しおん

数年前のある朝、「わたし、今、更年期の長いトンネルを抜けた!」と目覚め、自身の新たなス…

しおん

数年前のある朝、「わたし、今、更年期の長いトンネルを抜けた!」と目覚め、自身の新たなステージの性と向き合って、感じ、考え、あがき、そして気付いたこと、ぼちぼち綴ります。時々、家族のことも。 降りてきたことばをもとに詩にしたり、他の人の表現からイメージしたことなども詩にしています。

マガジン

  • 自作の詩や詩にかかわる文章を掲載します。 自身が気付いたこと、他の人の表現からインスピレーションを得たもの、など、つぶやきを詩のような形にしました。

  • 返詩、または、連なる詩

    先に誰かの詩や表現があって浮かんできたことばをつぶやきのような詩にしたものです。 おもに、今は、noteクリエーターのCir さんの詩から浮かんだイメージをもとにしたものが多いです。 元のテーマと関係なく、一部の表現に惹かれ、勝手にイメージを膨らませたものは、本文に元の表現の紹介をしていないため、コメントで紹介しています。 独立できたと思えた詩は、マガジン「詩」にも掲載しています。

  • 雑記 性と生

    おもに性的存在としての自分について考えを深めるために、書き散らかしたものをまとめます。

最近の記事

  • 固定された記事

【ひとり語り】詩とわたし

わたしに なぜ 詩が降りてきたのだろう わたしは 誰に向けて 詩を届けようとしているのだろう noteを始めた動機とは 別の何かが 蠢くように この2ヶ月半 ノートの海に 撒き続けた、わたしの詩 きっと、詩とは言えない つぶやきを 書き留めたものたち 降りてきたり 触発されたり 突き動かされたり 心に響いて イメージが湧き出て 物語が生まれて オンナになり オトコになり 少女や少年になり ひとではないものにも なり 内から 外から 近く 遠く 表に 裏に

    • 【詩】雨上がりの月

      まっさらな夜空に まっさらな月が 貼り付いて 一筋の迷いもなく 真っ直ぐに 届く輝き あまりにも天高く あるので 今夜も逃れられない ぐしょぐしょになった身体は まだ、雫をぽとぽと落とし 黒い影を広げる 罪を灌いだもののみが 住めるという 月は 洗い上がりの空で 全てを許すように 聖らかな輝きを放つ わたしの濡れた指一本でさえ 乾かせないくせに

      • 【詩】月夜の手紙

        わたしのポストは 湖の中 配達員は 向こう岸から 手紙を葦舟に乗せて 送り出す 葦舟は 月の道を 滑るように辿り あなたからの言葉はそうして 届く 今夜の 風はどこを吹いているのか 雲はどこを流れているのか 静かな月夜でないと あなたの言葉は届かない 鎖編みの糸を 指に絡めたまま、 目を閉じ 耳を澄まし わたしの心も 葦舟のように 頼りなげに震える やがて、また、雨が零れる 心が震えると なぜ、溢れてしまうのか 湖面に漂う 葦舟に 濡れかかると あなたの言

        • 【詩】みだれ髪

          昼月の 褥に降りる 霧の帳 みだれし髪に 濡れかかりたり

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        【ひとり語り】詩とわたし

        マガジン

        • 90本
        • 返詩、または、連なる詩
          14本
        • 雑記 性と生
          5本

        記事

          【詩】言葉のかくれんぼ

          ほんのすこし むかしのこと 見つけて欲しいから 隠れてみた 誂えたような窪みに すっぽり収まった言葉は 想いを滲ませ 心はほうき星のように 宇宙に孤独な軌道を描く あなたは わたしの前を通り過ぎて 誰かが目の前に差し出した言葉を 受け止める かくれんぼだから 動くことも 声を出すことも 禁じられ ただ 見つけてくれるのを 一億光年 待っている

          【詩】言葉のかくれんぼ

          【詩】脇道-そして、ブランコと断頭台-

          脇道が好きだ 通りから脇に延びる 細い路地 連なる軒が 手を差し伸べるように 影をつくり 植木鉢に挿した棒には つるが巻き付き その先にはつぼみが揺れる 少し開いた扉の中には 食べかけの朝食が残されていて ある時刻、一斉に 違う時空に瞬間移動したような ほのかな温もりを漂わせた 静けさ その先には何があるのか 細い石段があるなら最高のご褒美だ 上に登れば、 地元の人しか行かないような公園があって そこでブランコに乗りながら 海を眺めるのはどうだろう ときには

          【詩】脇道-そして、ブランコと断頭台-

          【詩】媚薬

          その一滴は どこを滲ませたのだろう いつ 零れ落ちてきたのだろう その一滴は わたしの現実を揺るがせ 甘噛むような 痛みさえ請い願わせる 肌にひりひりと張り付くような 沈黙のなかで 疼くまま 蠢くまま 炙られ 衝かれるままに 手を伸ばした先は 内側に取っ手のない扉 そうだった 秘かに持っていた 小瓶の蓋を開けたのは わたし 甘やかな香りに誘われ その痛みに魅せられたのは わたし 扉に伸ばす手は もう 逃れる術はないことを 知っている 逃れられないなら そ

          【詩】媚薬

          【詩】満月の夜のスカボローフェア + 「note創作大賞」参加作品ハードボイルドの世界へのご招待

          満月の夜に スカボローフェアを聴きながら 胸の中を静かに満たしていくものに 心は揺らぐ 輝く月は 風に流される雲の隙間から 視線を投げかけ わたしを誘う パセリ、セージ、ローズマリー、タイム 呪文を唱えながら 緑の露に 足指を染め パセリ、セージ、ローズマリー、タイム 呪文の帷を降ろし 月の影が生み出すあわいの世に 聖なる結界を結ぶ あわいの世は ただ、在ることが そのままの意味になり パセリ、セージ、ローズマリー、タイム 緑の息吹の呪文に結ばれた 結界の

