書いたはいいもののオチが弱いなとか途中まで書いて飽きちゃったなとか書きかけの日記とかを載せます。 あんまり更新がなくても怒らない人向け。
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後谷戸
短編ぐらいの小説です
小説じゃない文章
夏休み最後の一週間を繰り返し、そこから出ようともがく女の子の話です
同僚の住んでる家が事故物件だというので見にいった。 「ほら、このカーペット、ここだけ色違ってんだよ。絶対怪しいよ。ここで誰かが亡くなったのに違いないよ」と真面目な顔で怯える同僚。 不憫だなあ、と思っていると、どこからともなくひゅーどろどろという音がしたかと思うと、クローゼットががたんと開いて、 「こんにちは、お化けです」とお化けがでてきた。 「ほら出た!」と同僚。怯えて部屋の隅に飛び退いてぶるぶる震えだしたので、代わりにわたしが、 「あのぉ、こんなに怖がってる
恋人に振られたショックでなにも手につかない。ごはんを食べる気にもなれなくて毎日泣き暮らしていると、元恋人によく似た人がやってきて、 「こんにちは、あなたの恋人のコピーロボットです」という。 「わかんないわかんない。なに?」 「以下伝言です。『あなたはきっとわたしがいないとだめになってしまうだろうけれども、それはそれとしてわたしがあなたの世話をするのはもううんざりなので、代わりにコピーロボットを送ります』とのことです」 「えええそれは、倫理的になんか問題があるんじゃな
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友達は蝶の幼虫だったので、成虫になるためには蛹にならなくてはいけないらしかった。 「でも問題があってさ」と友達。 「いったん蛹になるとさ、体中全部溶けちゃうんだって。その時わたしの脳も溶けちゃって、覚えてることをみんな、忘れちゃうんじゃないかって」 友達は心配そうな顔をするのだ。 授業中、保健室に行くために教室を抜け出して、誰もいない体育館を覗いたときみたいな、そんなさみしい感情がわたしを襲ったので、 「じゃ、今日は思い出を作りに行こう」と友達を連れ出した。
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両親が亡くなったせいか最近ちょっと危ういな、と思っている友達をご飯に誘うと、 「もう生きてる理由とかあんまりなくなっちゃったんだよね~この世」と言うので、「こりゃ危うい!」ということで「まあまあキビナゴを食べなさい。酢味噌で」とキビナゴを食べさせる。 「親死ぬと、別にもう生きてなくてもいいな~っていう気がしてこない? 独り身だし」 「うっ。すごく直接的には答えづらい質問なので、なんというか、ごまかしてもいい?」 「いいよ」 「助かるわ~。じゃ唐揚げも食べなさい。マ
暖かい日が続いて、庭に作っている巨大な雪だるまが溶けてきたなあ、と見ていると、暮れ以来姿を見なかった恋人が雪だるまの中からでてきたではないか。 「そういえば暮れにかっとなって雪だるまの中に閉じこめてしまったのだけれども、そのことをすっかり忘れていたわ」 そろそろ許してあげてもいいだろうということで雪だるまを解体しようとすると、恋人はわたしを白い目で見てきて、 「ひと冬の間、この冷たい雪だるまの中で過ごさせるとは、なかなかやってくれるね」とかなりのご立腹だ。 この
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お化け屋敷で迷子になって仕方なくそこで暮らしていた。 「困ってるの?」ってお化けが聞いてくれる。うん。困ってるんだ。出口がわかんなくなっちゃって。でもいまさら別に出なくたっていいかな、という気もしているよ。 「どうして?」 外へ出ても、だれもわたしのことを必要とはしていないしね。わたしがいなくても仕事は進むし、そりゃ困ることは困るだろうけど、でもすっごく困るってほどじゃない。だれかがわたしのポジションに収まって、それでおしまいさ。 「ふうん。きみはお化けみたいな
両親が亡くなったせいか最近ちょっと危ういなと思っている友達をごはんに誘うと、 「もう生きてる理由とかあんまりなくなっちゃったんだよね」とのこと。こりゃ危うい、と思ったので「キビナゴでも食べなさい、酢味噌で」とキビナゴを注文。それからからあげも注文。 「マヨネーズで食べなさい」 「マヨネーズで?」 疑心暗鬼に陥る友達のからあげにマヨネーズの入った小皿を押しやってやる。 「からあげは『死』から一番遠い食べ物って気がしてるんだ」 「なんの話だ?」 「油っこいもん
2024/04/29 昨日は疲れて小説が書けなかったのででかい本屋に行くことにした。三時間は書けない。三時間も書いてしまうと疲れて次の日もうなにも書けなくなってしまうので、ニ時間に抑えておこうかなという反省を得た。 それはそれとしてでかい本屋。毎回でかい本屋に行きたくなったら池袋のジュンク堂に行っていたので、今日は別なところに行こうかなということで東京駅の丸善に行くことにする。 によると二位らしい。ちょっと前にもっと無尽蔵にでかい本屋があるんじゃないかと思ったけれども池
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ゾンビになりつつある友達が、「もう限界だからきみもゾンビになっちまったほうがいいよ」と言う。もうすぐバリケードが破られて、ゾンビが押し寄せてくるかもしれない、ということを踏まえているのだ。 「今ならぼくは優しく噛んでやれるぜ」 「噛まれるのに優しくも強くもないもんさ」 「あるよ」と友達。 「ゾンビだってやっぱり、優しく噛んでやりたいもんさ」 ある日ゾンビがやってきて、あっという間に囲まれてしまったのだ。逃げ出す暇もないままショッピングモールに追い詰められた。食
ゴールデンウィークが終わってしまったことを悲しんでいると、「ゴールデンウィークを伸ばせる能力の人」がやってきて、 「わたしにご依頼いただければ、ゴールデンウィークを伸ばせますよ」と言ってくる。 「どれくらいですか?」と尋ねると、その人はにっこりと笑って「いつまでも」と言った。 五月の太陽は幻のようだ。夏のように赫灼と照りつけるのではなく、春のように穏やかでもない。春の霞の中に消え入りそうな陽の下で、その人はうっすらとした笑みを浮かべている。 「でも、いつまでも伸
ゴールデンウィークなのでどこかへ連れてってほしいと息子が言うけれども、 「いいかい息子よ。ゴールデンウィークはみんなが蝉の羽化するみたいに外へ出てきてどこも混雑しているのだ。家にいるか、近所をうろうろするのが一番だよ」 「うちぐらいだよどこにも行かないの。ばかにされちゃうよ友達から」 「うっ」 それで仕方ないので息子を行楽に連れて行くことにする。お母さんは今日は大学時代の友達と一緒にカラオケに行っているのでわたしがなんとかするしかないのだ。 「じゃ、近所の丘の