技術の雑談

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学び続けよう|元エンジニアの中学校技術教師|毎日、技術に関連した雑談を配信|自分の中学生時代を思い出すと、先生の授業は覚えていないが、雑談は覚えている。|0歳5歳の子育て中

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【技術科教師旅】岐阜かかみがはら航空宇宙博物館

岐阜県各務原に行ってきた。内陸で交通のべんがよいとはとても言えない場所にも関わらず、日本の航空機産業の原点がここにはあります。 “かかみがはら航空宇宙博物館” 飛行機の成り立ちから運転の仕方まで、飛行機関連のことを歴史も踏まえて学べる総合的な飛行機の博物館です。屋外のYS-11やP2Jなどの実機を4機も展示し、室内も各務原の歴史から飛燕、飛鳥に至るまでの過程をわかりやすく展示していて、大変勉強になりました。 博物館に入ると各務原での航空機産業の始まりとなった、記

    • 中世ヨーロッパ 銀のカトラリー

      現代社会において、銀は優れた導電率の高さから、電子・電気部品の分野や、殺菌・抗菌特性を利用した用途など身の回りにたくさん使われています。 また銀の性質として、自動車の排ガスや温泉地の硫化水素などと反応しやすく、表面に硫化銀を生成して黒ずんでしまいます。 中世ヨーロッパのカトラリーに銀食器が用いられていたのは、料理に硫黄化合物などの毒混入をいち早く察知することができるためと言われています。

      • 大阪関西万博はキャッシュレスのみ

        大阪関西万博のコンセプトは『未来社会の実験場』今回は会場では現金を使うことはできない。全面的なキャッシュレス決済になるようだ。 現在、日本で全面的なキャッシュレスを導入している主な施設は、楽天モバイルパークや東京ドームなどがありますが、現金支払いする人はまだ多い。(恥ずかしながら、私も現金メインです。) 合わせて、顔認証で決済できるシステムが導入され、事前に顔情報と決済方法を登録しておけば、対象店舗で顔認証を行うだけでスマホやカードを使用せずに手ぶらで決済することができる

        • 金属の“硬さ”とは!?

          だれもが身近に使っている金属の重要な品質項目として“硬さ”が挙げられます。しかし、“硬さ”とはそもそも何か、数百年前から大勢の研究者や技術者が、試験方法や試験機を工夫し、硬さを定義して、膨大な“自分流の試験”を行なってきましたが、統一の定義はいまだ存在していないようです。 みなさんなら、金属の硬さをどのように測りますか?金属の硬さの試験方法のうち、客観的に数値化しやすく、扱いやすいものが現在も取り入れられています。 (計測例1)計測機を押し込み、その凹み具合で判断 (計測

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          ドラレコ情報を消防と共有

          三井住友海上火災保険とトヨタ自動車は、交通事故や火災現場の画像を消防当局と共有する仕組みをつくる。 ドライブレコーダーを使って、現場近くを走行する車両が撮った画像を活用する。 たとえば住宅火災が起きたと119番通報がああった場合、消防のオペレーターが発生場所を特定し、現場付近を走行する車を専用端末で選ぶと、車のドライブレコーダーが撮影した静止画像がその場で共有される。画像から被害状況を把握し、必要な消防車の台数や機材を判断できる。消防が迅速に現場の状況を把握し、救急救命活

          ドラレコ情報を消防と共有

          ニジマスからサケ

          東京海洋大学の吉崎悟朗教授の研究チームは、サケの卵や精子をニジマスにつくらせる技術を開発した。 サケの仲間であるキングサーモンは成魚になると、海から生まれ育った河川などに戻って産卵をする。性成熟には3〜7年ほどかかる。精子や卵は生涯で一度しかつくれず、産卵を終えると雌雄どちらも死ぬ。 対してサケ科のニジマスは毎年産卵できる能力を持つ。研究チームは遺伝子を改変できるゲノム編集技術で自らの生殖細胞を作らないニジマスの稚魚を作った。その稚魚にサケから精子や卵のもととなる「生殖幹

          ニジマスからサケ

          こうばの窓口

          「みどりの窓口」ならぬ「こうばの窓口」。上越新幹線の燕三条駅には、全国でここだけの窓口がある。売るのは切符ではなく、町工場の技術。ワーキングスペースとビジネスマッチングなどを目的とした新たな窓口だ。 燕市は洋食器、三条市は刃物で有名な金属加工の街。加工技術もひいでたものがある。しかし、工場の1つ1つが非常に小さいので、営業力がなく仕事を取ってこられない。そこで新幹線の改札を出たらすぐの場所に窓口をつくって、出張の行き帰りにふらっと立ち寄れる仕組みをつくった。 『参考資料』

          こうばの窓口

          樹木は強風から身を守るために

          釣竿の先端を曲げてみるととても簡単に曲がるが、元部付近はほとんど曲がらない。これと同じように、樹木の幹や枝は基本的に先が細く元部が太くなっている。もし、先端と元部が同じ太さの幹があったとすれば、“てこの原理”で根元に大きな曲げ応力が発生し、折れてしまうであろう。樹幹や枝の基本形が根元に近づくほど太くなる円錐形であるのは、曲げ応力を均等化させるのに役立っている。 さらに、根元は湾曲しながら拡大するナイロイド形になっており、より曲げ応力を小さくしている。

