見出し画像

[推し本]成瀬は信じた道をいく(宮島三奈)/成瀬あかり史から目が離せない

前作「成瀬は天下をとりにいく」のあと、発売日を心待ちにしていた続編です。
一作目が面白かっただけに、続編がもしつまらなくなってたら残念だわ、、、という一抹の不安など吹っ飛ばされ、あまりの面白さに一晩で読んでしまいました。
自称、大津の主婦の宮島さん、こんな才能をもってこれまでどこで何していたの、とめちゃ気になります。

益々ダイナミックに飄々と逸話を積み上げる成瀬、
愛想もなく我が道を行く成瀬、
自分の有り余る能力を誰かのために、そして大津をアピールするために役立たせたいと行動する成瀬、
気づけば成瀬に関わる周囲の人々のほうが変わっていきます。
もはや成瀬は媒体。

かくいう私も、成信を読んだあと、道で歩けなくなっていたおじいさんをほっておけずに救急車を呼ぶことがあったのですが、やや成瀬が憑依していたことは否めません。
これからも、ちょっとした日常の中で、こんなとき成瀬ならどうする!?と倫理基準が一段上がる気がします。(こんな真面目な反応は著者の意図するところではないのでしょうが)

そして、全編に滲むストレートすぎるほどの限りない滋賀愛が素敵。思わず大昔に家族で乗ったミシガン船に、また乗りに行きたくなります。

今後、京大に進学した成瀬の今後がどうなるのか、早くも次作が読みたくなります。著者宮島さんが京大卒で、いかにも京大にいそうな一風変わったキャラとかが今後出てくるのでは、と期待!

この記事が参加している募集

推薦図書

わたしの本棚

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?