【長編小説】 チュニジアより愛をこめて 14
――私は、劉と同じようにジェルバ島に渡り、海に面した見事なリゾートホテルに泊まった。そこはどこを取っても完璧に美しかった。きちんと整頓された清潔な客室、派手で賑やかな装飾を施したレストラン。海を望む屋外の敷地には、エメラルドグリーンの巨大なプールがあった。ホテルを出て道路を渡るとすぐ、宿泊客だけが利用することの出来るプライベートビーチもあった。至るところで、着衣であったり水着姿のままであったりの違いはあるけれど、二十歳そこそこの若いチュニジア人男性と、ヨーロッパの各地からや