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通訳のできない通訳スタッフに悩まされた、中国武術の世界大会。

こんばんは。「腱引き」と「つるた療法」の別府湯けむり道場です。

遠征といえば、わたしの場合は中国武術(実戦を行わない型演武のほうだったので、正確には「武術太極拳」という名のスポーツ競技)での世界大会か全日本大会のどちらかに当てはまります。

せっかくなのでこの場をお借りして、世界大会のことについて少し語ってみたいと思います。

今はコロナ禍ということもあって、おそらく開催どころではないと思いますが、かつて世界伝統武術フェスティバルは2年に1度、秋頃に行われておりました。

フェスティバルには「武術太極拳連盟に所属していなくても大会にエントリーできる」のですが、逆に連盟を通さない形でのエントリーはできません。どの団体も必ず武術太極拳連盟を通して申請することになります。

申請書類を期限内に連盟へ提出しさえすれば、あとは後の指示に従って行動するだけです。ごく稀に申請受理までにも一波乱あったりしますが、それとて現地のハプニングに比べれば生易しいものです。

そして世界大会と聞くと言葉の問題が必ず出てくると思いますが、意外と何とかなります。ただもちろん、中国語を話せるに越したことはありません。

開催地最寄の空港に着くと、フェスティバル組織委員会からあてがわれた通訳ボランティアスタッフが団体名のプラカードを持って出迎えに来てくれます。言葉が解るメンバーが参加者の中にいない団体の場合、これほど心強いことはない……初めての参加であれば、尚更そう思われることでしょう。

わたしも湖北省の武当山大会に参加する前にその情報を調べていたところ、「大会には各国の各団体に通訳がつくので大丈夫!」という記事をどこかで発見し、多少安心したことがあります。わたしは中国語がまったく解らないわけではありませんが、何かの保険として通訳がいるならまあ大丈夫だろう、そう判断した時期もありました。

が。

問題はその通訳ボランティア達の語学力と性格です。

彼・彼女達の語学力および性格には天と地ほどのバラツキが見られます。たまたま自分のチームにあてがわれたのがひどい奴だった、ということは十分に考えられるのです。

ただ、どの通訳ボランティアがあてがわれるのか、それは現地に着いてみないとわかりません。そして、その結果は身を以って知ることになる。良くも悪くも......ということになります。

たとえば、わたしが初めて参加した世界大会についた通訳ボランティア、ワンさん。彼は敬語の概念こそ理解しているようでしたが、一体どういう勉強をしてきたのか、「お前達は空港のカフェで何かお飲みになりますか」という屈指の日本語を披露してくれました(さらにその後、緊急連絡先を把握するために「あとでお前たちの電話番号を教えてください」とも言われました)。

ただ、その屈折した日本語とは裏腹にとてもいいヤツだったので、これはまあいいです(とはいえ、念願の武当山観光を止めようとしてきたりもしましたが......結果的に行けたので不問とします)。

しかし、その2年後に参加した安徽省の黄山大会でわたしのチームに配属された女の子・テイさんは、「通訳なのに日本語がまったく解らない」という、あたかも「ライヴにギターを持って来るのを忘れたギタリスト」のような無能オブ無能。しかも「早く帰ろうよ」「まだ帰らないの?」「観劇のチケット、余ってるなら頂戴」と、何かとこちらの行動をことごとく邪魔してくるという、ひどいスタッフでした。

「そもそも開催地に日本語を習得している者がいない(少ない)」という向こう側の事情も分からなくもありません。だからといって「まあ外国人なら英語くらい話せるっしょ! 英語話せるやつを手配しとこう!」と安易に判断されたこちらの身にもなってほしいです。結局、彼女の話を聞く前に自分で動いて情報を収集したほうが早いという展開に終始しました。

逆に考えれば「中国語が解らなくても英語さえ理解できるなら、あくまでも通訳ボランティアとのやり取りにおいては何とかならなくもない」と解釈することもできます。副次的な対策になりますが、もしいらっしゃるのであればカタコトでも英語が話せる方を連れていくといいと思います。

以上は通訳ボランティアというものをまったく信用していない大平がお送りしました。

もっとも、他団体様においては通訳ボランティアと仲良くされている光景を多く見られましたし、そのボランティアの子は傍目から見てものすごく性格の良さが感じられました。

少なくともわたしの場合はそう思わざるを得ない事情があったのだとお察しくださると幸いです。そしてそのことについては、いつかnoteにも書いていきたいと思います。

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