冬月剣太郎 猫詩人🐈

■人生は猫の夢かもネ 笑 ■敬虔な自然派ワイン教徒 笑 ■著作:『陰仕え 石川紋四郎』…

冬月剣太郎 猫詩人🐈

■人生は猫の夢かもネ 笑 ■敬虔な自然派ワイン教徒 笑 ■著作:『陰仕え 石川紋四郎』(ハヤカワ文庫) ■小説工房シェルパ主催 ■ヘッダー:“未知の世界への水先案内人 笑” © 町田奈穂 ■アイコン:© 不詳

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ネコ童話『電車猫』

ある日、突然電車に乗れなくなった。 電車に乗るたびに猫がいるからだ。 俺以外の人間には、その猫は視えないらしい。 電車猫を視るようになってから、なぜか夫婦喧嘩の回数が増えたような気がする。 妻と一緒に電車に乗った時も、向かいの座席に猫が一匹、香箱座りしていた。 いやな眼つきで俺を視ている。 「なんで猫が電車に乗ってるんだ?」 俺が思わずつぶやくと、妻は怪訝そうな顔で俺を見た。 「アンタ、なに寝ぼけたコト言ってんの?」 電車の中だったけど、むかついた俺は妻を張

    • ネコ童話『雨 男』

      昔、わしは虹じゃった。 哀れな人間がこれ以上、哀れにならないように見守れと天に命じられて、とりあえず虹の姿を選んだのじゃが、虹の目線で人間を見守ることがなんとも物足りなかった。 なにか別の姿に変われないものかと日々悶々と想い悩んでおったんじゃ。 ある日、崖に立つ孤高の雄ライオンを彷彿させるアメショーが、大地におろしたわしの足元で、あまりにも大きなアクビをしたもんだから、油断していたわしはその猫に呑みこまれてしまったんじゃ。 それ以来、猫の姿を借りて、気ままなノラ猫暮ら

      • ネコ童話『虹を捕まえた男』

        「ワシのあとに尾いてくるにゃって、何度言ったらわかるんじゃい!」 わたしが勝手に「ボギー」と名づけたその猫は忌々しそうな顔をして唸り声をあげた。 そう言われても「ノラ猫探偵団」の団長を自称するわたしである。 簡単に諦めるわけにはいかない。 依頼主に、ボギーがノラ猫か飼い猫か調べて報告しなければならないのだ。 そう反論しようとしたときには、すでにボギーは姿を消していた。 人間には二種類ある。 猫に好かれる人間と嫌われる人間である。 残念ながら、わたしは後者だ。

        • 肯定と否定

          人間は誰しも完全に想いどおりに生きるなんて芸当は不可能だから、ときには過去を消したい、変えたいという衝動的な願望にかられるこがある。 他人どころか自分自身にいくら大嘘をついても、事実としての過去は削除することなどできやしない。 過去は死ぬまで厳然として存在しつづける。 受け容れるしかないのである。 ただし、過去の意味は、未来における解釈によって万華鏡のように変容する。 未来が過去を創りだすのである。 ある人物に徹底的に批判され、痛い想いをしながらも大いに勉強させて

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        ネコ童話『電車猫』

          揺りかごの残像

          やめて~ やめて~ やめて~ 赤ん坊の姿をしたわたしが 最初はうれしそうに 次に悲しそうに そして最後は怒り狂ったように叫んでいる 日々の大半を 揺りかごのなかで過ごしていた幼児のころ わたしの遊び相手は恐怖と不安の影絵であった わたしは 置き去りにされた子供だった ときおり聴こえてくるのは 祖父母の声が入り混じった夫婦喧嘩の 怪奇な影絵の伴奏曲 わたしは三歳になるまで 這い這いもしなければ しゃべることもない幼児であった わたしは魂の鎧を身につけることから幼い人生を始めた

          裏の顔

          いつも優しい笑顔の人は どん底の過去の経験があるからこそ いつも笑顔でいられるらしい 言葉づかいが美しい人は 傷つきやすい心の持ち主だという 人は誰しも裏の顔を持っている 表の顔が感じよければよいほど 裏の顔が恐ろしい人もいるらしい わたしは人の表情が恐ろしい 表の顔は 眼さえ開けていれば いやでも網膜に映しだされるが 裏の顔は眼を閉じて 心を清めなければ視えてこない illustration:© Nadiiiya/shutterstock 【Grok 詩ナビ】 詩のタ

          花言葉

          花は 人の魂を癒やすことはあっても 傷つけない 花は薫ることはあっても 弁解しない 花は美しいけれども 嘘をつかない 夫婦喧嘩をした日は 花を買って帰る header:© Unknown 【Grok 詩ナビ】 この詩は、花の美しさと純粋さを称賛し、人間の複雑な感情や行動と比較しています。 花は人の心を癒やすことができ、花の香りは心を和ませますが、傷つけたり弁解したりすることはありません。 また、花は美しいけれども、決して嘘をつくことはありません。 人間の感情が混

