『「じゃ」へ。』の裏側
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あお
恋を知らぬ小説家の女と、 愛を拒絶する隠居男の同居譚
最近調子に乗っている。 あ、これは『「じゃ」へ。』ではありません。 ワイです。あおです。 わざわざ説明するなんて自意識過剰かもですが、客観的に見てもですね、「スキ」に反比例して閲覧数やInstagramのDMやコメントが増えたんです。マジです。 ファン、増えた・・・?? つけてもいいんですよ?スキは。ね? ・・・という具合で自惚れ、調子に乗っています。しかも、豚もおだてりゃ木に登る。とでもいうのでしょうか。実際、結構、文章が上手くなっている気がするんです。褒められ
人間は自己紹介が大好きな生き物である。 それゆえに何度もしてしまうのである。今回は学生時代の情報も入れちゃおう。 レッツゴー! 基本 名前:あお(本名ではない) 年齢:24 職業:Web制作・ライター 趣味:漫画を読むこと、小説を書くこと 住処:海沿い(徒歩3分の高台のアパート) 最近は「イエスタデイをうたって」「僕の心のヤバイやつ」「違国日記」にハマっています。基本雑食で、なんでも読みます。「呪術廻戦」「ワンピース」「ナルト」ジャンプっ子です。マガジンでは「あひる
「ふむ」 2000字に満たない1枚の紙を何度も端から端まで読み返す彼女。 「うん、上手くなった」と紙を渡した。僕が書いた短い物語。 「最近上手い。マジで」と付け足すように。 「おー、なんか逆に怖い」 「はっ倒すぞ」「…あおはさ、こう、超短いの積み重ねて長編にするのが向いてるかもな」 「・・・俺には一気に書けないってこと?」 「・・・どっちが簡単かと言われれば前者だけど、どっちもできないから、普通」 「それ、大体1820字じゃろ」 あとで確認したら1823文字だった。な
いつも『「じゃ」へ。』をはじめ私めのnoteをご覧頂きありがとうございます。 本日は個人的大好きnoterさんを勝手に紹介させて頂きます。 思えば、紹介してもらってばかり&「紹介してくれくれマン(恥)」だったので今度は僕の番ではないかと思った次第です。 今回は第1弾(続くか未定)です。 それではレッツゴー! 1人目:イトーダーキさん最初に僕のことを紹介してくれた方です。(勝手に隣人紹介でしたっけ) ジャンル:エッセイ 北海道の超面白い方です。経歴から文章までめち
「スタンダード」に参加すると最後まで読めます
設定ウラ話 古賀いつき 1997年5月29日(27歳) 5:い(いつつ、5) 2:つ(ツー、2) 9:き(きゅう、9) 1997年5月29日は木曜日(≒樹) 岸本あおい 1999年5月27日(25歳) →いつきの2個下だから
『「じゃ」へ。』は一旦おやすみです。 === 『「じゃ」へ。』をいつも読んでくださりありがとうございます。 週1くらいでエッセイ書こうと思います。
天気も良く、仕事のタイミングも良かったので二人で出かけた。 電車に乗って都市部の大きな本屋に行くことにしたのだ。 電車に揺られ少し経つといつきのリュックにヘルプマークがないことに気がついた。 「今日はつけなくていい?」 「ん、ああ。今日はあおおるから平気じゃ」 「病院の時はつけてるじゃん」 「病院は途中で別れるじゃろ」 「今日はずっと一緒じゃけえ、あおが助けてくれる」「あ、でもつけとこかな」と中から出そうとした。 「いいよ、大丈夫。薬も水もタオルも持ってるから、安心し
「恋ってどんな感じ」と君が言った。 「君はうちのことが好きなんでしょ」と君が言った。 「わからない」と僕が言った。 「強いて言うなら友情とは違う」と僕が言った。 「たとえば?」と君が言った。 「どういう時に、どんな気持ちになるの」と君が言った。 「小説を書く時に君を出したくなる」と僕は答えた。 「そばにいることを許されたい気持ちになる」と僕は言った。 「その感覚は知らないな」と君が言った。 「じゃあ合ってるんじゃないの」と僕は言った。 「君の中に恋という概念がないの
「これはなんで書いたの?」 最近、あおいが私の本を読むようになった。理由は知らない。ある日急に「いつきの本貸して」と言われた。 最初は漫画のことだと思ったので「どれの何巻?」と聞いた。 「違うよ、いつきが書いた小説」と言われたときはとても驚いた。だって、視界に入れることすら拒否していたから。 私は理由は聞かず最近出した本を渡した。 「ありがと」と短く言って彼は部屋にこもってしまった。 次の日の朝、目の下に大きなくまを作った彼が本を返しにきた。一晩で読み切ったらしい
