aalto yuki

シェルティ2頭とフランス🇫🇷娘と同居して、楽しい日々を過ごしおります。

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最近の記事

[恋愛小説]1981年の甘い生活...9/シェルティとボルボ

NZハネムーンから帰国した優樹は、ぼんやり実家の池を見ている。 池には父が飼っている錦鯉が群れている。 美愛は、実家にお土産を届けに帰っている。 優樹がボンヤリしているのは、NZの生活が余りにスローライフで魅力的に見えたからで、日本での忙しすぎる毎日と比べると天国の様に思えた。 移住してNZで生活したいとまで考えていた。 それは美愛にとっては、まったく別で。 あれは観光旅行だからと割り切っている。 優樹がにそんなことを考えているなんて露程も知らなかった。 帰国してか

    • [恋愛小説]1981年の甘い生活...8/ハネムーンはNZ その3 美人のツアコン

      そのツアーは6組の新婚旅行カップルだけ参加したハネムーンツアーだった。 夜10時成田発、機上で朝明けを見るのは初めてだった。 暫く二人で窓の外に広がる朝日を見ていた。 朝方フィジーで給油、昼過ぎオークランド着。 乗り込んだ、バスとツアーコンダクターと運転手は、最終日まで一緒だった。 ツアコンは、島田和美さんといい、30代後半で有能で美人だった。 一見して、美愛は島田さんを分類した、好きになれないグループへ。 この頃になると、美愛が同性に対し、好きになれるグループ。 好きになれ

      • [恋愛小説]1981年の甘い生活...7/ハネムーンはNZ その2 美愛の憂鬱

        美愛は優樹と結婚を前提に付き合いだした頃から、薄々感じていたことがある。 それは、優樹の女性への態度だ。 どうもなれなれしいその態度は、相手に誤解を与えて、直ぐに近寄ってくる女達がいる。 そのことに、美愛は警戒するようになっていった。 それに最初に気づいたのは優樹が大学4年の時の入院だった。 大学病院だったせいか若い看護婦が多く、ちょっと目を離すと、親しく笑いながら話しているのを何度か見た。 自分が近づくと不自然に会話が途切れるのも、嫌な感じだった。 優樹の職場は、設計や

        • [恋愛小説]1981年の甘い生活...6 /ハネムーンはNZ その1 秘められた目的

          結婚して早4年、念願のハネムーンを計画している美愛。 八王子駅ビルの旅行代理店でパンフレットを沢山貰ってきた。 美愛「だから、ハワイかオーストラリアかニュージーランドはどう?」 優樹「ハワイはみんな行くからな…オーストラリアはシドニーのオペラハウスだし、ニュージーランドは羊しかいないし….。任せるよ。」 という、具合である。いつもの優柔不断な返事。 美愛はこのハネムーンには、優樹には言ってないが、拘っていることが有った。 自分たちは、若干24,5歳で結婚という選択をした

        [恋愛小説]1981年の甘い生活...9/シェルティとボルボ

        • [恋愛小説]1981年の甘い生活...8/ハネムーンはNZ その3 美人のツアコン

        • [恋愛小説]1981年の甘い生活...7/ハネムーンはNZ その2 美愛の憂鬱

        • [恋愛小説]1981年の甘い生活...6 /ハネムーンはNZ その1 秘められた目的

        マガジン

        • [恋愛小説]1981年の甘い生活
          4本
        • 図書館の書架から
          2本
        • その他
          2本
        • [恋愛小説]1978年の恋人たち
          15本
        • ロードバイクの旅とツーリング
          7本
        • 映画・映画館から
          1本

        記事

          [恋愛小説]1981年の甘い生活...5/小淵沢にて...

          優樹の運転するスカーレットのフィアレディZの助手席に美愛を乗せ中央道を西へ向かっている。 季節は初夏、夏の日差しが厳しく季節だが、高原の風は爽やかで、日陰に入ると心地よい。 今日は土曜日で、小渕沢のリゾート開発現場を見たら、美愛と清里のリゾートホテル八ヶ岳に泊まる予定だ。 最近は担当する現場が多く、多摩地区だけでなく、守備範囲は広がって山梨県西部・小渕沢まで来ている。 営業所で受注すれば、担当させられる。悲しいかな文句は言えない。 優樹「今担当している別荘の1棟を、社員価

          [恋愛小説]1981年の甘い生活...5/小淵沢にて...