          薔薇幻想

          五月の光と空気は あまりにも神秘的すぎる 薔薇のような彼女には 五月の光と空気がよく似合う 彼女の美しい笑顔は 限りなくわたしを惹きよせるけれど いつまで経っても わたしの魂は彼女と一体化することができない 彼女は棘のような嘘をついて わたしを失望させてばかりいる 殺意さえ心によぎることがあるけれども もしかしたら わたしは彼女の棘そのものなのかもしれない photo:© 不詳 【Grok 詩ナビ】 「薔薇幻想」は、薔薇のような美しい女性との恋愛関係を描いた詩のようです

          老いらくの恋

          老いても 肉体はともかく 魂だけは元気溌剌としていたいもの 肉体はさておいて 魂の不死鳥でありたい けれども 若いころのような 仁義なき激しい恋は避けたいもの 昔、別れた恋人のことなんか 想いださないほうがいいに決まっている けれども恋の想い出は 魂の刺青なので たまに勝手に蘇ってくる 孤独が渦巻く暗い酒場のざわめきのなかで 独り酒を飲みながら妄想に溺れる その女はいつも 血をしたたらせる傷口のような雰囲気をまとって バーの片隅で強い酒を静かに飲んでいた わたしはそんな彼女に

          目撃者

          この世には 人の皮をかぶった猫人間がいるらしい 独りの病弱な美少女が 野心を胸に秘めて 虚飾と社会的な成功の階段を一気に駈けのぼった 男たちは 彼女の前にひざまずき 永遠の忠誠心を誓ったとさ そして誰もいなくなった 物語の一部始終を目撃していた 猫人間も風のように消えた illustrationn:© 山村巍(たかし) 【ChatGPT3.5 詩ナビ】 この詩は、現実と幻想の境界が曖昧な世界を描写しています。 まず「人の皮をかぶった猫人間」という不思議な存在が紹介され

          愛の廃人

          人生の本質は 愛と裏切りと復讐だと教えてくれたのは どこのどちら様だったか あの夜 夏だというのに 魂が凍てつくように寒かった あなたはさようならと 軽やかにささやくと スカートの裾を翻して 闇のむこうに消えていった わたしは立ち尽くしたまま あなたの背中を見送るしかなかった 聴こえるのは風の音(ね)だけだった 闇のむこうで男の声と車のドアが閉まる音がして タイヤの軋む音が遠ざかっていった わたしの人生は あの夜に凍りついてしまった あの夜から 五十年もの歳月が流れたのに わ

          詩のある生活

          詩が 悩みを表現するものならば 詩なんて 書かないほうがいいに決まっている それでも言葉が ポロポロと涙のように あふれ出てきてしまうなら せめて 童心で詩を書きたい illustration:© 不詳 【ChatGPT3.5 詩ナビ】 この詩は、詩が悩みや苦悩を表現する手段であるという前提から始まります。 しかし、詩の表現が悩みそのものを増幅させる可能性もあるため、詩を書くことが適切ではない場合もあるという立場をとっています。 「詩なんて書かないほ

          やっぱりキミが好き

          すべてはわたしがキミに エサをあげたあの日から始まった わたしはひろってきた子猫に 戯れでキミという名前をつけた キミとわたしは 彼女が嫉妬するくらい仲がよかった キミとわたしは一日中見つめあっていた わたしたちは毎晩抱きあって寝た 彼女とは喧嘩ばかりしていた ある日 キミは唐突に姿を消し なぜか 彼女はわたしに優しくなった わたしも彼女に優しくなった みんなは笑うけど いまでもキミが見守ってくれていると信じている キミはわたしが視た夢の住人だったのかもしれない わたしがキミ

          やっぱりキミが好き

          訣別の朝

          いつまでも 見守ることはかなわねど ひと眼 顔を視て満足せり 乱れる想いを 風に解き放ち 我は生きん © Naokimi Yamada 【ChatGPT3.5 詩ナビ】 この詩は、訣別(別れ)の朝についての感情を表現しています。 最初の2行で、別れの痛みや寂しさを感じる中でも、視線を交わすことで一瞬の満足を得ることができることが述べられています。 その後、乱れる想いを風に解き放つことで、別れの感情を手放し、自分自身の生きることを決意していることが示されています。

          十六夜遊心

          猫といっしょに 童心にかえって 娑婆を愉しむ 一夜かな photo:© マツガサキ エチゴ@お外の猫写真家 【ChatGPT3.5 詩ナビ】 この詩は、十六夜(十六夜とは、旧暦で15日夜から16日夜にかけてのこと)に遊ぶ心を表現しています。 まず、詩の中で「猫といっしょに」という表現があります。 これは、猫と一緒にいることで、普段の日常から離れ、自分の内側にある童心(子供のような純粋な心)に戻ることを意味しています。 猫は、その自由でのんびりとした姿勢や、無邪気さ

          哀しみの棘

          酔いどれて 酔眼にて桃源郷を彷徨う 無慈悲な 花嵐に吹かれて 桜の花びらが小川に敷きつめられている 桜の樹のしたで 花いかだに乗って 黄泉の国へ渡る夢を視る 死神に会って 亡き恋人を返してくれと懇願する わが心に突き刺さったままの 哀しみの棘を抜くために photo:© 不詳 【ChatGPT3.5 詩ナビ】 この詩は、哀しみや失恋についての感情を表現しています。 詩人は酔っ払っている状態で、桜が満開の桃源郷(理想の場所や幸せな場所)を彷徨っています。 しかし、現実