見出し画像

新卒採用編その1 志望動機とは

はじめてきちんと記事を書いてみます。

どんなことから書いたものか、タイトルからしてありきたりな内容になってしまいそうですが、私の実体験を踏まえた独自の視点で書いてみたいものですね。

新卒で就活をされている方、ESや面接で嫌というほど志望動機を聞かれると思います。今回は、なぜ志望動機を聞かれるのか、企業の立場からお話してみたいと思います。

まず、よほどの超一流企業でない限り、志望動機で本当に確認したいのは、
「この人、うちの会社でホントにいいのかしら」
という点だと思います。

超一流企業でない限り、と前置きしたのは、そういった企業への志望動機はほとんど誰もが
「超一流企業で仕事がしたいから」
ということそのものであることが自然だからです。

では超一流企業ではない会社はどうでしょう。
私の会社は、お給料も仕事内容も、就業環境や福利厚生も決して超一流ではありません。
だからこそ「なんでウチなの?」と聞いてみたいのです。
いやいや、みんながみんな超一流を目指しているわけではないじゃない、人並みの仕事で人並みの幸せな人生でいいんだよって思いますよね。
だったらなおさら、聞いてみたいことなんですよ
「なんでウチなの?」ってところを。

そしてその答えにおいては、「だったらウチでちょうどいいね!」と言えるかどうかがポイントになってくるものだと思います。


正直、採用やってて、自分の会社のことをワンアンドオンリーだとおもったことは一度もありませんでした。だって超一流じゃないんだもん。たぶん会社で働かれてるみなさんもほとんどが同じだと思います。

確かに同じ業界でも企業によって多少のカラーはあるでしょう。営業上の長所短所や職場ごとの雰囲気や社内制度など、様々なところに企業ごとの違いがあるのは認めます。ただ、それって些細な問題じゃないですか。

いや、違う!会社のカラーは大事だよ!という方もおられるのはわかります。でも、大半の企業は自分の会社のカラーを細やかに伝えることに苦心しながらも、上手く伝えられているとは言い難いと思います。
自分も新卒で就活をしていた時、会社説明会で「御社の強みと弱み、社風や社内制度を教えてください」と質問していましたが、しっくりくる説明をもらえたことはありませんでした。

なぜなら、世の中の大半の会社が超一流企業ではないからです。超一流とは、資本主義社会のピラミッドの頂点に君臨し、ワンアンドオンリーな会社です。一方、そうでない会社とは、結局、そこそこの制度で、そこそこの強み弱みで、そこそこの社風でやってる会社です。

もちろん、大企業ではないにせよ、ワンアンドオンリーな会社はあると思います。しかし私が言いたいのはつまり、ワンアンドオンリーである時点で、むしろ超一流といってしまっていいということなんです。

超一流企業とはなんでしょうか。私は初任給がいい会社でも売り上げが大きい会社でも、まして従業員数が多い会社でもないと思います。
どんな部分でもいいのでワンアンドオンリーな部分を持っている会社が、私は超一流の会社なんだと思います。
まして、商材がワンアンドオンリーであれば、もう疑いの余地なく超一流でしょう。売り上げや従業員数もあとからついてくるでしょう。

待て待て、特許をいくらもってたって二流の企業はあるぞ!とおっしゃるかもしれませんが、それはワンアンドオンリーの意味に齟齬があります。そこでしか作れない価値を持っていることが即ちワンアンドオンリーではありません。そこでしか作れない価値が世間に広く認められ、その部分で勝負できてこそ、ワンアンドオンリーと言えると考えます。
だって、そこまで需要はないけどそこでしか作れないものを作ってる会社っていっぱいありますもんね。それはワンアンドオンリーでも、まして超一流でもないと思います。

なんだか遠回りすぎて循環論法のようになってしまいそうですが、つまり超一流でない企業とは、そこそこの特色はあるけど、まあ平々凡々とした企業のことです。
ただ、そんな会社が世間に必要とされていないかというと、もちろんそんなことはありません。この世はいろんな会社があってはじめて成り立っています。
そして、超一流ではないことは、悪ではありません。超一流でありたいと願うことはもちろんいいことですし、二流でいいや、などと諦めてしまうことはあまりいいことではありません(身の程をわきまえることとは次元が違います)が、
現実問題、超一流はピラミッドの頂点、つまり比較の問題ですから、同じような商売をする会社が他にある限り、超一流とそれ以外が生まれてしまうのは必然です。