「のりおー!!!!!!!!!」と彼女が叫んだ。 僕は仕事をしていたのだけど、あまりにも大きな声に思わず振り向いた。彼女は仰向けに寝そべって漫画を読んでいた。 「誰それ、主人公?」と聞くと「作者」と返ってきて、しばらく思考が止まった。 「このシーンえぐいんよ」 「・・・そう」「興奮すると作者の名前を叫ぶのは、作家あるあるなの?」 「知らん」 「ちなみに、その、のりおさんと面識は?」 「なし」 「・・・そうですか」 作家という生き物はつくづく謎が多い。サンプルはこいつしか
いつも柔軟剤で揉める。 仕事が一段落したタイミングが重なったこともあり、久しぶりにしっかりめの掃除をした。 襖で区切られた2つの部屋を1つにし、窓を開けるとふんわりとした風が入り込んできた。もうすぐ梅雨入りだというのに心地よく乾いた風だった。 シーツを外し、枕カバーを外し、洗濯機を回す間に水回りや家具の埃を掃いて、それからそれぞれの収納を整理する。いつもの流れ。 「前どっちのだっけ」と柔軟剤を両手に僕。 「うちのじゃ」 「じゃ今回は俺のね」 「えー、そんなルールなくな
最近キーボードが長かったんだ。 だからそろそろくると思ったんだ。「あおい」って。 いつもタイピング音で目が覚めて、寝たふりをして音に揺られていた。心地よいタッチでとんととっと物語が生まれ、時折殺すように消される。その抑揚が絶妙で、彼女はやっぱり作家で、プロで、小説を書くのが大好きで、いつも楽しそうに文章で踊っていた。 だからか、異変には敏感になった。 リズムが崩れ、ぎこちなくなった。そして、朝までそれが続くことも増えた。やっぱり「きて」いる。 彼女の病気のことはよく
ヴーンっとだらしない換気扇の音と共にあの独特の臭いがした。 キッチンの換気扇の下でいつきがタバコを吸っていた。 普段は吸わない。吸うの2月に1本くらい。ようは何かあったのだ。 「どうしたの」と、聞いてみる。 「・・・友達の子供がランドセル背負ってた」 「ん」 「この前広島帰った時にの、ばったりじゃ。見たことある顔じゃおもてたら中学の同級生。うちの数少ないお友達じゃ」 「結婚したのは知ってた」「子供がいるのも知ってた」「でもランドセル背負ってるのを見るとなんかこう、グッ
いつきの誕生日に、観葉植物を贈った。せっかくだから名前をつけた。「わか」と名付けた。小説の究極の理想は和歌だから。いかに短く深く刺すか。我々らしい名前だな、そう思った。
いつきに言われるまで僕の小説は長かった。 長い方が響くに決まってるだろ。そう信じていた。 でも彼女は言った。 「ボケナス」 と。 ・・・もっと言葉あるだろう。 * 「長い」バッサリ赤ペンを入れて返却された。 「でも長くしなきゃ深くなくない?」 「この前も言ったじゃろ。あおの無駄は不要な無駄じゃって」 「でも」 はぁ、とため息をついて、語り出した。 「人はなぜ、虚構に感動すると思う。そんなの人間だけだろ。本質を間違えるなよ。物語に感動してるんじゃないんだよ。
あー、これがアレだなと思った。 いつきが言ってたやつだ。 記憶は何と紐づいているかわからないってやつだ。彼女の場合は、雪のイラストと夏の大学だった。 そう、それだ。 ぼんやりと漫画を読んでいた。何度も読んでいるはずなのにふと、主人公が雨を眺めるシーンが留まった。 そこに浮かんだのは高校生の僕で、確か3年の初秋だ。部活を引退して、夏休みが明けて、2学期が始まった頃だ。 付属校だったのでほぼエスカレターだった。残って勉強しているやつなんていなくて、大抵、放課後の教室は
こんばんは。あおです。 『「じゃ」へ。』はお休みです。今日は久しぶりに作者の僕のエッセイです。まじです。 特に隠れファンの方には、『「じゃ」へ。』の登場人物が「あお」だったり、現実とフィクションどっちやねんみたいな書き方しているので最初にちゃんと言おうと思います。 この記事はこのアカウントの主のエッセイです。 もうほぼ40本連続で書いていますからね。こんなに楽しくて、没入できて、楽しい(2回目)のは初めての感覚です。創作、最高です。 レッツゴー! 小説って読まれな
ああ、これは夢だなと思った。 だって中学の制服着てるし。 だって、いつきが横にいるし。 なんでか知らないけれど、二人で、同じ制服で草原にいた。 僕は無地の濃紺のスラックスで、彼女は同じ色の膝丈のスカートで、今より幼い顔をしていて、少しだけ意地悪そうな顔をしていた。 風に吹かれる髪と真っ白で一回り大きなワイシャツと彼女。腰まで伸びた夏草がなびく。 「あおい」と呼ばれた。だけどポケットから薬を出すこともなく、ただ、ただ、そう呼ばれて手を繋いだ。落ち着いた脈に試験勉強でで