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恋文の技術  森見登美彦

面白かった、抱腹絶倒です。

京都の大学院から能登半島の実験所に行かされ研究に勤しむ守田一郎が主人公。
この守田、今まで交流のあった者たちへ手紙を書くのですが、これが書簡形式でこちらの読み手の想像力、人生に対するセンスが問われてるような気になりました。

あらすじ

京都の大学院から、遠く離れた実験所に飛ばされた男が一人。無聊を慰めるべく、文通修業と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。文中で友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れるが、本当に想いを届けたい相手への手紙は、いつまでも書けずにいるのだった

Amazonより


京都ファンの方なら風情を味わえるのも魅力、地理やイベントを多少なりとも知っているとより楽しめますね。

彼、守田のクセはあるが子気味良い文章が良く笑える。
友人の小松崎、ライバルの大塚、かっての教え子間宮になぜか森見登美彦?妹やらにあてた手紙の文面で守田の状況も詳らかに見えてくる。

又、この男、己の学業も恋愛も上手く行ってないのに他人にアドバイスをする荒唐無稽さも見どころの一つ。

間宮君への手紙、なんか良かった、個人的には好きだな。

本命の伊吹夏子さん、素敵な女性みたいですが振りむいてくれるのかな?
変なとこで生真面目で非モテをこじらせた典型的なこの男の恋が成就することを願います。

森見登美彦さん、初読みです。
ユーモアたっぷりで読後は温かい余韻が残る良書。
★5つと評させて頂きました。

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