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おもち闘病記②入院〜治療開始

2021年8月18日(入院2日目)

入院前は朝4時に起きてミルクを飲んでいたおもち。早朝のミルクが習慣づいていたため、入院した翌日はその時間に目が覚め、そこから寝れなくなっていました。隣を見ると空っぽのベビーベッド。昨夜突如突きつけられた現実がまだ受け止められず、ふわふわしたままでした。

おもちが入院した病院は、この時点では13:00-17:00の間、両親のどちらか1名だけが1時間だけ面会できました。
面会に行くと、機嫌よくニコニコしていて安堵。この子はずっと「色が白くて可愛いね」と言われていたけど、色が白いのではなく貧血で青白かったのだと気付いたのはこの時です。明るいところでよく見ると、透けるような肌の白さが際立って見えました。
1時間の面会時間、何度も泣きそうになりながら抱きしめました。願わくば、そのまま連れて帰りたかった。

2021年8月20日(入院4日目)

入院するまで知らなかったのですが、病名が確定するまでその病気に対する治療はできません。ランゲルハンス細胞組織球症(以下、LCH)はCTやレントゲン、血液検査だけでは見つからない病気です。腫瘍や皮疹を切り取って採取し、顕微鏡で検査(以下、生検)することで病名を確定します。
入院4日目、今後確実にお薬を行き渡らせるために胸から中心静脈カテーテル(以下、CV)を挿入し、生検のためお腹の皮疹と右脇腹の腫瘍を採取しました。

2021年8月26日(入院10日目)

生検結果は1週間程度で分かると言われていた通り、この日に検査結果が出ました。結果、『LCH多臓器型リスク臓器なし』と病名確定。今後の治療方針が決まりました。

参照元:小児ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)に対するリスク別臨床研究(LCH-12)

生まれてから「何かおかしい」とずっと違和感を感じていたものの、かかりつけ医の「様子を見ましょう」という言葉を信じきっていた私。入院してから病名が確定するまで「私がちゃんと見ていれば、もっと早く見つけられたのではないか」と後悔の念に苛まされていました。そのことを告げると「LCHはとても見つかりにくい病気です。今回腫瘍が見つかったことで分かりましたが、恐らくこれが最速のタイミングです。」と言われ、随分救われました。
その上で「今後私たち親にできることは何ですか?」と質問したところ、「毎日お見舞いに来て、何かおかしいと思ったら伝えてください。親御さんの「何かおかしい」という違和感が我々主治医にとって、とても役立ちます」と言われました。
セカンドオピニオンについてもこのタイミングで質問しました。病院側の返答として、「セカンドオピニオンを求めることは歓迎する」一方、「セカンドオピニオンの結果が出るまでは治療に入れない」とデメリットも伝えていただけました。また、LCHは珍しい病気なので、発覚したら第一人者である塩田先生など有識者に連絡して治療方法(以下、プロトコル)を決めることになっています。セカンドオピニオンを求める先も同じ有識者の先生になるので、同じ治療方法を行うのに治療するまでに時間だけがかかる可能性があると教えてもらいました。
日に日に弱っていく姿を目の当たりにし、面会に行くだけで精神を削られていたこの頃。これ以上治療開始を遅らせたくないのと、セカンドオピニオンを求めても治療方法は変わらないことを踏まえ、我が家はそのまま治療に入ることを決断しました。

この頃には皮疹も酷く、酸素吸入しないと血中酸素濃度が低下していたおもち。

2021年8月30日(入院14日目)

LCHは発見までに時間がかかります。入院して2週間で治療に入れるのはかなり早い方だと、後に加入するLCH患者会の幹事の方に教えていただきました。
実はこの日に治療を開始する予定でした。
当日病院に行くと、主治医から治療の延期が伝えられます。当初治療に使う予定だったLCH-19(2019年に定められた最新の治療方法)の10kg未満の子ども向けプロトコルに誤植が見つかったためです。有識者の先生方の協議によりLCH-12(2012年に定められた治療方法)を採用することになり、治療開始は翌日に延期となりました。

続く

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