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IV号戦車に恋してる

いつ頃からだったか、好きな戦車は? と問われると迷いなくIV号戦車と答えるようになっていた。初めて買った戦車はベタだがⅡ号戦車だったし、リモコンのロンメルとかケッテンクラートも買ったりしてた。

だけどどのタイミングでか覚えていないがIV号戦車が好きになっていたのである。きっかけを覚えていないのはとても悔しいのだが。多分中2ぐらいの時にバイブルでもある「アハトゥンクパンツァー!! 第3集 IV号戦車」を購入し、それこそ擦り切れるぐらいに読み込んでいる。新しい資料集も沢山出ているが、「アハパンIV号」は今でも開くことも多い。

お陰様(?)でIV号にはそれなりに詳しくなったが、どこそこ工場製何年何月生産車とか、そこまでは個人的情報として必要とはしていないので研究者とまでは至らないのだ。ただのIV号好きのおっさんなのだ。当時中高生だったおっさんはタミヤの旧版H型を切り刻んだり新規J型発表に歓喜したりしていたのであるな(遠い目

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ところで本題のタミヤの新作、IV号戦車G型初期生産車である。昨年短砲身の集大成とも言えるF型が出ており、それのバリエーションキットではあるのだがIV号好きのおっさんにとってはこの長砲身IV号の実質リメイクこそが待ちに待ったキットなのだ。嗚呼、夢にまで見たタミヤ製マークIVスペシャルなのである。

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褒めたいところは山程ある。ただそれはF型発売の段階で色々話題になったし今更感もあるので触れない。

ただこれだけは言いたい。今も現役で僕も何個も何個も作ったタミヤ製のIV号戦車H初期型/J型と大きく違う点がある。本当に素組でよいのだ。今回のF/G型は。

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それはIV号ディテールアップあるあるなフェンダー内側のディテールもきっちり入ってるし、溶接跡も全部再現されている。OVMクランプもプラパーツとしての再現度でしっかり作り込まれている。吊り下げフックもパーツが小さくなってしまったがちゃんとフックの形状になってる。足さなきゃいけないのは砲塔旋回用補助エンジンのマフラーパイプぐらいじゃなかろうか。あとあれだ、F型から新規実装された部分連結履帯。どうしても目を瞑る事が出来なかったセンターガイドの肉抜き穴が再現されている。神かよ。ロコ組でもC組でもどんとこいなのだ。ドミトリーなドンスコイではない。

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結局語ってしまったじゃないか。付け加えるならもう1点大事な話があるぞ。強度優先で太くなりがちなシュルツェン架がないのである。シュルツェンを装備した姿がIV号長砲身の真の姿と思う諸兄も多いと思うが、アレは面倒くさいんだよ色々と…薄さを求めるならエッチングパーツに置き換えたくなるし、プラパーツで極限まで薄くするのも大変だし。今回のG初期型ならば未装備で問題ない。熱砂のアフリカから極寒のロシア、統治下フランスでの小綺麗な姿も再現出来る。ほんのちょっと改造したらG中期型にもなる。最高のキットだと思わんかね 。しかもフィット感抜群のフィギュアも付いてくる。どっちが主役か分からないぐらいの最高にご機嫌な戦車兵だ、F型もG型もどっちのフィギュアも最高である。時にG型シャツ姿の戦車兵は色を塗り変えれば夏のロシア戦線へ転属も出来るぞ。帽子だけは気をつけよう。

ちょっと興奮し過ぎてしまった。いや、足掛け30年好きな戦車なんだから許してほしい。ところで1/35のIV号と言えば勿論ドラゴン製の名作もあるし最近ならライフィールドモデルやミニアートがフルインテリアモデルとして矢継ぎ早に商品展開している。ズヴェズダやアカデミーのキットも忘れちゃいけない。古のイタレリ製だってある。ただ、やはりタミヤで育ったおっさんはタミヤ製のIV号を作りたいのだ。

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ディテールを損なわない組みやすさといい塩梅になるよう計算されたパーツ数、設計陣の「やったるでぇ…」という意気込みが垣間見える。勿論各パーツの合いは最高だ。親の顔より見たバスタブ式のシャシーに転輪に、ワンパーツで再現された懸架装置。結局使う機会はやってこないエンジン冷却ファンも顔馴染みだ。G型は隠し穴が多いので気を付けなきゃいけないが、場所さえ分かっていれば凸ピン切り落として接着してしまえばよい。気が付けば説明書もろくに見ずに半日で組み上がってしまった。履帯だけはちゃんと説明書を見たぞ。

こんなご機嫌なキットを出してくれたタミヤに感謝。この「マークIVスペシャル」は僕の戦車模型人生の中で新たライフワークになる。そう確信している。◾︎

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