見出し画像

イタレリ製品との付き合い方。

ぼくが得意顔で語るまでもないがイタレリというメーカーがある。海外の模型メーカーの中でも老舗と呼んでも問題なかろう。先に釘を刺しておくが残念ながら歴史を語る話ではない。そもそもぼくはイタラエリの頃は知らないわけだから。きっと詳しい方がどこかで記事にしていると思うので個々で調べていただきたい。あと今回はAFVモデル(含ソフトスキン)の話なのでエアモデルやカーモデルに関しては触れていないのでよろしくお願いしたい所存。

クルセイダーMk.II。模型店のコンペ用に制作したもの。

ぼくが戦車模型を作りだした頃のイタレリの一番古い記憶はタミヤとのコラボ製品である「ハンヴィーブッシュマスターキャリア」だと思う。模型誌で作例を見た記憶があるし、模型店店頭でも見てる筈。地元の近所の模型店ではイタレリパッケージの製品は置いてなく、タミレリ版からの出会いだったと思う。
あとはテッパンの模型誌で見かけた「三本取っ手のジェリカン」だよね。ありがち。

イタレリ製品との本格的な出会いは中学生の頃に地元に数年間だけ開いていた模型店でキューベルワーゲンとシュビムワーゲン、ジェリカンセットあたりを見かけたところからだ。三本取っ手のジェリカンと同様、足回りの精密なキューベルワーゲンがあるらしいぞ、あれはイタレリ製だという知識を得て是が非でも欲しかったハズなのに結局買った記憶がない。ハセガワ/ベゴのキューベルワーゲンが出ちゃったってのもある。

sWSは新製品として雑誌に紹介されてたの覚えてる。この米軍鹵獲車輛は比較的最近作った。

模型誌で作例を見て猛烈に欲しくなったのはパンツァーヴェルファー42だ。HJ誌で越智さんが作例を担当していたはず。恐らく高校生になっていたと思うので名古屋まで出て探して購入したんじゃなかろうか。引っ越しの際も必ず持ち運んでいたが残念ながら未完成のまま破棄。足回りが改修されて履帯も部分連結のものが入ったタミレリ版を購入してるのでいつかちゃんとケジメを付けたい車輛。

この為にエッチングパーツ買ってるのにいざやるかってなると尻込みしている俺です。

高校を卒業し、免許を取り車で走りまわるようになると模型屋巡りが楽しくなるわけでイタレリ製品との出会いも増えていく。タミヤが輸入代理を行なっているだけだってそれなりにキットは見かけるし、新製品も定期的に発売しているので気になる車種だったりすると購入している。

そんなイタレリとのお付き合いも長いわけだが、今ならイタレリ製を選ばなくても同車種は他メーカーから選べるものも多い。

マウルティアは憧れでもあったよね。

このオペルマウルティアに限らず、他メーカーが後発で新規に開発した車種は多くある。シャーマン系列とか1tハーフトラックとかハンヴィーとか、38(t)とかも。中には他メーカーと同時期ないし後発なのに「お、おう…」みたいな製品もあるが、まあ、そういう話はちょっと置いとこうじゃないか。誰ですパンターとかティーガーとか言ってる人は。先生許しません。

発売時期としては他メーカーよりも先んじてはいたよねベルゲティーガー。

勿論未だに唯一無二の製品もある。DUKWとかAB40/41/43とか。現用も何気にあるぞ!オシュコシュトラックはトランペッターが始めちゃったけど。イタリア愛を感じるならばイヴェコLMVとか。

日本では正式輸入されてないけどUN仕様のキットもあるぞリンチェは。

イタレリ唯一のキットもあるが、他メーカーからリニューアルされたとて「やっぱりイタレリがいい」なんて声も少なくはない。勿論それには昔からの憧れやら古き良き記憶などが多分に含まれているのは事実だとは思うが、実車からのイメージを上手くつかんでいるようなキットは今でも評価が高い。シャーマン道の人たちはイタレリ製の76㎜砲塔は現在でも通じる逸品であるとハンコを押している。

