見出し画像

風情ある奈良の今井町にて、そぞろ散歩。

奈良公園、ならまちはもう行ったしなあ…。
というあなたにすすめたい、また違う奈良の魅力を。

訪れたのは橿原神宮前駅の二つ隣の駅、八木西口駅から徒歩5分歩いて見えてくる今井町。
町全体が重要伝統的建造物群保存地区であり、江戸時代の民家が残る、風情たっぷりの町である。


到着したのがお昼過ぎ、腹が減ってはなんとやら、ということで重要文化財の古民家をリノベーションしたカフェ「Hack berry」さんへ。
ランチ時のピークを外しているので、あまり混んでいないかなと思いきや、受付表にはたくさんの名前がずらり・・・。人気店恐るべし。

ただ、電話番号を書いておけば店内で待たなくても良いとのことで近辺をぶらりお散歩することに。

入口からもう素敵・・・!

暑かったので何か冷たいものを口にしたくて、近くのお店「やまや」さんの古都華ジェラート!
古都華とは、奈良の苺のブランド。大粒でとっても甘い大好きな銘柄の一つ。
そんな古都華が70%も練り込まれているなんて・・・贅沢。

さっぱりした甘さで、歩いて火照った身体を冷やすのにぴったり。
1番上に鎮座したしゃりしゃりの冷凍いちごが幸せ。

夏の到来を想起させるからか、なんとなく心浮き立つ「氷」の文字。

歩いていたら、雑貨屋さんを見つけた。旅先での雑貨屋さん、吸い込まれがち…。たくさんの作家さんの1点ものの作品が数多く並んでおり、あれやこれやと目移りしてしまう。

このお店で一目ぼれした、スズランのイヤリング。スズランモチーフはたまに見かけるけど、瑞々しい葉っぱつきは珍しい気がする。

つやりと光る葉っぱところんとしたスズランの組み合わせがかわゆすぎる。きっとこれから初夏に大活躍してくれるはず。

添えられていた説明書きによると、フランスでは5月1日に愛する人やお世話になっている人にスズランを贈る習慣があり、もらった人には幸運が訪れるそう。
それを知って、思わず兄弟へのプレゼントにも購入。

もう一つ購入したのがこちら。
巾着の手提げ鞄。1本の太めの持ち手の刺繍がお気に入り。
職場やカフェに行くときはいろいろ持っていきたいからリュックを背負うことが多いのだけど、携帯、財布、キーケースなどすぐ取り出したいものを入れるサブバックとして持つのも良さげ。

そうこうしているうちに、先ほどの「Hack berry」さんから順番が来たことを知らせる着信が。
お店の外観もたくさんの植物に覆われていて可愛らしかったけど、中にもたくさんの観葉植物。こういう上からつり下がっているタイプ、家にも置きたいなあという密かな憧れだけど、なかなかハードルが高い。

店内は思の他広く、1階、地下、中二階、二階と客席がたくさんありそう。どこに座ってもまた雰囲気が違って楽しいんだろうなあ。

わたしたちが案内されたのは、地下の席。
階段を降りていくと・・・。

色とりどりでバリエーション豊かなクッションが可愛い~。こんなのお部屋に置いてみたい。
(2回目)

そして、メニューを開く。
なになに・・・。どれも美味しそう過ぎて本気で悩む。
ここがすごく人気なのはこのお店の素敵な雰囲気だけでなく、お料理にもあるのかもしれないな、という心躍り期待が膨らむ。

悩んだ末注文したのは「ハックベリーライス
黒カレーとたっぷりとかかったふわふわのビシソワーズソースの上には、削りたてのチーズ。

わあ、なんてお洒落なカレー!
そう思いますよね・・・ところが、ただのカレーにあらず。実は、ビシソワーズソースの下で待ち構えた、ローストビーフと半熟卵。
なんとこちら、カレーとローストビーフ丼が融合したお料理。

なにその素晴らしすぎる組み合わせ・・・!黒カレーのスパイスの効いた深い味、お肉の旨味、ソースの爽やかさ、それらが引き立て合って重なる贅沢。

もう一つ頼んだのが、ダッチベイビーの「焼きりんごシナモンとくるみのバタースコッチ」。
ちなみにダッチベイビーとは、このお店がアメリカ人シェフから継承してもらったレシピを元に改良を加えた、ドイツ風パンケーキのことらしい。

窓から差し込んだ光によって、より映えてしまったこちら。
もうね、フォークを差し込む前から、美味しさが保障されたビジュアルなんだけど、これがまたすっごく幸せを具現化したような味で。あつあつふわふわの生地に、とろけるキャラメル、甘い焼きリンゴ、バターとクリーム。
なにこの魔法みたいな食べ物…!