と、自分の会社がワンアンドオンリーでないことがわかっている採用担当者にとっては、今目の前にいる若者に、あとから「こんなはずじゃなかった!」といって欲しくありません。
だから「ほんとにウチでいいの?」と聞いている
というわけなんです。

だからそこで、「(うちじゃなくてもいいけど)うちでもまあいいよね」と言ってあげられる志望動機があれば、そしてこれならアンマッチが防げると考えられれば、ヨシ!合格!ということになるでしょう。

これは企業側にも、求職者側にも大切な視点です。求職者のみなさんも、内定欲しさに美辞麗句を並べた志望動機を綴りがちですが、100も200も候補者を見ていれば、それが「ホンモノ」か否かはなんとなくわかります。
そんな付け焼き刃の志望動機は実際あまりおすすめしません。

「ホンモノ」とカッコつけて書いたのは、それが必ずしも真実である必要はないからです。ポイントは、本人がそれを好きか、納得しているかどうか、です。
私は「ホンモノ」かどうかは入社後に効いてくると思っています。

採用担当者は、一部の不届者を除き、どういう思考回路であれ少なからず、往々にして目の前の若者の前途を案じています。
まあ、それが仕事だからなんですが、候補者がウン百人いるなかで、適当な志望動機をでっちあげて内定をもぎ取っていったクセにしばらくたって内定辞退していった若者よりも、彼らに押しのけられて内定を出せなかった、本当にウチに入って頑張ってくれようとしていたかもしれない若者にそこはかとなく申し訳ない気持ちをずっと持ち続けています。
あのときの自分の採点は間違っていたかもしれないな、と。

もちろん内定辞退は悪ではありません。当たり前だと思います。むしろミスマッチを防ぐ意味ではいいことだとすら思います。
一番良くないのは入ってすぐに辞めてしまうこと。これは企業側ももちろんですが、本人側のキャリアにも影響しかねず、少なからずデメリットを背負わせると思います。それは多くの企業にとって本意ではありません。これは第二新卒や中途採用の担当者としての実感でもあります。
だから、いまいち納得できていない志望動機で内定をもぎ取っても、それを辞退したっていいんです。ただ一方で、その会社にほんとに入りたかった人が落ちている可能性もあるんですよね。本当にそれを採用担当者はいつも背負っています。わかって欲しいとは言いません。見抜けない方が悪いんですから。

それで、本人が納得できる志望動機を持って入ったのなら、まあ企業側がヘンなウソでもついてない限り、多少のギャップはあったにせよ、しばらくはその会社で頑張ってみよう、となるでしょう。会社にとっても、本人にとっても、そこそこ幸せな関係だと思います。

もちろん、採用担当者自身も完璧な志望動機で入社したとは限らないと思います。だけど、まあ悪くないか、というか、最高!とは言えないまでも、身の丈わきまえて、まあそこそこ幸せだな、と思って働いています。(そうじゃない人はすぐにでも採用担当を降りるべき、というよりそんな会社辞めちまえ)
それは自分がある程度今の仕事に納得して働いているからです。

まあ大人なんだから当たり前なんですが、自分がそうであるように、その自分なりの納得性を持っている求職者にこそ内定を出したいと思っています。

だからこそ私は就活生に「なんでウチに来たいの?ウチでいいの?」という意味で志望動機を聞いていました。

今回は志望動機について書いてみました。
就活は決して人生の大半を占めているわけではありませんが、その先にあるキャリアは人生の大半を占めるものの土台になります。今回はあえて給料というかなり大事なファクターをすっ飛ばして意見を述べましたが、それには理由があります。そこについてはまた近々。


追伸:はじめて書いてみて、スマホから3000字超を入力する大変さを痛感しています。つぶやきと題しながら結局長文になったのは一部の情報だけで早合点されることを防ぐつもりがありましたが、次はもっと簡潔に言いたいことを書いてみたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?