可能性も危惧してはいる。とはいえ、素晴らしい作品は素晴らしいのだ、いつか自分で見直す日のため

          Robert Capaの写真展を訪れる

          Yohji Yamamoto-Letter to the Futureを鑑賞する

          とある会社帰り、友達と待ち合わせてピアノのコンサートへ行くまで時間があったので、始まったばかりのYohji Yamamoto の展示を見に行った。 場所は、以前紹介した、観光客が主に行くセレクトショップだ。 日本人で世界のYohji Yamamoto-山本耀司さんを知らない方がいるとは思いたくないが、山本寛斎さんも亡くなられたし、もしかしたら、Z世代以降の、例えば鉄道マニアとかの方には、「知らないよ」と言われてしまう可能性も無きにしも非ずなので(私だって、ここ15~20年

          Yohji Yamamoto-Letter to the Futureを鑑賞する

          夢の話③

          おかしな夢を見た。 結末のない、そこに意味があるのかもわからない夢だ。 ここ数か月、仕事での身の上に色々と動きがありそうなことを言われ、気が滅入っているから見た夢なのかもしれない。 しかい深く考えなければ、4人の男性からアプローチされるなんてことは現実には起こらないのだから、「わぁ、凄い」と幸せ気分で目覚められればどんなにかよかったことか・・・。 そんなわけで、1年後、2年後、そういえばあの時はこんな夢を見たんだったなぁ、あれから私の生活はこういう風に変わったんだなぁ、と

          夢の話③

          スーパーで大根を物色していたら、後ろにいた70代女性2人が初めて大根料理に挑戦するに当たり「あなたイタリア語話す?(私=勿論)どうやって料理するの?」と聞いてきた。レシピを説明する度「でオリーブオイルはかけるの?」と聞く。やっぱりイタリア人は何にでもオリーブオイルをかけたいのか?

          スーパーで大根を物色していたら、後ろにいた70代女性2人が初めて大根料理に挑戦するに当たり「あなたイタリア語話す?(私=勿論)どうやって料理するの?」と聞いてきた。レシピを説明する度「でオリーブオイルはかけるの?」と聞く。やっぱりイタリア人は何にでもオリーブオイルをかけたいのか?

          山で摘んだハーブで料理を

          前回、山でハーブを摘んでミニ講義を受け、小さなブーケを作った話を綴った。 参加前は、色々なハーブを摘んで、家に持ち帰ってお茶にでもできるかな、という期待があったのだが、現実には有毒な植物が多いのと、時期的なものもあり、ふんだんに生えていて採集できたのはセイヨウイラクサのみだった。 そこで私達は、この毛が手に刺さって痛痒くなるセイヨウイラクサをたんまり摘み(ゴム手袋をはいていたが、突き破って刺さるのだ。なので、次回はゴム手袋2枚の上に軍手をはこうと思っている)、各々の家に持ち

          山で摘んだハーブで料理を

          ハーブ摘みに山へ行く

          そろそろシマ子がアウトドアをして耐えうる暑さの限界が近づいており、長時間外にいるのは9月までお預けかも、と思われる5月のある週末、山にハーブ摘み及びミニ講座を受けに行った。 持ち物→メモ帳、ペン、袋、昼ご飯、軍手はあってもなくても可、そしてトレッキングシューズ持参のこと、という情報が友達から転送されてき、違う町に住む別の友達の家の最寄り駅まで列車で行き、そこから車に便乗してComo湖の方にある山へ向かった。 現地へ到着する。 友達たちは駐車場所探しと靴の履き替えがあり、私

          ハーブ摘みに山へ行く

          Paola FonticoliのStanze(部屋)を鑑賞する

          先日、Stanze("部屋"の複数形だ)という展示を鑑賞しに、行ったこともなければ耳にしたこともないギャラリーを訪れた。 展示案内の背景になっている作品が気になり、精巧だとか、感動する内容ではないことはわかっていたけれど、何しろ仕事上で精神的にやられた一週間だったので、ソフトな雰囲気の展示を見たかったのだ。 今回のアーティストはPaola Fonticoliという女性だ。 鑑賞しに行った日、ギャラリーのオーナーと、個展の説明文を書いたと思われる女性、そしてアーティスト本人が