素敵なカフェでお腹も心も満たし、引き続きお散歩。

今井町の古民家には、輪っかの金具をたびたび目にする。これは「駒つなぎ」と呼ばれる馬や牛をつないでおいた金具だそう。

「あ、ここにも!」「あ、あっちにもあった!」と探しながら歩くのが愉しい。

この「駒つなぎ」今井町のシンボルらしく、マンホールの蓋のデザインにもなっている。この柄のマンホールの他に町並みを模した柄も見つけた。どこかに金魚の柄もあるそうなんだけど、それは見つけられなかった。

上に下にとあちこち視線が忙しい。

さらに歩を進めていると、何やら面白い瓦を発見。

わたし「なあなあ、あの生き物なんやと思う?」
夫「寝起きのまりさん…。」

寝起きのわたし、ご機嫌斜めすぎやしないかい・・・?

調べてみたら、鐘馗(しょうき)さんと呼ばれる魔よけの瓦人形らしい。
今度は瓦に注目して歩いてみると、これまた見つかる見つかる…!

怒っている猫みたい…。
これはえべっさんかな?
鯉・・・かな?とりあえず魚。
これは、不動明王的なやつかな。
飛び出てるタイプ。
下の柄は…うん、波ということにしておこう。(笑)
これは、打ち出の小槌みたい。
マンボウ・・いや飛んでいる鳥か。
お寺の門の上にも。

あ、あそこにも!と探しながら歩くのは、童心に返ったような楽しさ。

どこの古い町並みでもわたしがよく探すのは、古い看板。
年季の入った味のある看板、なんか好きなんだよなあ。

恒岡醤油さんの看板


こちらは看板の恒岡醤油さんで、我が家のお土産に購入。
これからの季節、冷ややっこにかけて食べるのが楽しみ。

木の断面を使用した看板。

ブックカフェ・・・行きたかったけれど残念ながら営業時間を過ぎていた。
こういうシンプルに可愛い看板も良き。

お店のロゴとかも見ているのも面白い。

こちらは、今回はお腹がいっぱいで入るのを断念した「うのまち珈琲」さんののれん。白いクリームにぽっかり浮かぶ果物の断面が美しいパフェが有名らしい。のれんのモチーフは飛んでいるカモメかな、それとも開いた本かな。

見かけたらなんだかうれしい気持ちになる初夏の風物詩、こいのぼり。(訪れたのはGW前半だった)
しかし風が吹かず、微塵も泳いでくれない。

春の風物詩、その2。
顔を出す可愛い子ツバメたちが見れたら良かったんだけど、既に巣立ったようであたりをたくさん飛び回ってた。

まあるく密集していたお花、なんだろうと近づいてみたら紫陽花だった。
紫陽花はわたしの大好きなお花の一つなので、見つけることができてうれしい。花弁がぎざぎざで可愛いく、淡い色合いが儚げ。
そういえばこれが今年見かけた初紫陽花になるなあ。

旅先で町歩きお散歩をすると、必ず生き物も探してしまう。猫や鳥に出会ったりしたら思わず写真を撮ってしまうのだけど、今回は出会えず。

代わりにいたのは、軒先の水をはった甕(かめ)にいた亀。
…ダジャレかーい。

「噛むので手を出さないで」とわざわざ添え書きがあった、ミシピッピガメさん。ただいま、お昼寝中。

他に生き物はいなかったけど、描かれた生き物は発見。消火栓やホースの入っている場所かな。ヤモリ(家守)だもんね。なるほど。

こちらはどこかの珈琲店の外にあった、張り紙。思わずにやりとしてしまった方、同業者か童話好きかのどちらかでは…!
そう、あの心優しい鬼が出てくるお話の張り紙のパロディですね。

散策を楽しんでいるうちに、日が暮れてきた。
本当は、町家の見学なんかも行きたかったけど、今回は時間の都合で行けず。 
またいつか気になったお店も含めてもう一度訪れたい町、今井町。

目的地に向かうためではなく、周りの風景や心惹かれるものを探し、ただそぞろ歩く。

珍しいもの。何気ないもの。面白いもの。
様々なものを見つけては、その度に心が動くお散歩、なんと豊かさに満ち溢れた行為なんだろう。

#奈良 #旅エッセイ #今井町

この記事が参加している募集

この街がすき

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?