          [恋愛小説]1981年の甘い生活...4/スカーレットのフィアレディ

          美愛は目の前の車を見て驚いた。優樹が友達の大工さんから格安で譲り受けた車は、フィアレディZ 2by2(GS30型)だった。今朝引き取りマンションの前の駐車場で二人は赤いZを見ている。 スカーレットと黒のツートンに再塗装されおり、ボンネット中央の凸はつや消しの黒という、派手な車だった。 美愛「えっ…これって。」 優樹「どう?いいでしょ。」 美愛「派手ね。そうね、かっこは良いけど。運転できるかな?」 優樹「マニュアルギアだけど、少し練習すれば、大丈夫だよ。」 美愛「マ

          [恋愛小説]1981年の甘い生活...4/スカーレットのフィアレディ

          [恋愛小説]1981年の甘い生活...3 /青梅での生活

          美愛から友人の佐久間慶子への手紙: 佐久間 慶子 様 ご無沙汰しています。お元気ですか。 私たちも元気です。 4月末の祝日に、ゆーちゃんの転勤で東京・青梅に引っ越しをしました。 4月からハウスメーカーに転職したと思っていたら、2週後には、青梅の営業所付きの現場監督として転勤する辞令が出て、驚きました。 青梅と聞いて、思わず 何処?って訊きました。東京の西の外れ、でも東京都下です。隣は山梨県ですが。区民だったのは2年間だけになり、少し残念だけど、ゆーちゃんに付いていきます

          [恋愛小説]1981年の甘い生活...3 /青梅での生活

          [恋愛小説]1981年の甘い生活... 2 /根津神社で

          1981年6月上旬の土曜日の夜、飯田橋の焼き鳥屋の2階の宴会場で、優樹と美愛の結婚披露宴と言うより二次会的宴会が盛り上がっている。 もう既に、披露宴というより宴会の喧騒で、大声で無いと話も出来ない状態になっている。 午前中に文京区の根津神社で、優樹と美愛は神前結婚式を挙げた。 式には両家の両親や親戚が参列した。宴会には、双方の両親、親戚、友人、優樹の事務所の所員・美愛の銀行の行員ら約80人が招かれていた。 一時は地元の結婚式場でと両親達に言われたが、二人は自分たちで式も

          [恋愛小説]1981年の甘い生活... 2 /根津神社で

          [恋愛小説]1981年の甘い生活... 1 /Dolce Vita 甘い生活

          優樹と美愛は、調布のテニスクラブのコートでラリーを打ち合っている。 最近、美愛はテニスにハマっている。元々は優樹に誘われて、始めたが最近では、美愛の方が熱心にコートへ行こうと言う。 中学・高校時は、陸上部に入っていた。いつも補欠だったが。独身時代…とっても、短大卒業前後、優樹と付き合い始めた頃、冬になると地元のスキー同好会に誘われて数度、スキーに行った。だからスポーツは嫌いではなく、どちらかと言えば興味はあった。 初めは優樹に誘われ付いていったが、今では優樹よりも日曜日

          [恋愛小説]1981年の甘い生活... 1 /Dolce Vita 甘い生活

          ムーン・パレス/ポール・オースター 図書館の書架から その3

          1989年出版。1994年訳発行。 先日作者のポール・オースター氏が亡くなり、その記事でこの「ムーンパレス」を知り、読んだ。 最初は読みにくく、なかなか進まなかったが、途中からペースが上がり、読み進めることができた。 独特な表現、書き方があり、それに馴染めれば、面白くなってくるし、最後まで読める。 そういう意味で、村上春樹氏が訳している、アメリカの作家たちとは、少し違うと感じる。それが、オースターの特徴なのか、訳者の表現なのかは定かでは無いが..。 舞台はニューヨーク、主人

          ムーン・パレス/ポール・オースター 図書館の書架から その3

          ロードバイクのメンテナンスと2週連続、ポタリング...

