野中 しおり(しおりん)

公立学校の英語教師を早期退職したあと大学院に進学し研究者の道に進みました。海外の教育に…

野中 しおり(しおりん)

公立学校の英語教師を早期退職したあと大学院に進学し研究者の道に進みました。海外の教育について研究しています。小学校から大学まで様々な場で教えた経験と各国での調査をもとに雑多な記事を書いています。

マガジン

  • 日常の小さな物語

    日々の生活の中で心に残った小さなできごとを綴っていきます。

  • 旅のスケッチ

    旅で出会った小さなエピソードを心象風景とともに紹介します

  • 放課後のメモリースケッチ

    教員時代に書いた学級通信をもとに実践を振り返りながら教育について考えています。

  • なんとなくモヤモヤ

    日常感じる小さな疑問、何となくモヤモヤすることを綴っています。

  • 遠い日の心象風景

    日々の中で遠い日の記憶がふと浮かんでくることがあります。時についっす実前のこともあります。そんな心象風景をとりとめもなく綴っています。

最近の記事

わさびは庭で育つかな?

信州安曇野の旅館で料理に添えられたわさびがとても美味しかったので家に持ちかえって冷蔵庫に入れて置いたら根っこが伸びてきました。もしかしたら育つかもしれないと思って試しに土に植えてみました。すると葉がどんどん伸びてくるではありませんか。 果たしてわさびは育つでしょうか? でも、庭がわさび畑になったらどうしよう!

    • 黄金の若大将

      湘南の茅ヶ崎市に俳優の加山雄三さんの銅像が建立されました。茅ヶ崎は彼が長年暮らした町です。銅像は市役所前の広場に設置され、4月11日に87歳の誕生日を迎えた加山さんも出席して除幕式が行われました。 像はスーツ姿の加山さんがエレキギターを手にポーズを取った姿で、高さは1メートル90センチあります。全体が金色に塗られ黄金に輝いています。 「若大将」の愛称で親しまれている加山さんですが、銅像はどちらかというと現在に近い感じです。

      • ヘアスタイルは何を表している?

        3歳の女の子が変わった髪形をしていました。何かの臓器に見えませんか? ヒント:彼女のママは循環器科の看護師さん

        • どんなかんじかなあ?

          中山千夏さんがこんな素敵な絵本を書いていたことを私は最近まで知りませんでした。和田誠さんの絵とのコラボレーションも素晴らしいです。 ひろくんという男の子がいろいろな友達の立場になって考えます。 目が見えないまりちゃん、耳が聞こえないさのくん、両親を亡くしたきみちゃん。それぞれの立場になって「どんなかんじかなあ?」って考えてみてわかったことがあります。それは。。。 最後にはっとさせられます。作者に「一本取られた!」という感じです。 障がいに関わらず相手のことを「どんなかん

        わさびは庭で育つかな?

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        • 日常の小さな物語
          166本
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          109本
        • 放課後のメモリースケッチ
          173本
        • なんとなくモヤモヤ
          58本
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          18本
        • ノスタルジック京都
          10本

        記事

          雨の日も風の日も彼は箒を持ち続けた

          正門前を毎日欠かさず掃除する校長がいました。生徒が登校する朝の時間帯に彼は正門の周辺を掃き掃除します。これを聞くと「何と立派な校長だろう」と思う人が多いと思います。でも教員たちの反応は一様に冷ややかでした。 彼は出勤するとすぐジャージに着替え、箒とちり取りを持って道路に出て行きます。「これから掃除をしますよ」という意気込みが感じられます。生徒が登校する少し前に始め、登校し終えると掃除を終えます。生徒たちは「おはようございます」と言って彼の脇を通り過ぎます。そのたびに校長は「

          雨の日も風の日も彼は箒を持ち続けた

          誤解を招いた側の責任は?

          「そのような意図はありませんでしたが誤解を招いたのであればお詫び申し上げたい」政治家がよく口にする言葉です。自分にはそのような意図はなかった、誤解した方が悪い、自分には責任がないと言っているように聞こえ、違和感を持つ人は少なくないと思います。私もその一人です。 人間関係に誤解はつきものです。自分の発言が意図したこととは異なる意味で受け止められ批判されるのは政治の世界だけではありません。日常生活でもよくあります。教員時代にこんなことがありました。 「私がそんなこと言うわけな

          誤解を招いた側の責任は?

          ニューカレドニアでカナク人と過した楽しい時間

          南太平洋にあるフランス領のニューカレドニアで大規模な暴動が起き、死者も出ています。フランス政府は現地に非常事態宣言を出し事態の鎮静化に努めていますが。 今回の暴動は、フランス政府がニューカレドニアの地方選挙でフランス系住民の投票権を拡大するために進めている憲法改正が発端になっており、先住民であるカナク(カナック)人を中心とするフランスからの独立を目指す人々の間で反発が広がったためだと見られています。カナク人はメラネシア系の先住民族でニューカレドニアの人口の45%を占めていま

          ニューカレドニアでカナク人と過した楽しい時間

          私の出版体験 2 

          前回の続きです。 プロモーションの大切さ 本は出版しても読まれなければ意味がありません。できるだけ多くの人に読んでもらうためにはプロモーションが必要です。プレスリリースや献本、SNSでの発信、さらに個人での「宣伝」も重要であると実感しました。 出版から数週たった頃、地元のタウン誌から連絡がありました。私のことをタウン誌に掲載したいので取材させてほしいというのです。プレスリリースの効果だと思います。取材など受けたことがなかったのでびっくりしましたがお受けしました。そして翌

