見出し画像

「食事」の解説のような

川柳で、
「トマトとケチャップの繋ぎ目はどこ」
というのを詠んだあと、
もうすこしおいかけてみたくなって書いた詩です。

ただ、子供の成長、
子供という他者のあっさりとした違い、
その違いを分かりあって、許し合って、生きてきた時間の不思議。

次男は
トウモロコシは好きなのに
カレーの中のコーンは毛嫌いし
コーンスープを好物という

長男は
トマトのあらゆる特徴に眉根を寄せるのに
一日のうち二食で
トマトケチャップを必要とする

そうやって食べたり 食べなかったり
無理矢理に食べて見たりしているうちに
恋をして ニキビを気にし
髪を整え 鏡の中の自分に不安そうして見せる

変わっていくことからの
咲いては散っていく日々の
やわらかなレタスの良さ
あぁ 爪は丸く 柔らかく剥いていく

「食事」

私はあまり食事を用意しませんが、
時々つくるカレーだけは、
わが家の味だと思ってもらっているようです。

人参はすりおろしたり、
キノコは細切れにしたり。
じつは嫌いなものだって、
君達の身体に入れていってるんだぞ、母は。
そう思いながら、鍋をかき混ぜます。
私の中ではとってもやさしい詩になったかなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?