小檜山青 Sei KOBIYAMA

歴史系フリーライターをしています。武将ジャパンにて執筆しています。仕事とサポートを現在…

小檜山青 Sei KOBIYAMA

歴史系フリーライターをしています。武将ジャパンにて執筆しています。仕事とサポートを現在募集中です!!

メンバーシップに加入する

活動内容は日中友好の促進です。中国文化や歴史、ドラマ、アニメ、小説、料理……そうしたものを好む人を広く募集します。 ー国籍問わず ー中国のことをともかく学びたい ーありとあらゆる差別厳禁 コロナ禍はまだ終わっていない現在、具体的なオンライン活動は未定です。 おもに掲示板といったオフライン活動をし、できることならば上海蟹の季節にでも集まれたらよいかと考えています。

  • 江湖人プラン

    ¥100 / 月
    初月無料

マガジン

  • 朝ドラメモ

    朝ドラについてメモ。

  • 『水都百景録』を楽しもう!

    『水都百景録』の攻略というか考察など。

  • 『ゴールデンカムイ』感想まとめ

    『ゴールデンカムイ』アニメ、本誌、単行本感想をまとめました。無料分が長いので投げ銭感覚でどうぞ。武将ジャパンに掲載していました。歴史ネタでより楽しめることをめざします。

最近の記事

『虎に翼』第43回 ありのままの父

 昭和21年(1946年)、優三は戦病死を遂げていました。それを直言が半年も隠していたことを、寅子は知ってしまいます。 中国に散った優三 寅子はカッとなりやすいタイプです。  しかし、怒りは相手が健康でなければぶつけられません。苦しみ、弱った父相手に、背を向けて去ろうとする寅子。  優三の戦病死は当然の帰結かもしれない。兵士と若くもないうえに、病弱でもあった優三が徴兵されてこうなるのは必然でしょう。徴兵される時期が遅かったのは、軍としても弱い、使い物にならないという考えは

    • 『虎に翼』第42回 敗戦後の日々

       昭和20年(1945年)、弁護士資格を持つ寅子と、帝大入学を目指していた直明と、熟練工の重田の三人が、マッチの箱詰めとラベル貼りをしています。  こうした内職は本来職も技もない層のものとされていましたが、軍需工場が閉鎖された今、直言が紹介される仕事はこんなことだけになっています。  その直言は体調不良で、優未の子守担当になっています。かつて家庭内の子守担当者はこうした祖父母あたりの役目でした。それがよかったというわけでもなく、気づいていなか問題視されなかっただけで、アナフ

      • 『虎に翼』第41回 日帝が敗けても、人生はつづく

         昭和20年(1945年)、3月10日――東京大空襲です。上野にあるカフェー燈火では、よねと増野は空襲から逃げようとしています。  焼夷弾が落ちる音が響き、よねがその様子を見ています。 よねと増野の「戦災死」 よねは好きです。そりゃ死んで欲しくない。しかし状況的に助かっているわけがないと思います。  これも東京大空襲の伝承不足かもしれないと思うのですが、あの絶望的な大規模空襲は日本でも、世界でも、認識が甘いと思わざるを得ません。原爆だったらピカーッと光ってドーンと響くという

        • 『水都百景録』を楽しもう 嗚呼、憧れの…唐? それとも宋?

          この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

        『虎に翼』第43回 ありのままの父

        マガジン

        • 朝ドラメモ
          初月無料 ¥300 / 月
        • 『水都百景録』を楽しもう!
          初月無料 ¥100 / 月
        • 『ゴールデンカムイ』感想まとめ
          初月無料 ¥100 / 月

        メンバーシップ

        • ガチ中華フェス延期について

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • 聖地deガチ中華フェスin池袋 2023年 9月15日(金)〜 9月18日(月・祝)

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • チャイナフェスティバル2023

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • ガチ中華フェス延期について

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • 聖地deガチ中華フェスin池袋 2023年 9月15日(金)〜 9月18日(月・祝)

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • チャイナフェスティバル2023

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります

        メンバー特典記事

          展覧会「アメイジング・チャイナ」

          「江湖人プラン」に参加すると最後まで読めます

          展覧会「アメイジング・チャイナ」松岡美術館で - 所蔵品から明清時代の陶磁器や絵画、翡翠などを展示 https://www.fashion-press.net/news/106978  これもいきたいですねえ。  2023年10月24日(火)から2024年2月11日(日・祝)とのこと。

          展覧会「アメイジング・チャイナ」

          食フェス3.0 聖地deガチ中華フェスin池袋

          「江湖人プラン」に参加すると最後まで読めます

          ガチ中華のブームをリードしてきた「東京ディープチャイナ」発の大規模な食フェス『食フェス3.0 聖地deガチ中華フェスin池袋』開催! https://www.atpress.ne.jp/news/362688  これいけたら行きたい!

