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ノルウェー保健省・ワクチン有害事象レポート (1/22)
1/17にBloomberg日本語版が報じた、ノルウェー保健省のコロナワクチン有害事象報告(フレイル高齢者の死亡事例)。 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-01-1…
高額「医療費」廃止 -患者自己負担は増えません!
久々note、今回はコロナと無関係の話。
こちらの「高額医療費負担廃止」のニュース、各所で「自己負担軽減制度がなくなる!」と誤解を受けている。端的に言えばタイトル通り、「自己負担軽減制度はなくなりません!」なのだが、紛らわしい用語の使い分けも含めて、かみ砕いてみたい。
患者の自己負担を減らす制度=高額「療養費」制度
まずは、自己負担が減る制度について。この制度は、財務省の今回の提言の対象では
日本でのワクチン発症予防効果は?
今回は、自分も少しお手伝いした研究。リリースはこちら。なお、査読などのプロセスは経ていない段階のリリースであることには注意が必要である。
いつものPECOはこちら。
発症した人を評価する!症例対照研究今回とった方法は、二群に分けて…でもなく、集団を追跡して…でもなく、発熱などのコロナが疑わしい症状があって、医療機関を受診(プラス検査)した人のみを対象にする。症例対照研究とよばれる手法だ。(他の
イベルメクチン・コクランレビューの結果は
さまざま話題になっているイベルメクチンのCOVID-19に対する予防・治療効果について、コクランレビューが公開された。
コクランレビュー???コクランレビューは、「自前で臨床試験を行う」ものではなく、「予め定めた基準によって質の高い臨床試験を集めてきて、その結果をまとめて一つの結論を出す」スタイルの研究。
「予め…臨床試験を集めて…まとめて…結論を出す」ような研究を、システマティックレビューも
イスラエル・保健省のワクチン効果推計アップデート (7/17まで)
前の記事で出した「イスラエルのワクチン効果・感染と発症への効果減少 (64%)、入院や重症化はやや維持 (93%-95%)」。前回の推計は6/6から7/3までの集計だったが、その後6/20から7/17までの推計結果が公表された。
https://www.gov.il/BlobFolder/reports/vaccine-efficacy-safety-follow-up-committee/he
「イスラエルでワクチン効果減少」のリリース
広く報じられた「変異株の浸透後、イスラエルでのワクチン効果が60%台に落ちた」ニュース。今日になってイスラエル保健省からやや詳細なリリースが出たので、その内容を紹介しよう。
現実世界でワクチン効果をみるには?臨床試験とは違って、「ワクチンを接種する人」と「接種しない=プラセボを接種する人」を2群に振り分けて…のような形は取りづらい。今回は国全体のデータを使っており、すでに接種も進んでいる以上、「
イスラエル保険者(Clalit)データ・118万人のワクチン効果
何度も紹介しているイスラエル保険者のデータ、New England Journal of Medicineに接種者・非接種者59万人ずつを比較した結果が公表された。
PECOはこちら。
誰と誰を比較する?保険者(日本の国保や健保に相当)がもつ316万人のデータを、12/20から2/1までにワクチン接種した150万人と非接種の165万人に分ける。
ここで150万人 vs 165万人を単純に比べ
イスラエル保健省のワクチン効果・プレスリリース
イスラエル保健省が2月20日に、省に蓄積されたデータから非接種者と接種者を比較して、ワクチン効果を推計したデータを公表した。
こちらが保健省の公式発表 (ヘブライ語。他のニュースの時間差からすると、数日間で英語版も発表されると思われる)。
2月13日までのデータを使って、年齢で調整をしつつ、非接種者と接種者について
比較を行った。「接種7日以降 vs 非接種」「接種14日以降 vs 非接種」の
イスラエル・病院スタッフへのワクチン接種の効果
イスラエル最大の病院 (Sheba Medical Center)で、病院スタッフのデータからワクチン接種状況 (未接種・最初の接種から1-14日・最初の接種から15-28日)と発症の有無・感染の有無を比較した研究が発表された。
発表先は一流誌のLancet。ただしこの研究は"correspondence (短報・速報)"で、通常のような外部の査読は経ていない。(もちろん、雑誌のエディターのチェ
イスラエル・世代間の比較からみたワクチン効果?
