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【歌詞語り】コメディーNo.1 「アホの坂田」

既報のとおり、作曲家 キダ・タローさんが亡くなられました。
名作が多すぎて、語りつくせないところではありますが、まずはこの歌を、、

コメディーNo.1「アホの坂田」

発売年:1972年
作詞:竹本浩三
作曲:キダ・タロー
編曲:キダ・タロー

マーチングドラムの演奏が始まり、トランペットが高らかに鳴り響き、、という軽快かつ爽やかな旋律が奏でられたところに

アホ アホ アホの坂田
アホ アホ アホの坂田
アホの坂田 アホの坂田
アホの坂田 アホの坂田 アホの坂田 アホの坂田
アホの坂田

「アホの坂田」作詞:竹本浩三

と、ゴージャスなコーラス隊が、マンキンのマンキンで歌い上げるという、もう衝撃、笑劇、シュールでもあり、ベタでもあり、のイントロです。
本編ももちろん面白いのですが、もうこのイントロで大勝利です。

「アホ」というと、罵詈雑言の類とされがちで、実際そうでもあるのですが、完全に人を蔑んで発するのではなく、何かしらの愛のこもった、関西独特のニュアンスを有する言葉です。この曲においては、キダ先生の紡ぐメロディー・アレンジで、そうした「アホ」という言葉の魅力が存分に拡げられています。

この曲がリリースされた当時、「全国の『坂田さん』によろしくない!」と、レコードは廃盤にされてしまったようですが、詞も曲も、坂田利夫さんに対する愛に溢れていることは間違いありません。

あちらの世界で、坂田師匠とキダ先生が楽しく過ごされるよう、祈ります。

他にもキダ先生にまつわるエピソードをいくつか。

「いづもや」のCMソング

昔、土曜日お昼の関西テレビでは「ノックは無用(トーク番組)」「ノンストップゲーム(サイコロの出目により商品が獲得できるゲーム番組)」という番組があり、その時間帯に「いづもや」のCMが流れておりました。
「ほんに先斗町のいづもやへ~」という印象に残るメロディーとフレーズ。
小学生のころは何となしにしか聞いてませんでしたが、少し大人になったころに、京都に「ぽんとちょう」という町があり、漢字では「先斗町」と書くのか!と認識できるようになったのは、この歌のおかげです。
(なお「ノンストップゲーム」のオープニングテーマもキダ先生の作曲)

ピアノはKAWAI

ピアノメーカーはどちらかというと、YAMAHAの方がシェアが大きいイメージですが、キダ先生はKAWAIのピアノを高く評価されておられました。プロならではのご意見だなぁと感服。

杉原輝雄さんに激怒される

何かの番組(「探偵ナイトスクープ」だったか・・)でキダ先生がゴルフの練習をしておられたのですが、うまくいかず、ゴルフクラブに当たり散らかしてました。それをプロゴルファーの杉原輝雄さんに見つかって、「何してんねや!」とコテンパンに怒られてました。人生のベテランがベテランに怒られる、ってこんななんや、と笑った記憶があります。

「マジっすか!」の審査員

2001年4月15日から2003年3月18日まで毎日放送テレビ(MBSテレビ)で放送された、若手芸人がロケの出来を競うバラエティー番組があり、キダ先生はその審査員を月1回ほどつとめておられました。懐が深い。

オフィスとんで に所属

この度の訃報が円広志さんの名でも発表されていたのは、キダ先生が円広志さんと同じ芸能事務所「オフィスとんで」に所属されていたからのようです。
素敵な師弟関係はこれからも不滅です。

昨日掲載したCD「浪花のモーツアルト キダ・タローのすべて」の歌詞カード・ブックレットを見返していると、語るべき功績がまだまだありますが、じっくりじっくり思い出に耽りたいと思います。


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