          Paola FonticoliのStanze(部屋)を鑑賞する

          Stockholmの現代アート美術館 Fotografiskaを訪れる

          4末の連休、かつて日曜出勤をした分の代休をつけて連休を延ばし、数年ぶりにSwedenを放浪した。今回のメインの目的はGotland滞在だったため、3度目となるStockholmはささっと済ませた感じだが、それでも2か所でアートの鑑賞をしたので、そのレポートをしたいと思う。 2回目の今回は、現代アート美術館のFotografiskaである。 Fotografiskaは、世界に5か所ある美術館で、実を言えばエストニアのTallinの館を2018年に訪れていたが、ずっと訪れたかっ

          Stockholmの現代アート美術館 Fotografiskaを訪れる

          Alessandro VerdiのErranza in forma di limite(限界の形のエラー)を鑑賞する

          とある金曜の会社帰り、Alessandro Verdiというアーティストの作品を鑑賞しに行った。このアーティスト名は初耳だったが、展示案内がモノクロで、近年妙にモノクロに心を奪われるようになったシマ子の目をすぐに惹いたのと、このギャラリーの展示は数年前からほぼ全て観ており、かなりお気に入りのため、「あっ、また新しい展示が始まった、行かなきゃ」というダブルの理由で、展示開始後すぐの金曜に訪れたのだった。 Wikipediaを見たが、あまり有名ではないのか、説明が乏しい。 加え

          Alessandro VerdiのErranza in forma di limite(限界の形のエラー)を鑑賞する

          Ett Gotlandsbröd(Gotland島のパン)

          4末の連休にSwedenへ行った。 5回目となるこの国の主な訪問先はGotland島のVisbyである。 この町は、私たち日本人にとっては、Stockholmの次くらいに知られている都市名ではないかと思う。というのは、宮崎駿監督の「魔女の宅急便」の舞台とされたのが、住宅街がVisby、市街地がStockholmのGamla stan(旧市街)なので、宮崎アニメファンなら誰もが憧れる風景では、と思うからだ。 (ちなみに私は、「魔女宅」をまだ見ていない。母にそれを言ったら驚いてい

          Ett Gotlandsbröd(Gotland島のパン)

          Alex Da CorteのWorld Leader Pretendを鑑賞する

          とある金曜の会社帰り、地下鉄を途中下車して、4月に始まったAlex Da Corteというベネズエラ系アメリカ人のコンセプチュアル・アーティストの展示を見に行った。初めて耳にする名なので、鑑賞を決める前に大まかな作品をネットで調べてみたが、作品自体はかつて幾つか雑誌で見たことがあったこと、またHip HopやRapのミュージックビデオも手掛けているとあって、全体的にポップだったりノリノリな感じの作品が多い印象を受けた。 このギャラリーの展示を何度か見たが、正直言って、これま

          Alex Da CorteのWorld Leader Pretendを鑑賞する

          自然保護公園"Oasi Bosco Vignolo"を散歩する

          4月のある週末、Pavia近郊にある自然保護公園の散歩会に参加した。発案者は下の記事と同一の友達だが、今回は自然保護公園というだけあって、公園の管理者が説明をしてくれ(弾丸のように話す人で、専門用語や学術名を多用するので、イタリア人でもあまりよく理解できない箇所があったようだ)、有料だった。公園の整備に充てられる費用なので払うのは全く問題ないのだが、散歩会の案内にその説明がなかったので、「うわっ、現金がない」という人も複数おり、最初はちょっと躓いた感じだった。 今回は待ち合

          自然保護公園"Oasi Bosco Vignolo"を散歩する