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フランスからの報告-匿名出産で生まれた子の思いとは

皆さんこんにちは。Pinkです。今回は、熊本県民テレビで、3回にわたりシリーズで放送された、「母と子の幸せの行方は フランスからの報告」の中から、2回目のテーマ「知る権利」について書きたいと思います。

私は誰から生まれたの?

思ってもみない言葉でした。というのも、自分が誰から生まれたのかというのは、当たり前のように分かっているものだと思っていたからです。その考えこそが間違いだという現実に、胸が痛くなりました。

熊本市にある「慈恵病院」では、女性が、病院の相談室長にだけ身元を明かす、「内密出産」に取り組んでいるのに対して、病院で身元を明かすことなく出産をすることを「匿名出産」といい、フランスでは法律で保障されているそうです。

1993年に「秘密のもとでの出産」を法律に明記したフランスは、すべての産科病院で、匿名を希望する女性の出産を受け入れるよう規定していて、子供に伝える情報は国に任命された専門スタッフが女性から聞き取ります。

聞き取りをした「出自」に関する情報は国が管理し、子供は18歳になると開示を求めることが出来るそうなのですが、それ以前に養親心理士など専門スタッフの立会いで情報を見ることも出来るそうです。

なんで育てられなかったんだろう?

匿名出産」の子供を育てる養親 の話によると、実の母親について子供に伝えられる要素は、ほんの少ししかなかったそうです。また、空白の中から子供の独自性をつくることの大変さに、家族は激しく目の前にしたとのことです。

自分の祖先が分からないというのは、その「空白」を埋めることが出来ず、思春期には「また見捨てられるのではないか」と暴力的な行動もあったと言います。なぜ自分は見捨てられたのか、なぜ自分は実の親を知らないのか。

思春期という、誰にとっても難しい時期なのに加え、いつも怒っていて、不公平な気持ちがとても強かったそうです。それは「見捨てられた」という気持ちがあったからだとのことです。

また、「匿名出産」で生まれた女性で、結婚や出産を機に自らの半生を本にまとめた人がいます。そこには怒りや不安から大麻に依存したり、同じく養子だったいとこの自死を目の当たりにした経験などがつづられているそうです。

怒りを感じたり、落ち着いたりしていた彼女ですが、自分が母となっても、やはり理解できないこともあるそうですが、良い悪いなど裁く気持ちはないとのことです。

子供が求めるものとは

フランスの養子縁組機関の通称 「FAF」は、第二次世界大戦後に設立され、75年以上の歴史があるとのことです。多くの母と子供を結んできた代表は、子供達が求めている情報には同じ傾向があると話します。

子供達が求めるものは名前や住所ではなく、「なぜ実母は私を望まなかったのか、状況はどんなものだったのか。」とのことです。

それは、母に愛されていたのか、愛されていなかったのか、私は愛されるのか、愛されないのか、自尊心につながる部分だと言います。

フランスの匿名出産制度では、国の機関「CNAOP」が母親から情報を聞き取り、そこで得た情報は、以下の2つに分けて保管されるそうです。

  1. 名前や生年月日など母親が特定出来る情報

  2. 目の色、背の高さ、人種など特定できない情報

以上です。

子供は何度でも開示を求めることが出来、母親も時間の経過とともに残したい情報を追加することが出来るようになったとのことです。

しかし、身元の特定につながる情報が開示されるのは、子供の求めに母が同意した時のみとなっているからこそ、母には同意なしでも子供に開示される「手紙」を残すよう促しているそうです。

また、代表は見捨てられたことには変わりがなく、「匿名出産」は決して愛情の行動だと言えないけれど、自尊心は、子供が将来独自性を作っていくのにとても大事なことだと話しています。

以下、参考サイトになります。

こちらでも記事を書いているので、よかったら読んでみて下さい!

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