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地方議員の対話会で見た違和感

おはようございます。
今日は硬めのテーマです。

今年の人生初やりたいこと3つのひとつに
「政治家と話をしてみる」があり、少し前に区議会議員の報告会に参加してきました。

主催の区議の方は女性の新人議員。真っ当な感覚の方で、率直なご意見を聞けて良かったと思っています。この内容も別途記事にしたいと思います。

違和感を感じた参加者の意見

どうしても気に掛かる出来事があり、先にこちらを記事にすることにしました。

それは話題が保育園の配置基準になったときです。
私は実体験をお話しました。

・国が決めることだと分かっているが、保育園の配置基準を見直ししてほしい

・なぜなら離職率の高い私立保育園に子供を通わせたことがあったが、先生のピリピリ感が送迎時に伝わってくるし、突然の休職退職がしょっちゅうあった

・今通っている公立保育園は先生の余裕が段違いである。イライラしている先生がいない、離職も全然ない

・でもそれは私立保育園の先生が悪いのではなく、そうさせている環境があるのだと。
賃金向上も必要だが、配置基準の見直しによって先生方の負担も軽減するのではないか

こういう会に参加される方はみなさんしっかりとした考えがある方で真剣に聴いてくださいました。

認可保育園は自治体から補助金をもらっているはずだが、給料が少ない園は運営会社の中抜き分が多いのではないか

今は保育士の家賃補助制度があるけれど、いつまであるか分からないから保育士さんたちも不安だと思う

などと皆さんご意見を述べていました。

そこでひとりの参加者の方がこう言ったんです。

非正規雇用で来年どうなるか分かんないから辞めてしまうんだと。公立園は雇用が安定しているから余裕を持って働けるのだと

この発言に私が違和感を持った理由、みなさんは分かりますか?

答え

私の実体験として、
退職するのは正社員の職員が圧倒的に多かったからです。

非正規雇用の方は20代〜80近くのおばあちゃんまで多様な方が働いていましたが、あまり離職される方はいませんでした。それだけ正社員の保育士にかかる負担が大きかったのだと思います。

そして事実として、
保育士が売り手市場だからです。

こちらはこども家庭庁の資料ですが、有効求人倍率を見ても保育士は全職種の倍近くあります。

 保育士の有効求人倍率の推移(全国) 
こども家庭庁HPより

30代後半で保育士に転職した友人がいますが、以前内定辞退した保育運営会社からいまだにお誘いが来ると話していました。それほど保育士は人手不足なのです。

にも関わらず、非正規雇用に話をすり替えられることに違和感を感じたのです。

そして強まる違和感

別にそれだって個人の意見だから
保育園の実情を知らないから
仕方ないと思ったんです。

でもね、その方に帰りに呼び止められました。

「次の区議会議員に立候補したいと思っているので、学童についても聞かせてほしい」と。

児童館の廃止で困っていないか?
子育て広場は利用しているか?
学校の放課後居場所事業では異年齢交流をする機会がなくて困っていないか?

うちは児童館が近くにあり、学童も兼ねていますし、とても助かっているとお答えしました。

言いませんでしたが、
私の地元には立派な児童館なんてありませんでしたし
児童館がなくても異年齢交流はできます

実際に保育園でも小学校でも縦割り活動が行われていますし、児童館の廃止=異年齢交流がなくなることはあり得ません

学校は何のためにあるんでしょうか?
公園は?地域は?スポーツチームは?

ちょっとした会話のそぶりが「彼の正解」を裏付ける意見を集めているように感じてしまい、私はこの方を支援することはできないと思ってしまいました。

私の気付き

とはいえ、議員・候補者がすべての業界の実状を知っているわけではありません。

陳情に来る方にも偏りがあるでしょうし、一部の意見だけで「これが現状ならこう変えていかなきゃいけない」と思ってしまうのは無理はないかもしれません。

だからこそ

議員・候補者は
根拠となるデータを調べること
広く意見を聞くこと
そのために聴く努力を惜しまないこと
複数の視点から政策を考えること
が必要であり

国民は
政府・議員に意見を伝える努力を惜しまないこと
根拠となるデータを調べること
議員・候補者の話を聞くこと
選挙に行くこと

口を開けて待っているだけではいけないのだと気付かされました。

今日も素敵な一日をお過ごしください。

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