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自分のスタイルで模型を作る。


唐突に完成したタミヤのII号戦車C型(ポーランド戦)。塗装の練習や勉強したいなーと思い、組みかけだったキットを引っ張り出してきてぶわーっと一日で組み立て、半日で塗装するというパワーモデリング。

砲塔が小さいからローアングルが似合わない。

キット自体は2009年のモノなのでもう若干懐かしい感じがする。これの前に出てたフランス戦仕様のA~C型は当時作って完成させたが、コッチは初めて。車体前面の丸みを帯びた装甲が可愛い。

作業工程はまいどTwitterを参照していただくとして。工作自体はあまり手を加えずサクサクと。OVMクランプを伸ばしランナーで追加し、機関部ハッチや操縦手ハッチのヒンジに手を加えたりしたぐらい。

塗装工程は至っていつも通り。Mr.COLLARの戦車特色のジャーマングレイ三色でグラデーション塗装を行い、半ツヤ吹き付けてデカール貼りつけ。クラッペに掛かるから綺麗に貼れなくて泣きながらリタッチし、OVMなど細部を筆で塗り分け。ここまでオールラッカー。以前買ってた色鉛筆で擦り傷とか再現出来ないかなーと思ったけどあんまりよい感じにはならず。勉強の余地あり。

今回はあんまりガッツリツヤを消さないようにして基本塗装をコート、タミヤのスミ入れ用塗料でウォッシングしてクレオスのウェザリングカラーで乾いた系の汚れを乗せて完成。まあ、自分的にはいつもの仕上げにはなった。

油汚れが若干雑なのでまた加筆しておこう。
20㎜砲身は滑り止め部分を再現してみたがもう少し強調してもいいかも。

今回のテーマは半日でそこそこイケるクオリティの塗装が出来るかどうかというところ。

時々「あんもさんって手が早いですね!」って言われたりするがこれにはシンプルな答えがある。それはズバリ「手間のかかる仕上げを選ばない」こと。例えば基本塗装は僕は古来からの「暗色ベースに基本色を乗せ、ハイライトを入れる」グラデーション技法がメインだが、カラーモジュレーションっぽい事もしてはいる。でもここでマスキングとかしない。カラモジュでもっとも効果的な側面とかにフリーハンドで軽く入れるだけ。そもそもそれはカラモジュじゃないぞって話かもしれないが。

R05の5のところにリタッチ痕がはっきり見えるぞ。恥ずかしい。

ただこれは「面倒な工作や塗装工程はやるな」って話ではなく、作るモノに対してのTPOがあるという話。それこそ今回のII号なんかはポーランド戦に投入された車輛なわけで、恐らく完璧に整備された状態で前線投入されてる筈。汚れや傷は2~3週間以内のモノだと考えると「これくらいでいいか」と筆が置きやすいわけである。

同じII号戦車でも東部戦線に投入されたC型改修型とかなんかはポーランド、フランスを生き残って改修を受けて激戦の東部戦線で酷使された仕様にすれば追加工作も色々可能だし塗装の引き出しも広がるんではなかろうか(まあ、ロシアに投入される前にやっぱり整備はされてると思うけど)。

足回りはウェザリングペーストも使ってるが食器乾燥機の力は偉大だ。すぐに乾く。

「足回り泥だらけで履帯にも草が絡まり云々」という表現をするなら今回だって数日にわけて作ったと思う。まあ、そもそもデカールを貼って1~2時間後にはトップコート吹いてるとか乱暴な工作はしてるわけなので、万人にオススメできる工作方法ではないと自覚はしている。

ゴリゴリに工作や塗装に力を入れて魂を削った一作も作りつつもこういう「肩の力を抜いてさくっと作る」なんてのもよいかなと思うわけだ。模型に対する情熱は人それぞれだから強制はしないし強制する力も権力もない。模型は自由だ、といいつつある程度の(目に見えない)縛りがあるのは重々承知とはいえ、今時分「これはやらなきゃだめ」みたいなものをSNS公言してる人は少なくなったかとは思うが、なんとなく心の中でそう感じてしまうのは事実。そんなことで楽しい模型ライフを縛られてしまうのはもったいないと思うわけである。■

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