イスラエル政府が公開しているコロナ関連データを使って、60歳以上とそれ以下に分けて感染者数・ワクチン接種割合を描いた (この後紹介するプレプリント論文のグラフを再現したもの)。感染者「数」は60歳未満のほうがはるかに多いため、60歳未満と60歳以上で軸を変えている。
年齢層に関わらずほぼ同じ挙動を示していた感染者数のグラフだが、1月半ば以降は60歳以上の減少が大きい。もともとの感染者数が60歳未
イスラエル・実地でのワクチン効果 (プレプリント)
でも紹介した、イスラエルでの接種者のデータ。データを出している2つの保険者のうち、Maccabi社 (加入者数260万人)が解析した結果が、プレプリントサイトに掲載された。
誰と誰を比較する?前回紹介した、「加入者のうちのワクチン接種者 vs 加入者全体」や、「加入者のうちのワクチン接種者 vs ワクチン非接種者」ではなく、やや特殊な比較をしている。
使用したデータは、加入者で1/15までにワ
感染者減少と発症者減少? (1/27現在のデータから. ) (1/27 22時: モデルナワクチンの暫定結果を追加)
陽性者減少?発症者減少?死亡減少?前の投稿で見てきたイスラエルのデータは、「陽性者をどれだけ減ったか?」を評価したものである。一方で、これまで紹介してきたようなワクチンの臨床試験は、
「陽性でかつ、症状が出ている人をどれだけ減らせるか?」
「陽性で、入院など重症化した人をどれだけ減らせるか?」をメインに評価している。
陽性者よりも発症抑制や重症者抑制に焦点を当てるのは、通常はむしろ妥当なことであ
イスラエル発・ワクチン接種直後の状況は?
実世界でのワクチン効果現時点でもっともワクチン接種割合の高い (25%超) イスラエル。60歳以上の高齢者・ハイリスク者から始まった接種は、現段階では40歳以上まで対象が広がっている。
日本の国保組合や健保組合に相当する組織から、加入者の接種状況と、接種者と非接種者とで感染者数を比較したデータが随時発表されている。
主なデータは、最大手(シェア53%)のClalitと、二番手 (シェア19%)
ノルウェー保健省・ワクチン有害事象レポート (1/22)
1/17にBloomberg日本語版が報じた、ノルウェー保健省のコロナワクチン有害事象報告(フレイル高齢者の死亡事例)。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-01-17/QN1V23T1UM0W01
Bloombergの英語元記事はより詳しく書いてあるが、当の保健省のサイトでも、頻繁に情報が更新されている。
現在の最新版は、1/21付
ワクチン接種の優先順位・英米独仏の状況は?
12/25の予防接種部会で、コロナワクチンの接種の優先順位案が示された(決定から修正)。
部会の資料はこちら。
まとめ直すと、こうなる。
予防の優先順位は、感染リスクの高い人や、感染後の死亡リスクが高い人を優先するのが基本となる。場合によってはこの要素に加えて、「感染した場合に、他者に拡げる可能性が高い人」を盛り込むことも考えられる。
米国の優先順位は?ワクチンの優先順位は、海外でも当然議論
ファイザーワクチン・95%とは?
いくつかリクエストをいただいたので、Modernaと同じ様式でPfizer社のワクチンの結果をまとめてみよう。
11月9日の段階で「94例発症確認時点での結果をまとめた中間解析結果 (90%以上有効)」が出され、11月18日に「162例発症確認時点での有効性に関する最終解析結果 (95%有効)」が出ている。
臨床試験登録サイトの情報はこちら。企業が公開している臨床試験プロトコルはこちら。
有
「デンマークのマスク効果の研究」解釈は?
モデルナ・ファイザーのワクチンほどではないものの、あちこちでくすぶっている「デンマークでのマスクの予防効果に関する臨床試験」。
「マスクには予防効果がないことが示された!しかも質の高い臨床試験で!」のような言説もみられるが、掲載された論文(と、それに対する雑誌側のエディトリアル)はやや慎重な姿勢をとっている。
臨床試験の論文はこちら。臨床試験登録サイトからも、試験の概要は確認できる。
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