seiji_arita

Poetry does not die

seiji_arita

Poetry does not die

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

Seiji Arita HP

初期の頃からの過去作品を中心に 公開しております 見て頂けたら幸いです

    • 君に贈る詩 《詩》

      「君に贈る詩」 君は詩なんか読まない 僕の書いた文字は透き通っていて 君の瞳には映らない 窓からは低くたれこめた 暗い雲が見えた そうかもしれない  僕は口に出してそう言った 僕がペンを持った瞬間に 言葉は消えて無くなってしまう 詩を読む様に独り言を呟く 君は詩なんか読まない 静かに雨が降りはじめた Photo : Seiji Arita

      • 2024 第8病棟 《詩》

        「2024 第8病棟」 2024度目の世界に立ち尽くす僕は 瓦礫に巣を喰う黒鼠の夢を見る 神様どうか御加護を下さい  救いを下さいと囁きながら 其処に神が居るのなら祈るさ 迷える子羊を助けて下さいと 大地を引き裂いた断末魔  欲に駆られた灰色の背徳 燻んだ瞳で何を見る 誰一人として聞こうとはしない 隣の人の泣き叫ぶ声 知らぬが仏  馬鹿が原色を着飾り尻を振る 国際的な都市に流れる 優しさに溢れた 甘ったるいだけの歌に耳を塞ぐ スラムに響く銃声と散ら

        • 6•6•6 《詩》

          「6•6•6」 限りなく暴力的に 相手に対して報復を行う 其の周辺にある 立体を破壊して去って行く 隠語とスラングの類とか 口頭と字面の質差とか リアリズムはいつだって 見えない場所に隠される 僕の中の傲慢さと無神経さが 独立し機能し始める 其れはある種の権力に似ている 社会的権力を握る事が 何よりも大切であり全てであると 無意味な必然性が 読み捨てられた新聞の様に風に舞う 奴等が掲げた意志ある思想とは どれもが  あやふやで その場しのぎだ

        • 固定された記事

        Seiji Arita HP

        マガジン

        • 322本
        • 散文詩
          191本
        • 写真
          45本
        • 朗読
          51本
        • WORDS
          104本
        • 写真詩
          103本

        記事

          カティサークとXYZ 《詩》

          「カティサークとXYZ」 僕はある日  風の吹く丘の上で君と出逢った キラー通りの安ホテルの前には 朽ち果てた車が停めてある 古い時代のアルファロメオ 通りでは犬を喰らう国の人々が 鯨を殺すなと叫んでる ミートソースを口の回りに付けた 巻き毛の少女が ピストルズのレコードを 手に持ち僕の前を通り過ぎる シーバスリーガルとカティサーク ポケットの中のコイン 僕はカティサークを 手に取りレジに並んだ レジの女性は 僕には目を合わす事は無く お釣り

          カティサークとXYZ 《詩》

          一人称 《詩》

          「一人称」 私は…で始まる 一人称の文章を永遠と書いていると 何故だか警察の 取調べ室での調書みたいだと 妙な風景と其処にある 終わりの無い長い時間を思い出す 調書に文学性を 求められては居ないのはわかるが 書き上げた調書を読み上げるのを ただ退屈に聞かされる 絶望的に感情の欠落した事柄だけが 時間軸に従い記されている 其れを警察の上官に提出して 添削され赤字で修正及び追記項目を 記載されまた書き直す そして出来上がった調書を今度は 僕自身の字で清

          一人称 《詩》

          夏霞 《詩》

          「夏霞」 大義名分とか 不変の真理とか 価値観の錯乱とか 閉塞した状況にある抜け道だとか 浮浪者の様に貪り酒を煽り 深夜に台所のテーブルで 詩を書き続ける事だとか 赤子を抱いて 子守唄を歌う反社の女だとか 永遠に失い続ける宿命だとか 人生における 正常な軌道から ずれ始めた事だとか 確かあれは三日前  空から綺麗な星が落ちて来た その時 始めて知ったんだ 幻想に似た夏霞 あの時 全て受け入れたんだ 彼奴が姿を消した本当の理由を 優しさの中にある強