車体側面のテーパーはそのままだけど、まあ、そこまで気にならないんじゃないかな。

イタレリ製品で時々「オーパーツ」だなんて表現をされるキットもある。なるほどこれがオーパーツと呼ばれるヤツか…とセモヴェンテやI号戦車なんかも作ってみたが、よくよく考えると「何と比べてオーパーツなのか」という話ではあるよな。当時の他社製品と比べて抜きんでていたという話でもあるし、これは失礼な話だが昨今のイタレリ製キットと比べて…みたいなところのニュアンスも感じられる。失礼な話である(繰り返し

あとはイタレリ製キットでよく話題になるのはやはりメイドインジャパンの旧マックス模型製キットを出してくれるところ。今現在通常ラインナップには入っていないものの、中古屋ではよく見かけるので購入は可能だ。M3スカウトカーやRSOなど、他社からリニューアルはかかってしまったが傑作名高いキットも多い。これらは金型改修が入っているが、改悪された印象はないと思う。ダッヂアンビュランスのように未だに唯一無二のキットもある。

ソフトスキンスキーとしてはたまんないね。

そんなイタレリ製品の魅力って何なんだろうか。包み隠さず言うが、前述したように他社リニューアルが入ってる車種なんかでは正直ディテール再現の面では太刀打ちできないものも多い。劣る、とまでは言わないが、比べてしまってどちらがよいか?などと質問されたら他社を選ぶ事も多い筈だ。さすがに今更イタレリ製ヘッツァーを作ろうとは思わない。だけどぼくはイタレリ製品が好きなのだ。

クルセイダー対空戦車なんかはイタレリキットの独壇場だ。かっこいい。

比較的新しいキットでもパーツ数はさほど多くないので組み立てに対するストレスは少ない(プラモを作るのにストレスを感じる云々は置いといて
更にこれは本末転倒気味ではあるが「ディテールアップする楽しみ」的なところもある。しかもこのディテールアップというのは「現行の他メーカーと比べてみても遜色ないカリッカリの作り込み」ではなく、イタレリの持ち味を生かした作り込みをするという事。

敢えてよろしくない表現をするならば「イタレリキットならこれくらいでいいか」と割り切る事が出来るのではないかと思う。

このハンヴィー、タイヤはDEF.modelだがインテリアなんかはキットのまま。見えないしね。

ぼく自身の模型制作スタイルが「ほどほどに作り込んでさくさくと完成させる」なので、イタレリ製品なんかはこのスタイルに最適だったりするのだ。このハンヴィーのように別にレジン製タイヤを組み込む事に抵抗があるわけではない。ただしヴァーリンデンから出ていたイタレリハンヴィー用インテリアパーツを組み込む事はしない(持ってない、買えないではなく)。ちょっと手はかかるが、そういうところを楽しむキットでありメーカーなのかなというお付き合いをしている感じかな。

HJ誌で青木先生がアズムットの改造パーツで作ってた記憶がある38(t)偵察戦車。

この38(t)偵察戦車だってドラゴン製のキットがある。勿論持ってる。けどインテリア面倒だなー塗装手順悩むなあとかやってるうちにそっと箱を閉めてストックヤードに納めてしまったのだが、このイタレリ製38(t)偵察戦車は秒で完成した(盛り過ぎ)。インテリアもそれなりに再現されているが作ってない。履帯もキットのままなのでセンターガイドの肉抜きはない。再現度の話をしてるんじゃく、このプラモデルを作った理由は「精密に作り込まれた38(t)偵察戦車が作りたい」ではなくて「イタレリの38(t)偵察戦車が作りたい」という動機なんだから。ぼくはイタレリ的アプローチがされたプラモデルを作って楽しみたいのだ。

そんなこんなで書き散らかしてみた結果、果たしてこれはイタレリ愛なのか?という疑問もあるが、イタレリのキットは大好きなのである。旧作でも作ってみたいキットはまだまだあるし、Ⅳ号戦車好きとしてはイタレリ製Ⅳ号戦車にはケジメを付けたい。タミレリ版のホルヒKfz.15なんかもレジンタイヤも購入済みでいつでも作れる準備は出来ている。ちょっと意地悪な悪巧みも進行中でもある。まだまだイタレリのプラモデルで楽しむ気満々であるのだ。■

まずはSd.Kfz.10辺りから仕上げようかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?