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文学フリマに行って、私の小説が入った本を買おう!

行ったことないからよく知らないんだけど、「文学フリマ東京」というイベントで、私も寄稿させていただいた本が販売されます!

場所:東京流通センター
日時:2024年5月19日(日)12:00〜17:00
出店名:ねぇ、ライナス
ブース:D-42(第一展示場)

スケジュール帳に加えよう。

本はこれ。「愛を間違わないように」

アンソロジーの主催者は、作家の常世田美穂さんで、

この方はね、ああ、これは私には書けないな、という優れた作品を書く方なのです。

とってもお洒落な出来栄え。あなたの本棚に加えよう!

今回はなにもかもお世話になってしまいました。私は小説を書くことしかしてない。カナダにまで本を送って頂き、丁度、私の誕生日に届きました。ありがとうございます!

私の作品は『ジェフ』というタイトルで、同じタイトルで掌編、短編、長編と、三つの小説を書いたけれども、内容は結構違う。ちょっとだけ御紹介。

ジェフ/千本松由季

 暗いのに急な階段で、僕はもう少しで首の骨を折るところだった。ダンジョンを手探りで進む。僕はなにを探しているのだろう。テーブルに置いてあった、白く光る骸骨の手に腕を掴まれた。僕は飛び上がる。
「ほんとに俺のこと全然知らないんだな」
 知らないといけないんですか。僕は済まなそうな顔をしてみせた。彼はそんなに長くもない自分の髪を何度も掻き上げる。芸能人みたいに。って、芸能人か。
「ですから僕は、クラシックが専門なので」
 彼は平然とスコッチの氷を長い指で掻き回す。それを何度もやる。氷がぶつかる音が、うるさい音楽に消える。これでは話ができない。海に浮いた氷山は、海面に見えてる部分より、海水に沈んでる部分の方が、ずっと大きい。
 それはアーネスト・ヘミングウェイの「氷山理論」によって証明されている。ほら、また彼は、とけていく氷を掻き回して、冷たくなった指を口に入れる。小説家は、氷山の浮いた部分だけ書けばいい、そうしたら読者は、氷山の全体を理解してくれる。要するに余計なことを書くなと、そういうことだろうけど、確かではない。
 身体中の骨が透けて見える。彼の細くて、薄白い骸骨。博物館に吊り下げられた彼の骸骨は、側を通る度に微かに揺れる。こんなに頑丈なガラスケースに入っているのに。博物館に積もった埃が吹き上がる。それで、その骸骨は、僕に向かって笑う。骸骨を下げるワイヤーは、一見そんなことをするには頼りなく見える。

続く

『ジェフ』

久し振りに読んだけど、私の書くものって、やっぱ変態臭い。もっと爽やかでイノセントな小説を書けないもんかな。……ま、無理だな。

関係ないけど、カバー写真は私が長年使っている皿洗いの洗剤で、減った時に、この色バッチリのものを探すのは、時として難しい。

『ジェフ』のモデルになった実在の連続殺人犯、ジェフだけど、美しい男を十七人だか殺害して解体して逮捕された。

変態小説も、中途半端に書くからいけないんだよね。私の理想は、クローネンバーグの『Crash』という映画で、

↑こんな感じ。フェチの話だけど、そのフェチは交通事故フェチで、交通事故を見るのも好きだけど、交通事故に遭うのも好きという変態。いい俳優さんがいっぱい出て来る。

それでなんか、いつか、六本木にある双極性障害のピアサポートの人とZoomで話をしていたら、彼は三日前に留置場から出て来たばかりだという。なにをしたんですか、と聞いたら、付き合っていた女の人に浮気され、LINEにぶっ殺してやるって書いたら、道を歩いていたら、大勢の御巡りさんに囲まれ、脅迫罪で逮捕されたらしい。

そしたら、色々話を聞いていたら、自分は地方に住んでいて、その女の人とは一度も会ったことがないという。会ったこともない人と付き合っていた、というのはどういうことなんですか、と聞いてみたら、由季さん、今時の大人のSEXはみんなLINEですよ、と言われた。

それっていい小説の題材になると思うんだよね。実際に会わないで付き合ってSEXする。ネットだと、かなり細かい種類のフェチの人と会うチャンスがあると思うんだよね。交通事故に遭うのが好きというフェチの人と出会えるチャンスもあるわけだと思う。

映画『ピンク・フラミンゴ』に、ニワトリフェチの人が出て来たね。最近なぜかそのことについて考える。

しかしそういう遠距離SEXばかりしていると、日本の少子化がますます悪化する。海外の人と遠距離SEXをして、飛行機で精子と卵子を送り合ったりするといいと思うんだよね。一度も会ったことのない子供に養育費を払う。

フェチとかって、別にSEX関係なくってもいいと思うんだよね。依存症。アルコール依存症とか。私はね最近はね、酷い不安障害がある。不安障害依存症。地獄だよね。

さっきね、常世田美穂さん経由で紹介していただいた、別のアンソロジーへ作品を送った。そのアンソロジーに入れてもらえるかどうかはまだ分からない。その作品が完成するまで不安で、さっき出したけど、不安感は少し消えた。無くなったわけではない。ちょびっと自信は回復したけど、作品に対して大して自信があるわけではない。

noterの菊地正夫さんに、また面白いエッセイを書いてください、とかいう優しい言葉を掛けていただいたけど、面白いエッセイってなんなのか分からなくなった。

面白くなくて御免ね。でも文フリ行って、「愛を間違わないように」という本を買おう! 数十冊しか作ってないらしいから、超貴重品。他にも天才的に素晴らしい作品も入っている。海月 Immortal Jellyfish/静 霧一、というもの。小説というのはこういうもの。ばっちり書けている。トートロジーが多くて有名な作品。小説を書いている人は絶対読むこと。この作者さんのことは知らないんだけど、確かnoteに書いている。

小説って、今、現在のこの瞬間に、書かなくてはいけないことを書かないと駄目で、その海月はまさにそういうタイミングの作品。今、書かなくてはいけない。

いつか、破滅派の人で、ナチかなんかがテーマだった時に、ボルタンスキーの特別展を観に行って、一緒に行った彼女は感動していたけど、自分は冷めていた、みたいな作品を書いた人がいて、凄いな、と思った。今、書かなくてはいけない小説。廻り廻って彼のお陰で私はYouTubeを始めたんだよね。

精子を飛行機で送って子供を作る。愛ってなんだろう、SEXってなんだろう、遺伝子ってなんだろう。AIの出て来る小説、みんないっぱい書いているけど、AIの映画や小説だったら、1960年くらいから流行り出して、キューブリックの『2001年宇宙の旅』なんか全くAIの話だよね。あれが1968年。

AIの話、いくら書いてもいいけど、絶対、今、でしか書けない、今、書かなくてはいけない作品にしよう。

面白いことに、この瞬間に必要な小説は、未来に遺る。漱石も太宰も三島由紀夫もその絶対の瞬間のことを書いたから、今でも遺っている。

じゃあ、私は最新作でなにを書いたかな? 天才科学者と、宇宙船と、鉱物に閉じ込められた男が、現在の銀座で出会う。その宇宙船は、ケンタウルス座α星に向かっており、到達までにあと8万年かかる。

その宇宙船は実在する。NASAが1977年に打ち上げた、ボイジャー1号だ。



YouTube「百年経っても読まれる小説の書き方」

73、小説に書いてはいけないこと。

167、純文学を手っ取り早くでっち上げる方法。

244、小説を一体なんだと思って書いているのか。

今週観られているのはこんな動画。


じゃあ。

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