          夏霞 《詩》

          スカイツリーとウクレレ 《詩》

          「スカイツリーとウクレレ」 其の機能は全て  論理的で倫理的であり 其れに伴う取り扱い説明書と 保証書が添付されている スカイツリーはいつに無く 高くそびえ立ち 今もなお天高く  伸び続けている様に見えた 救世主教会の尖塔  頭頂部には其れが有り 地上の僕等を見下ろしている 街の路地裏は砂利で出来ており  草すら生えない荒地だった 其処には  無能、無知、馬鹿や偽善は 犯罪では無いと書かれた立札を見た 猫を連れた老人が路上で 反戦の詩を朗読して

          スカイツリーとウクレレ 《詩》

          有り余る余白 《詩》

          「有り余る余白」 不自然な程の有り余る余白 形容詞の選び方や句読点の打ち方が 何処か微妙に ずれた文体の中に僕は居る 世間とは外れた場所で 僕の中の何かが進行している 少数者の為にある様な文章を好んだ 其れを読む人間なんて ほとんど居ない 誰かが僕に占いを信じますか  そう聞いて来た 僕は即座に興味は無いとそう答えた 其処に並べられた  とりあえずの道具に 特別な価値と力が あるかの様に話は進んで行く 僕は周りに居る登場人物を 立体的に見通し観察

          有り余る余白 《詩》

          薔薇園 《写真》

          Photo : Seiji Arita

          薔薇園 《写真》

          悪魔と青く深い海のあいだで 《詩》

          「悪魔と青く深い海のあいだで」 その水は何処までも 透明で純粋だったんだ それを知る者は誰も居ない 灯りすらない夜の闇  誰かの足音 くだらない 辻褄合わせに僕等は泣いている 銃声の音が聴こえますか また大切な何かが失われて行く 知らぬ間に 目隠しをしていた愛の調べ 不釣り合いな恋に 傷付くのが怖かった 水平線の向こうには 花は咲いていますか 僕等の話を聞いてください 貴方は今でも其処に居てくれますか それとも去って行きますか 愛してると言って

          悪魔と青く深い海のあいだで 《詩》

          Good Luck 《詩》

          「Good Luck」 ソファーで猫が眠っている アメリカンショートヘア バルコニーから夜の海  その上に琥珀色の月が輝いて 僕はワインの瓶を静かに開ける  そんな風景を信号待ちの サイドミラーの中に描いて 素敵な夜を想像していた 信号は青に変わり 僕はアクセルを踏み込む 時事的で複雑な 定義に溢れた街を走り抜ける 思想性は何処にあるの  助手席の彼女はそう僕に聞く 多分そんなもの何処にも無いよ この街には そう笑って答えた 彼女が手に持っていた

          Good Luck 《詩》

          Re : seto cafe 《写真》

          Photo : Seiji Arita

          Re : seto cafe 《写真》

          ハイボール 《詩》

          「ハイボール」 小さいけれど確かな幸せって 人は見逃してしまう 夏の夕暮れの風が心地良かったり あの娘が笑いかけてくれたり 確か前に  私は不適切な人間だと  あの娘は話してた 其れは社会に対してであり  また自分自身の心に対して 上手くコントロール出来無いんだ  そう言って俯いた 居場所がわからないと だったら此処に居れば良い 此処が君の居場所であり 僕の居場所だよ そう言って笑った  僕は人格にしても何にしても  もともと沢山の 問題のある

          ハイボール 《詩》

          iroherb cafe 《写真》

          Photo : Seiji Arita

          iroherb cafe 《写真》

          善導 《詩》

          「善導」 其れは無意味で 硬直した幻想でしか無い 四方を囲む幻の壁  其の中で僕は 単純で一面的な 発想の微笑みを浮かべる 疑心暗鬼を押し殺して 口に出すべき 事柄で無いものの中に真実はある 非論理的で無意味な心の通わぬ善導  僕は今日も異論はありません  そう笑って答える 世界の認識なんて知らない  社会の秩序だってどうでもいい お前達の事だって興味は無い 僕は自分の事だけで精一杯なんだ そう心の中で叫び続けていた 細かな具体的な行動原則が

          善導 《詩》