          食フェス3.0 聖地deガチ中華フェスin池袋

        記事

          拙記事補足 杉元編

            自分で書いた記事の補足や雑感など。 沖田総司と杉元佐一 杉元は一家が結核で全滅に近い状態になり、故郷の村を飛び出した設定です。  神奈川県というのは、なまじ江戸に近いため、江戸時代には大藩が置かれたわけでもない。まずまずの発展といったところです。杉元はそういう神奈川県のごく小さな村で生まれ育ったわけです。  杉元は父が結核に倒れた際、黒猫が治してくれるはずだという迷信を語っています。子母澤寛創作とされる沖田総司と黒猫の話を元にしているのではないかと思われます。元ネタは

          拙記事補足 杉元編

          『虎に翼』第40回 一生懸命頑張るトラちゃんが見たい

           昭和19年(1944年)、寅子たちは登戸にある直言工場の社員寮に住んでいます。そこを訪れたのは後輩の小泉でした。  なんでも女子部は閉鎖されるとのこと。瞬きをして動揺しつつ聞く寅子。高等試験は受けるのだろうと促すと、今年は高等試験そのものがないとのこと。娯楽やスポーツといったイベントからなくなり、ついにここまできました。小泉は先輩のあとに続けないことを詫びつつ、高等試験再開後また挑戦すると決意を語るのでした。  寅子が十年年以上かけて切り拓いた女性法曹の道は、かくして閉ざさ

          『虎に翼』第40回 一生懸命頑張るトラちゃんが見たい

          『虎に翼』第39回 隣を見れば戦友がいたとわかったのに

           昭和18年(1943年)、街から男が消えていく中、寅子の仕事はどんどん増えてゆきます。よねはそんな寅子に「お前は一人じゃない」と伝えようとするものの、寅子にどこまでそれが届いているのか。 同意を取らない、だが悪意もない男たちが 雲野の事務所に穂高がきています。穂高の口から寅子の妊娠のことが事務所に明かされています。よねは「は?」と驚いています。雲野はよねにすら話していなかったのかといい、岩居は子どもに何かあったらどうするのかと嗜めます。雲野と岩居は女性弁護士がくると決まっ

          『虎に翼』第39回 隣を見れば戦友がいたとわかったのに

          『虎に翼』第38回 一人? それともそうじゃない?

           昭和18年(1943年)6月5日に行われた山本五十六の国葬を伝えるラジオ放送があります。こうした歴史的な出来事により、時系列がわかるところが親切だと思えます。  この国威発揚の葬儀は、いわばサンクコスト効果を生み出します。要するに、立派な人物の犠牲を無駄にしないためにもこのまま進むと刷り込むわけです。 直道の出征  この場面では花江が悲痛な顔をしており、はるがそれに気付きます。ここで泣きだす妻と、それを抱きしめる母の姿から見えてくることがあります。  直道に赤紙が来たので

          『虎に翼』第38回 一人? それともそうじゃない?

          『虎に翼』第37回 孤軍奮闘

           昭和17年(1942年)、戦時色が強まってゆきます。  ここで小道具を見てしまいます。フォントが綺麗で、毛筆で描くのではなく、何らかのソフトを使っているのかとは思えますが、そうパッと見てわかるわけでもない。よい仕事です。旧字体だし、仮名遣いも面倒ですよね。  そんな中、寅子は浮かない顔をしています。満智にしてやられたことを引きずっているのでしょう。結構引きずる方なんですね。 直言の軍需工場は順調… 直言の工場は軍から仕事を受け、順調に稼働しています。笹山の寿司屋みたいに廃

          『虎に翼』第37回 孤軍奮闘

          『虎に翼』第36回 すべての女が常に善良なわけがない

           昭和16年(1941年)12月――日本は真珠湾を攻撃し、米英に対し開戦しました。  あの破滅への道のりが始まったのに、当時の日本には奇妙な楽観論が漂っていたのです。昭和17年(1942年)1月、直人と直治の兄弟は戦闘機の真似をして遊んでいます。ラジオからは日本軍連戦連勝とのニュースが流れています。 薄氷の上にある「順風満帆」 寅子と優三も新婚らしく、二人で出掛けているとか。行き先は穂高のもと、結婚の報告でした。穂高は喜びつつも、寅子はともかく、優三の印象はあまり残っていな

