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ささやかなエール

 エールというのは本来大きな声で送るものなので矛盾しているかもしれませんが、note冬眠中の身ながら、地震で被災された方々にほんの少しでも何かお伝えできればと思って書いてみます。
 まず始めに、今回の地震で被災されたすべての皆様に心からお見舞い申し上げます。こういう災害が起こったとき、当然のことながらその被害は千差万別で、その渦中にいると「あの被害に比べれば自分は…」という気持ちで頑張りがちです。所謂火事場の何とかという類で、一種の興奮状態でもあり、自分でも驚くほど頑張れたりもします。実際、あらゆる現場がそうした頑張りによって支えられているというのが現状だと思います。注意が必要なのは、自分では大丈夫と思っていても、いつの間にか疲れやストレスが溜まっているし、思いのほか自分の心と体が緊張しているということです。13年前の震災の時、余震で度々止まる機械のリセット作業をしながら、無意識の内に「ええかげんにせえや!」と声を出している自分に気付いてびっくりしたことがあります。そんなふうに何かの拍子に気付いたり、後になって分かったりするものなので、なかなか難しいとは思いますが、自分に溜まっている疲れやストレスを認めて、出来るだけ自分を労わってあげてください。
 地震の発生から既に10日以上が過ぎて、なかなか事態が好転しない状況にいらいらしたり心が折れそうになったりしている方もいらっしゃるかと思います。それも無理からぬことですが、今この瞬間にも救援や復旧に向けて尽力されている大勢の方々がおられることをどうか忘れないでください。時間の経過は決して無駄ではありません。司馬遼太郎の作品のどこかにも「戦というものは現場で何とか粘っていればそのうち味方が応援に来てくれるものだ」というようなことが書いてあったかと思います。今回の地震は本震の激しさに加えて、余震の頻度とその強さに驚き胸を痛めています。と言っても、残念ながら自分の非力なことには変わりないのですが、被災された皆さんが一日も早くゆっくりとお風呂に入って安心して眠れるようになるよう祈っています。

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