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メガネのある模型生活。

中学生の頃に急に目が悪くなった。近視である。理由は明白だ、日光があまり入らない薄暗い部屋で今ほど光量もない照明の元でプラモばっかり作っていたから。中2の視力検査で昨年の1.5から一気に0.6まで下がり、愕然としてメガネを作ってもらった。とはいえ当時は一般生活に支障があるほどではなく、学校で使用するぐらいで常用しだしたのは高校生の途中ぐらいだったかな。当時は高かったよねメガネ。
そう考えるとメガネとのお付き合いは30年を越えている。近視なので家の中ぐらいなら裸眼でも大丈夫なのだが、ウッカリ足元にレゴならぬプラモのパーツでも落ちてて踏んだら大惨事だ。基本はメガネは常用だった。

そう、だった。過去形になっている。いや、レーシック手術をしたとかコンタクトに替えたとかそういうんじゃなくていよいよピントが合わなくなってきたのだ。実際は数年前から合わなくなってきてはいたのだが、説明書を置いてランナーからパーツを切り離すぐらいはメガネをかけたままでも問題なく、細かい作業はメガネ装着型のルーペに頼っていた。

エッシェンバッハのルーペ。使い込んでるので汚いね。

まあ正直このタイプのルーペは重くなるのでメガネがズレ落ちやすく、快適に作業が出来るわけではない。しかしヘッドオンスタイルのルーペはメガネユーザーには無理なのである。そんな中エッシェンバッハのルーペは比較的軽く、ストレスが少ない。ただ付けっぱなしというわけにはいかず、必要な時にだけ装着している。

閑話休題。2年前ぐらいからどうにも見えづらく、首を曲げてメガネの上の隙間から裸眼で見るクセが付いてしまい、しばらくそれに気付かずやたら首を痛めたり肩が凝ったりしていた。こりゃだめだと気付き、接近戦が必要な場合はメガネを外すようにしていたがいよいよメガネ越しでも通常の距離(ランナー上のパーツ)にピントが合わなくなってきた。
正直手元だけならメガネを外せばよい。ただプラモを作るためには裸眼では説明書がボヤけて見えないし机上の道具も見えない。原型の時も資料が見えない。ここ半年でそのストレスが溜まってきて、ワンフェスが終わったらメガネを新調しようと思っていたのだ。そう、遠近両用メガネである。

最近すっかりZoffユーザー。

先日梅田のZoffにて視力検査をお願いし、「遠近両用メガネが作りたいんです…!!」とお願いする。対応してくれたメガネの良く似合う女子店員がテキパキと視力チェックやレンズの交換を行ない、仕事的に近くを見ることが多いと説明すると中近両用をお勧めしてくれた。なるほどそういうのもあるんだな。特殊なレンズ故にすぐにお持ち帰りは出来ず、先日「デキタヨーー」ってLINEが届いたのでわくわくしながらお迎えに上がった。

さて、実装してみた感じははやり「慣れが必要」である。正直なところ最接近作業はやっぱりピントが合わない為、メガネを外す事には変わりはないが通常作業ならば普通に説明書見ながらプラモは作れるし動画見ながらプラモも作れる。
中近両用(遠近も同じだが)レンズは大雑把に言えばレンズの度が3段階に別れており、上から遠、中、近とピントを合わせる事が出来る。今回作ったのは中近なので割合的には2:5:3ぐらいかな。1:5:4ぐらいかも。つまり遠距離はあんまり見えない。当たり前だ、中近両用レンズを選んだのだから。
その「見えやすい角度」を探す為に本来は眼球を動かすわけだが、初日は眼球は動かさずに首を動かしてピントを合わせていた。砲身を水平に保ったままで行軍間射撃をする現用戦車といえば分かりやすいか(そんなことないです)。そんな事していれば瞬間首が疲れてしまうわけで初日のテストは大失敗。

そして今日は外でのテスト。模型講座の講師をしているので、参加者の作品がよく見えるだろうとウキウキしながら実装してみたが、室内をウロウロ周回するので遠距離が見えにくいこのメガネでは逆に室内では目を凝らすことになり目が疲れてしまう。参加者の作品はよく見えるが、途中から頭が痛くなってしまったのであえなく通常のメガネに戻す。
そりゃそうだ、このメガネは中近両用レンズ。Zoffでも「机に向かって作業するんで中近でいいかもです」って言ってたじゃん俺。自宅の作業部屋でナイフとニッパー握る為の装備なんだなと改めて確認したのだった。

メガネを外す時にストレス軽減にもなるのがストラップ。

今更メガネとの関係を解消するなんてことはない。そもそもメガネは好きなのだ。自分がかけるのも異性がかけてるのも。趣味として仕事として模型は続けていきたいわけで、目は大切だしメガネも大切なのである。
自分が求める模型の解像度は実体顕微鏡で覗き込んで作るような細かな工作ではない。拡大しなくても程よく見える程度の解像度が好みだ。
そうなると今後もメガネとのお付き合いは長いだろう。今回実装された中近両用メガネの実力はこれからだ。よいメガネで楽しい模型生活を送りたいものである。■

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