          ロードバイクは道具が多いので、定期的にメンテナンスと更新が必要です。 で、先週おTIME様のタイヤ交換をしました。実に数年ぶりなので、不手際が多く、手こずりました。 ホィールのリムの裏に貼るビニールのテープがありリムテープと言います。。手持ちのリムテープのサイズ間違いがあり、急遽amazonで購入。さらに、チューブも購入したミシュラン製が駄目で空気が入らず、携帯しているスペアを使用と…散々でした。 で漸く、完成し2週連続ポタリングです。 先週の快適・快走に気を良くして、6

          ロードバイクのメンテナンスと2週連続、ポタリング...

          ビンディングシューズー17年間使って...

          17年間使い続けたビンディングシューズがとうとう経年劣化で、昨日(6/1)使用不可の状態に。 身持ちの良さと物持ちの良さは、自分の美徳と勝手に思っておりますが…あはは。 やはり20年間、文句も言わず足の裏で支えてくれたこのシューズには感謝です。 ロードバイクに乗り始めた頃、やはりビンディングシューズじゃないと、長距離は無理と悟り、隣町の自転車屋で購入後特に不便も感じなく、そのまま履き続けました。購入後神様も始めるというので、彼女も同じシリーズを購入。シューズだけは、お揃いでし

          ビンディングシューズー17年間使って...

          ジューンベリーの収穫

          庭に有るジューンベリーが豊作で、今年はジャムにしました。 植えてから7年になりますが、今年の実りは過去最高で、鈴なり状態。 人間やわんちゃんだけでなく、ムクドリやキジバトまで…庭は大変な事に…。 防鳥ネットでムクドリの攻撃から守りました、が隙間から入ってきて中で大暴れ…。 余りに収穫量が多く、生では食べきれないので、わんちゃん友達におすそ分け、家の前を通り掛かったワンちゃん知り合いに差し上げたり、またジャムにし、ヨーグルトに掛けて食しました。

          ジューンベリーの収穫

          [恋愛小説]1978年の恋人たち...17・最終回/石神井でのスタート

          石神井公園に程近い優樹のマンションの前に、引っ越しトラックが停まる。玄関から出てくる、優樹と美愛。 とうとう、美愛が上京し、彼女の荷物をマンションに運び入れている。 タンスや化粧台などが運び込まれる。 家具や山と積まれた段ボールで一杯になったリビングで、困り切った様子の優樹。 優樹「こんなに一杯、入るかな。」 美愛「これでも、少なくしてきたんだけど…。」 優樹「大きな物から、片づけよう、化粧台は何処に置く?」 美愛「寝室でいい?」 優樹「僕の製図板は、処分するよ。」 美愛「

          [恋愛小説]1978年の恋人たち...17・最終回/石神井でのスタート

          [恋愛小説]1978年の恋人たち...16/豊島園で修行

          全力で取り組んだ卒業設計は、銅賞を獲得した。例年、金・銀無しの銅賞なので、健闘したと思う。先日、賞状とメダルを受け取りに行った。 美愛に知らせたら、とても喜んでした。今度見せてねと電話口の向こうの声は弾んでいた。 その3日後、優樹はG計画研究所の応接間で面接を受けていた。 黙って優樹の卒業設計を見ていた藤田所長が口を開いた。 「今、追い込みの案件があるので、明日から来てくれますか。」 優樹「…はっ、はい。」 暫くは、のんびりしたいと思っていた優樹は、不意を突かれ思わずそう返

          [恋愛小説]1978年の恋人たち...16/豊島園で修行

          [恋愛小説]1978年の恋人たち…15/卒業設計ウィドー

          今日は1月30日。あと少しで、卒業設計が完成する。 この2ヶ月は苦しかった。クリスマスも正月も全てのものを返上し、桃花荘に籠もって 取り組んだ卒業設計も明日提出である。 他の人達は、皆後輩に手伝って貰うが、留年した自分はその後輩が居ないので、全て自分でやらざる得なかった。頼んだのは、模型写真を知り合いに撮影して貰っただけだった。 だから美愛にも、会ってないし、来るのを止めて貰った。来ればどうせ、求めてしまうのが、自分で分かっていたからだ。折角組んだスケジュールは、変更にな

          [恋愛小説]1978年の恋人たち…15/卒業設計ウィドー