          【詩】満月の夜のスカボローフェア + 「note創作大賞」参加作品ハードボイルドの世界へのご招待

          【詩】月の眼差し

          そのむかし 空に貼り付いていた月を 少し爪をたてて剥がした 今、思うと それはコンタクトレンズのような 質感で つるりとなめらかな月は わたしの指につままれて 風もないのに震えていた しなやかに輝く金色の糸を放つ月が 理由もなく憎くなり その眼差しを汚してしまいたくて 指で その、のっぺりとした明るさを押し潰し 薄墨を一滴垂らす もう一度 空に貼り直した月は わたしの指の跡を残し 薄墨は その跡に滲んだ 満月の夜 わたしは あなたにした仕打ちを 思い起こす

          【詩】月の眼差し

          【雑記】セックスレスとウツとヒステリー+更年期、そして女風へー女風ユーザー再出発③ー

          はじめに ◇◇◇「女風ユーザー再出発」共通のはじめにです。①または②を読んでいただいたかたは、目次のあるところからどうぞ。◇◇◇ ずっと、快楽を求めていた。 noteを始めたもともとの動機は、 そんなわたしが 女性風俗(女風)の利用をきっかけに 自分の性と、あらためて向き合い、 自分が納得できるあり方を見つけたいと 思ったから。 幼い頃の性の出会いと 広がっていく妄想と 現実との乖離と そして今のあり方を ただ、書くという行為に 突き動かされながら。 詩のページ

          【雑記】セックスレスとウツとヒステリー+更年期、そして女風へー女風ユーザー再出発③ー

          【詩】月の雫

          月から零れ落ちる 沈黙の雫を 貴女にあげよう 貴女は その雫を 言葉の帳に 挟み込み わたしは 狂おしい 静けさの中で 貴女を繙き 開いた頁を滲ませる

          【詩】月の雫

          【詩】言葉を囓(かじ)る

          わたしの言葉たちは 調子に乗りすぎたようで 貴方の周りを ぴょんぴょん飛び跳ねながら 貴方の様子を ちらちらうかがう もう、見えないのかな もう、気付かないのかな 調子に乗って ときどき ぶつかってみたりしていたから 怒ってしまったのかな 嫌になってしまったのかな わたしの言葉は夢想する 交わし合う 言葉と言葉が 溶け合い、染まる色を 湧き水のように 生まれ出る言葉たちが 睦び合い、奏でる音を それが 叶わないというのなら わたしを縛るその手で わたしの言

          【詩】言葉を囓(かじ)る

          【詩】想いの姿

          わたしの鼓動は キーを打つ わたしの想いが 鼓動で打たれる まだ、 わたし自身が気付いていない 産声すら上げていない想いが震わす わずかな波紋ですら 鼓動は拾い上げて 想いをしたためる それなのに あなたを想うと 鼓動は早鐘のように乱れ打ち 変換も追いつかず ひらがなのままの想いは とめどなく打ち出され 絡まり よじれ 瘤になり 哀しい姿をさらす 幾度となく 何度繰り返しても 鼓動は想いに急かされ キーを狂い打ち 産み落とされたひらがなたちは 文字がひしゃ

          【詩】想いの姿

          【感想詩】眼差し ビクトル・エリセ監督「瞳をとじて」に寄せて

          わたしはアナ、と 瞳をとじてつぶやき 心の奥深くにしまい込んだ もう会うことがかなわない 面影を浮かべる 幼いころ 精霊を呼び出すために 心に刻んだ祈り わたしに会いに来てくれると願い わたしを ここから連れ出してくれると願い 何度もその祈りを虚しく漂わせ 願うことすら 時間の重みの底に沈んでいたのに 懐かしい面影は、その願いを ぷかりと浮かび上がらせる 暗い闇の中から 息を次ぐように 空気の粒のようにぷかりと だけど、目の前にいるのに やはり あなたは銀幕の中

          【感想詩】眼差し ビクトル・エリセ監督「瞳をとじて」に寄せて

          【詩】緑の息吹

          遥かに見える山なみ 刷毛で掃いた水彩画のように 笑い声で滲んでいた色彩たちが 柔らかな緑に包まれる 帰ろう 帰ろう わたしの光の中へ わたしの髪は 陽に梳かされ 干し草の甘やかな匂いに香り付く 行こう 行こう わたしの緑の中へ 足元から 青く立ち昇る息吹は 吹き渡る風に包まれる (作者から) 久々に、 明るい日差しが注ぐ 広い野原に風が吹き渡るような詩を 形にすることができました。 「崖」から始まり、 その後の「月」シリーズ、 そして、「縄跡の戒め」に至るまで、

          【詩】緑の息吹

          【詩】縄跡の戒め

          “固結びの紐”と わたしを 喩えた貴方は 結ばれたままの わたしを縛る 腕、首、胸、臀部、鼠蹊部 ゆるやかな作法で 回りながら 次々と取り出された麻縄は 身体を這うように まとわり 色褪せた赤い縄は わたしの秘部を開き 貴方の美学に結ばれる 固く結ばれた紐は 縄とともに 貴方の手で解かれ 古い紐跡に 新しい縄跡が 上塗りされると 倒錯の歓びに誘う 扉を開けた わたしの心に 新しい 痛みと戒めを 刻む

          【詩】縄跡の戒め