          有料
          200

          私の出版体験 1

          個人的な体験ですが参考にしていただけることがあれば嬉しいです。 はじめに 2年ほど前に単行本を出版しました。自費出版です。それまでに共著を含め研究書は何冊か出していましたが、それらを手にする人は限られています。単著のものでも学位論文を書籍化したものだったので友人に「読んで」と言うのはためらわれました。興味を持たれないと思うからです。家族だってあまり興味を示しません。 だから多くの人に気軽に読んでもらえるような本の出版することは長年の私の夢でした。 その夢を実現するチャン

          3分という時間は・・・

          ぼくはカップ麺が好きだ。お湯を注いで3分待てば美味しいうどんやラーメンが食べられるなんてすごいと思う。たった3分だよ。考案した人を尊敬しちゃう。 ところで、麺が出来上がるまでの3分はすごく短い気がするけど、自分の思いを伝えるとしたらどうだろう。特につらい体験を伝えるには3分じゃ足りない気がする。 5月1日に熊本県で行われた水俣病の被害者団体と環境大臣との懇談会。患者団体の人たちが話している最中に時間になったからってマイクが切られちゃったみたいだけど、なんでそんなことしたん

          3分という時間は・・・

          今も世界のどこかで

          「ベトちゃんとドクちゃん」 下半身がつながった結合双生児として1981年にベトナムで生まれた兄弟です。ベトナム戦争中に米国が大量に使用した枯れ葉剤の影響が障害の原因と指摘されています。 1988年に日本赤十字社の支援などを受け2人はホーチミン市の「ツーズー病院」で分離手術を受けました。手術は成功しましたがベトさんはその後重い脳障害を抱え、2007年に亡くなりました。一方、ドクさんは高等職業学校を修了し、ツーズー産婦人科病院の職員となります。2006年に結婚し双子の男女を授か

          緊急対応にもお伺い?

          私が初任教員として赴任した学校の校長は何かにつけて教育委員会に「お伺い」を立てる人でした。相談があって校長室に行くと「委員会に聞いてみないとわからない」と言います。「あなた自身が判断できないのですか?」とつい聞きたくなりました。 校長の姿勢は教頭にも影響していました。ある日の放課後、学校に爆発物を仕掛けたという電話がありました。生徒は部活や委員会等でまだたくさん残っています。生徒をすぐに避難させなければなりません。職員室は大騒ぎになりました。校長が出張で不在だったので教頭が

          緊急対応にもお伺い?

          女性の活躍を阻むものは女性の中にもある

          30代のとき在外教育施設の派遣教員に応募しました。私はすでに結婚して子どもが2人いました。夫は高校の教師ですが、私が在外派遣に応募することには賛成していました。派遣者は家族同伴で赴任することが原則なので、配偶者は退職するか休職するかのいずれかを選ばなければなりませんでした。夫は休職に何のためらいもなく、私が赴任することになったら喜んで主夫をやると言っていました。 市の書類選考と面接を通過後、県の教育委員会で面接が行われました。面接官は3人おり、1人は女性でした。女性面接官が

          女性の活躍を阻むものは女性の中にもある

          親しみの行為がハラスメントになることだってある

          放課後の部活動が始まる時間でした。サーカー部の生徒が職員室に体育倉庫の鍵を取りに来ました。学校内のカギはすべて職員室のキーボックスに保管されており、生徒が取りに来たときは近くにいる教師が確認して渡すことになっています。「サッカー部ですが体育倉庫の鍵をお借りしに来ました」職員室の入り口で生徒はそう言いました。礼儀正しくてきちんとした態度です。 すると近くにいた教師がこう言いました。「おぅ、サッカー部か。よし、鍵がほしけりゃそこで一曲歌え」生徒はびっくりした様子でした。教師はに

          親しみの行為がハラスメントになることだってある

          教頭先生の「毛布作戦」が助けてくれた

          「子持ち様論争」がSNSを賑わせています。親がわが子の病気や学校行事などで仕事を休んだり早退することに対して子を持たない人からの不満が噴出し「論争」となってようです。私も仕事をしながら二人の子どもを育てましたが、仕事と育児の両立はやはり大変でした。特に子どもが病気したときは夫と私のどちらが仕事を休むかで言い争いになることもありました。そんな中で忘れられない出来事があります。 娘が小学校1年生の時でした。風邪をひいて熱もあったので学校を休ませました。でも教員の私は午前中にどう

          教頭先生の「毛布作戦」が助けてくれた

          授業は気軽に見せ合えるのがいい

          ある学校で授業を参観する機会がありました。中学校の英語の授業です。授業をするのは5年目の若い先生です。ふと、私が中学生だった時のことを思い出しました。 担任の先生が道徳の公開授業をやることになりました。当時は40代のベテラン男性教師です。県内の先生たちを集めて研究会を行うようでした。前日は教室を念入りに掃除し、掲示物もきちんと貼り直すなど生徒たちは準備に駆り出されました。生徒として私は何か特別なイベントが行われるような雰囲気を感じていました。 さらに公開授業の1週間前、担

          授業は気軽に見せ合えるのがいい