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動くミニSL  丸瀬布いこいの森 雨宮21号

 厳しい冬ももうすぐ終わり、もうすぐ春になる。
 雪国の観光施設の多くは冬季閉鎖をしているが、4月になると順次オープンするようになる。
 今回はもうすぐ冬季閉鎖が解除されるSLの走行について取り上げる。


概要

 雨宮21号は東京の雨宮製作所で製造された蒸気機関車(以下SLと表記)である。この雨宮製作所は明治末期から昭和初期まで鉄道車両を製造しており、現在の神田付近にあった。
 このSLは丸瀬布の森林鉄道に所属し、木材の輸送を担ってきた。
 森林鉄道が廃止になった後は旧丸瀬布町(現在、丸瀬布は遠軽町)に譲渡され、いこいの森の中を走るSLとして活躍するようになった。
 森林鉄道で走っていたSLが動態保存(自力で走る状態)されているものは日本全国でここだけとなっている。

アクセス

 ※投稿日現在の情報です。近年、バスの減便・廃線が相次いでいるため、事前にバスの最新ダイヤを調べることをオススメします。
 
 公共交通機関を用いる場合、旭川駅から出る特急北大雪号に乗車をし、丸瀬布で下車。
 その後、マウレ山荘行きのバスに乗車し、いこいの森で下車。
 ※鉄道とマウレ山荘行きのバスは接続が悪いので、丸瀬布駅を使う場合は丸瀬布からいこいの森まではタクシー利用になるが、このあたりを走るタクシーは1台しかないため、事前に電話で予約をするのが無難である。

 レンタカーを使わない場合は帰りのバスの時刻は必ず確認をして絶対に乗り遅れないようにする。
 最終バスに乗り遅れるとこの場所から移動する手段はヒッチハイクのみになる。なお、最終バスは丸瀬布で札幌行きの高速バスに接続している。


魅力

 東京から丸瀬布いこいの森に行く場合、始発電車で移動して丸瀬布に13時前に着く。それくらい遠くて行きづらい場所にある。ゆえに交通費もかなりかかる。
 動いているSLを見るのであれば埼玉県を走る秩父鉄道、栃木県鬼怒川周辺を走る東武鉄道、茨城県を走る真岡鉄道等があり、これらの場所には東京から2時間あれば行くことができる。
 しかし、それを踏まえても丸瀬布のいこいの森に行く価値はある。

魅力その1 人が多くない

 前述した首都圏近郊で見ることができるSLは、アクセスが良好であるがゆえに人が集まりやすい。そのため、落ち着いてSLを楽しむのは難しい。
さらに、SLの座席指定券が完売し、乗れない場合もある。
 丸瀬布のいこいの森は混むことはほとんどなく、ゆったりとSLを楽しむことができる。
 

魅力その2 景色

 公園の中を走るだけとはいえ、ここは北海道。大自然の中をSLに乗りながら楽しむことができる。
 北海道の大自然の中を走るSLの写真は次のタイトルの「走行の様子」で紹介する。

魅力その3 希少性

 前述の通り、森林鉄道で走っていたSLで動態保存されている唯一の車両である。
 また、SLだけでなく牽引している客車も特殊で、1973年から1984年まであの西武鉄道で走っていたものを使っている。
 西武球場前と多摩湖を結ぶ西武山口線が今の新交通システムになる前はおとぎ電車という名前で走っており、遊園地のアトラクションのような乗り物を走らせていた。
 昭和の時代に関東の大手私鉄で走っていた客車が北海道の公園で走っている姿を見ることができる。


走行の様子

 園内でSLを走る姿を撮影できる箇所は多い。
 障害物や建物がほとんどないため、SLに近づくことはできるが、当然線路内は立入禁止である。
 低速とはいえ触車すると危険であるため、線路に近づきすぎないように気を付けたいところ。

森林鉄道らしく、林の中を走る姿を撮影。

橋を渡る手前で撮影

園内の信号は昔の腕木式信号機が使われている。
人力で信号の切り替えを行う。

本州では見られない、シラカバと撮影

編成全体を写す場合は大きくカーブする場所が狙い目。

SL名物、大量の煙を吐きながら進む姿を撮影
力強く走っていて、逞しさを感じる。


今回は13時前にいこいの森に着き、16:28の最終バスで戻るルートで行きました。3時間半程度の滞在でもかなり楽しめるのでオススメです。

最後までご覧いただきありがとうございました。
宣伝となりますが、こちらの記事もご覧いただけますと幸いです。

~終~


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