          『虎に翼』第36回 すべての女が常に善良なわけがない

          アイヌ差別は社会問題である

           ごく当たり前のことだけれども、言いたりないことはありません。こちらの記事が大変よくまとまっています。 【第168回】アイヌ民族差別の背景には何がある?|世の中ラボ|斎藤 美奈子|webちくま https://www.webchikuma.jp/articles/-/3507  もはや何も付け加えることはないほど秀逸です。    こうした分析では、『ゴールデンカムイ』のヒットが差別の背景として語られます。ファンが望むか、望まないか、そこはもう関係ない。切っても切り離せない

          アイヌ差別は社会問題である

          『水都百景録』を楽しもう 科挙ってそんなによいものなの?

           大河ドラマ『光る君へ』では、主人公のまひろ(紫式部)が科挙へのあこがれをうっとりと語ります。  科挙のある宋は素晴らしい――って、そんなにいいものなの? 時代による 中国では長い歴史の中、どうやって人材を登用するか、そこを悩んでおりました。  漢代は孝廉が制定されます。親孝行とか、儒教徳目で選ぶんです。でもぶっちゃけると、家柄やコネ。それとルッキズムよね。このころは見た目で露骨に優劣がつけられる。辛い!  で、そういうのどうよ? と疑念を呈したのが曹操です。「求賢令」を出

          『水都百景録』を楽しもう 科挙ってそんなによいものなの?

          『虎に翼』第35回 寅子の婚約、そして結婚

           寅子と優三は婚約したいと、直言とはるに申し出るのでした。 はて? 「普通の結婚」とは? 直言がてっきり、二人は思い合っていたのかと言います。下宿人と家主の娘という恋はあるあるです。直道も寅子がお見合いから逃げ出そうとした時、そういうことだろうと語っておりました。  それをキッパリと否定する寅子。直言は頭が追いついていません。うしろではるは黙っています。直言は知らないのでしょう。はるが家を飛び出し、社会的地位を得るために自分を選んだことを。ロマンチストですね。  寅子はあく

          『虎に翼』第35回 寅子の婚約、そして結婚

          『虎に翼』第34回 破れ鍋に綴じ蓋という手もあったか!

           よねと轟は、花岡を呼び出します。婚約者の奈津子がホテルで待っているとそっけない花岡。轟は寅子に対する仕打ちを問い詰めます。花岡は別に猪爪とは将来の約束をしていないとそっけない。それはそうなんですよ。  この理屈が一番通るのは、ある意味寅子のような気がする。寅子はハッキリ口に出して意図を説明するなり、なんなら書面にしないとわからないので。  よなはそうならない。「おい!」と声を荒げます。よほど落ち込んでいた寅子が応えたようです。作中随一現代人に近いのって、よねの気がします。視

          『虎に翼』第34回 破れ鍋に綴じ蓋という手もあったか!

          『虎に翼』第33回 既婚というステータスシンボル

           三国条約が結ばれたとラジオが告げ、新聞の見出しが大きく映し出されます。道ゆく子どもまで行進じみた歩き方をしているのでした。寅子の服装はさほど変わらないようで、通行人はモンペと国民服の割合が高まっています。 はて? 女の幸せとは? 花江の実家ではたらいていた稲があいさつに来ていました。時勢がら、田舎に戻るのだとか。花江が台所に立った隙に、稲は寅子が弁護士になったことを聞いてきます。褒めるどころか、稲は「全ては手に入らない」と言います。今抱えているものが女の幸せより大事なもの

          『虎に翼』第33回 既婚というステータスシンボル

          『虎に翼』第32回 これからの人生をともに過ごす相手とは

           変わらない日常のようで、子どもが無邪気に大人を撃つ遊びをしている。そんな猪爪家です。  花江は花岡が寅子と二人きり出会いたいと語ったことに反応して、勝手に笑っています。花江が何を着ているのかというと、寅子は仕事の後だからいつもと同じだと淡々という。花江はプロポーズされたらどうするかとはしゃぐ。この様子をはるが立ち聞きしている。花江はここで些細なことに気づく気の利いた殿方は一握りだといいます。そして直道が叫んでいる。  演出だし、これが直道の性格だし、そういうものなのだろうけ

          『虎に翼』第32回 これからの人生をともに過ごす相手とは