          樹木は強風から身を守るために

          車の塗装、フィルムを貼るだけで完成

          自動車の製造工程でCO2排出量の約20%をしめているのが、塗装工程だ。電気を流した塗料プールに部品をつけて、満遍なく塗料が付着するように電着塗装するなど、他にもキレイな仕上がりにするために多くの工程がある。 積水化学工業は、塗料をシート化し、塗装工程を通さず転写により塗装を実現する技術を開発した。塗料層は粘着性があり、粘着テープのように貼り付けることができる。 素人目線で言えば、iPhoneの保護フィルムのように、シートに空気が入らないように貼り付けるのは難しそうだ。

          車の塗装、フィルムを貼るだけで完成

          生きる化石 イチョウ

          『イチョウは広葉樹?針葉樹?』中学校の理科で学ぶ問題だ。イチョウの葉の形から、イチョウは広葉樹だと思われがちだが、実際はイチョウ属→イチョウ科→ イチョウ綱と大分類に至っても一種だけしか残っていない生きた化石植物といわれ、裸子植物で針葉樹の仲間です。 約1億5000年前の中生代ジュラ紀(巨大な恐竜が活動していた時代)から現在まで生き残っています。 材料としては柔らかめ。木肌が細やかで仕上がりがきれい、木目は目立たないなど、材も広葉樹に似た趣がある。太くなる木なので、大きめの

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          飛行機ジェットエンジンの進化

          飛行機のジェットエンジンの目的の一つは、機体の推進力を得ることです。 初期のエンジンはダグラスDC-8のように、エンジンの口径が小さく、少しの空気を速い速度で押し出すことで推進力を得ていました。 現代の旅客機のジェットエンジンはどうなっているかというと、口径が大きくなっています。たくさんの空気をゆっくり押し出す構造になっています。この方が、騒音も小さく、燃費も節約できます。 『参考資料』 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ダグラス_DC-

          飛行機ジェットエンジンの進化

          悪臭をかき消す

          香味醗酵は、足の裏のにおいなど悪臭を打ち消す技術を開発している。 悪臭と正反対の「におい」を出すことで悪臭を抑制する。正反対の音を出すことで雑音を打ち消す「ノイズキャンセリング」のイヤホンと同じような考えで、「スメルキャンセリング」と名付けている。 人間が「臭い」と感じるにおいは300種類あるという。人間の鼻の中で「におい分子」に反応する388個の細胞をガラスプレートの上に再現し、特定のにおいに対して、どの受容体がどれほどの強さで反応するのかといったデータを集めるている。

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          ポリウレタンを簡単リサイクル

          ポリウレタンは石油原料の材料で、ゴムのように伸びる性質を持っています。天然ゴムと違って染色も可能で、温度や湿度に強いため、車のシートや競技場の床、マットレス、枕、ラケット、建築用の断熱材といった非常に広い用途があります。リサイクルは困難で日本では焼却処分されています。 欧州ではリサイクルへの取り組みが始まっていますが、用いる薬剤が有毒で扱いにくい問題があります。 長崎大学の研究チームは、粉末状のポリウレタンに、水と炭酸を加えて、セ氏230度・約70気圧以上の圧力をかけると

          ポリウレタンを簡単リサイクル

          強風で街路樹はなぜ道路側に倒れる?

          強風で街路樹が倒れるというニュースがありました。自動車が潰されたり、時には死傷者が出ることもあります。街路樹が倒れる方向はおおむね道路側です。 街路樹は歩道と道路の間の狭い空間に植えられています。建物側からは太陽光が充分に当たらず、物理的にも邪魔になるので切られてしまいます。必然的に樹冠は真上ではなく道路側にずれます。 重心のずれた樹木はバランスをとろうと根を伸ばそうとしますが、日本の道路は、歩道側にガス管や水道管があり、定期的にメンテナンスで掘りおこされたりします。車道側

          強風で街路樹はなぜ道路側に倒れる?

          殺菌・防虫効果のあるクスノキ

          近くの公園の入り口には見事なクスノキがあります。樹高40mほどある巨木です。クスノキのもつ独特の香りには、抗菌・防虫作用があり樟脳(しょうのう)として天然の防虫剤として昔から使われていました。また、腐朽(ふきゅう)に対する抵抗性が高く、仏像彫刻の材料として使われてきました。 クスノキの面白い性質として、強風が吹き荒れた後クスノキの下には小枝がたくさん散乱しています。葉っぱのみが落ちるのが一般的な木ですが、クスノキは枝ごと折れます。 強風による“幹折れ”や“根返り”を防ぐた

          殺菌・防虫効果のあるクスノキ

          錆びた鉄塔、ガードレールを効率的にメンテナンス

          身近にある、橋梁、鉄塔、ガードレール等などの鋼材が錆びついているのを見かけたことがあると思います。これらは定期的に点検しメンテナンスしていく必要があります。現状どのように点検しているかと言うと、作業員が目視により設備の外観を点検しているため、腐食の深さなどの内部の状態までは分からない。作業時間もかかる上、曖昧な判断がなされることも多くあるだろう。 NTTは、デジタルカメラで撮影したインフラ設備の画像から自動的に鋼材の腐食を検出し、腐食の深さを推定する画像認識技術を確立した。

          錆びた鉄塔、ガードレールを効率的にメンテナンス