佐々田 法男

東京在住のビジネスマンです。30年ほど勤めたテレコム系会社を退職し、BPOビジネス会社…

佐々田 法男

東京在住のビジネスマンです。30年ほど勤めたテレコム系会社を退職し、BPOビジネス会社を経て現在はグループの電力関係の会社で働いています。他のBlog(https://blog.goo.ne.jp/sasada)で公開中の読書メモの転載の他、折々のトピックも書き留めています。

マガジン

  • OMOI-KOMI 我流の作法 -読書の覚え-

    私の読書の覚えとして、読後感や引用を書き留めたものです。

  • ひとつ覚えのススメ -Shopping-

    買物・外食等の覚えです

  • ひとつ覚えのススメ -考えるヒント-

    新聞や雑誌の記事を材料に、思い浮かんだことを書き留めています

  • ひとつ覚えのススメ -雑感徒然-

    ノンジャンルの雑感です

最近の記事

望まない孤独 (大空 幸星)

(注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  いつも聞いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の大空幸星さんがゲスト出演していて、自らの生い立ちやその体験を踏まえ立ち上げたNPO法人の活動の話をしていました。  まさに今日的なテーマでとても刺激を受けたので、その営みを記した本書を手に取ってみたというわけです。  印象に残ったエピソードやコメントのうちのいくつかを書き留めておきます。  まずは、論考を紹介する前に、大空さんが区分する2種類の「孤独」につ

    • 老年について (キケロー)

      (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  久しぶりにいわゆる “古典” と言われるものを読んでみたくなりました。  かといって、大著にトライする元気もないので、とにかく「薄めのもの」をと思い手にとったものです。  ちょっと前に読んだ五木寛之さんの「折れない言葉」という本の中で、この本の一節が紹介されていたんですね。  ご存じのとおり、著者のマルクス・トゥッリウス・キケロは共和政ローマ末期の政治家・文筆家・哲学者。  本書は、古代ローマの政治家・文人大カト

      • 徳川15代将軍 解体新書 (河合 敦)

        (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  いつも聞いているピーター・バラカンさんのpodcast番組に著者の河合敦さんがゲスト出演していて、その内容を紹介していました。  最近、以前教えられていた日本史の通説の見直しが話題になることが多く、そういった新たな史実を開陳している著作もよく見かけます。  本書はそこまでインパクトを追及したものではありませんが、対象を「歴代の徳川将軍」に絞り、その一人ひとりにつきかなり細かな話題にも入り込んで一覧にしたところに特徴

        • 生命知能と人工知能 AI時代の脳の使い方・育て方 (高橋 宏知)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  日本経済新聞の読書欄でサイエンスライターの竹内薫氏が紹介していたので手に取ってみました。  「生命知能」「人工知能」「意識システム」等の基礎知識を整理しつつ、意識を高め育てる高等教育のあり方等についても論じた本です。  私にはちょっと専門的過ぎて理解がついていかないところもかなりありましたが、興味深い指摘も数多くあったので、その中からいくつか書き留めておきます。  まずは、「生命知能」や「人工知能」の位置づけに

        望まない孤独 (大空 幸星)

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        記事

          リスクを生きる (内田 樹・岩田 健太郎)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。  内田樹さんの著作は今までも時折手にしていましたが、直近では「サル化する世界」以来になります。他方、岩田健太郎さんの著作はやはり新型コロナ関係になりますが「感染症は実在しない」を読んだぐらいです。  本書は、ちょっと気になるお二人の対談ということで手に取ってみたのですが、想像どおり興味深いやり取りや指摘がいくつもありました。  それらの中から順不同ですが、いくつ

          リスクを生きる (内田 樹・岩田 健太郎)

          紛争地のポートレート 「国境なき医師団」看護師が出会った人々 (白川 優子)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。) いつも聴いているピーター・バラカンさんのpodcast番組に著者の白川優子さんがゲスト出演していて、本書の紹介をしていました。  白川さんは現在「国境なき医師団(MSF)」日本事務局に採用担当として勤めていますが、18回の派遣経験を持つ看護師です。  以前、白川さんが著した「紛争地の看護師」を読んだのですが、そこで紹介されている紛争地の実態に大いに驚き感銘を受けました。  本書でも紛争現場の様々な立場の人々の素顔が

          紛争地のポートレート 「国境なき医師団」看護師が出会った人々 (白川 優子)

          教養としての「数学I・A」: 論理的思考力を最短で手に入れる (永野 裕之)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  いつもの図書館の新着本リストの中で目につきました。完全にタイトルに惹かれて手に取った本です。  私は「文系」でしたが、高校時代は結構数学が好きで、当時「大学への数学」という月刊誌を読んでは、その着想の奇抜さや解法のスマートさに感動していたものでした。  本書でもそのころの感覚に近いものが味わえるのではとの期待をもって読んでみました。  が、本書は、そういった “鮮やかな解法” の紹介というより、真正面から「数学Ⅰ

          教養としての「数学I・A」: 論理的思考力を最短で手に入れる (永野 裕之)

          失われたTOKIOを求めて (高橋 源一郎)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  いつも利用している図書館の新着本の棚で目についた本です。  高橋源一郎さんの思い出に紐付いた “東京のスポット” をテーマにしたエッセイ集。他の本を読む合間にパラパラとページをめくってみようと読み始めました。  今から15年以上前に読んだ中沢新一さんの「アースダイバー」での記述がところどころに引用されていましたが、確かに似たようなテイストも感じられる著作ですね。  本書で取り上げられた都内の9か所のうち7か所は

          失われたTOKIOを求めて (高橋 源一郎)

          幻の女〔新訳版〕 (ウイリアム・アイリッシュ)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  以前の会社で同僚だった方がSNSで紹介されていたので手に取ってみました。  ミステリー小説なので、感想はネタバレにならない程度に留めておきますが、冤罪を晴らすというゴールが明確で、ストーリー展開に変な小細工はありません。確かに読み応えのある作品でした。  読み終わってWikipediaで調べてみると、日本でも1962年を皮切りに、この作品を原作にしたテレビドラマが何本も作られているとのこと。主要な登場人物のキャラ

          幻の女〔新訳版〕 (ウイリアム・アイリッシュ)

          もういちど読む 山川世界史 PLUS アジア編 (木村 靖二 他)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。  私たちの年代の中には、「山川世界史」というと高校時代の教科書を思い出して、ピッとビットが立つ人が一定数いるだろうと思います。私もそのうちの一人です。  以前、似たようなコンセプトの本で「もういちど読む山川日本史」は読んだことがあります。  本書は「世界史」。まずは「アジア編」から早速読んでみました。  個々の史実の説明については置いておくとして、「歴史の捉え

          もういちど読む 山川世界史 PLUS アジア編 (木村 靖二 他)

          御堂筋殺人事件 (内田 康夫)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  この前内田康夫さんの「札幌殺人事件」「小樽殺人事件」と続けて読んだのですが、その流れで手に取りました。  ここ数年、新型コロナ禍で激減しましたが、それでも平均すれば今でも2・3カ月に1度は大阪出張があります。そういう関係でちょっと“御堂筋(大阪)” には縁を感じて読んでみた次第です。  ネタバレになるとまずいので、内容には触れませんが、この作品の導入部でも、馴染みの場所が登場しました。  この「全日空ホテル」と

          御堂筋殺人事件 (内田 康夫)

          折れない言葉 (五木 寛之)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。  五木寛之さんの著作は今までも何冊も読んでいます。ちょっと前にも「捨てない生きかた」を読みました。  五木さんの考える姿勢については、当然ですが著作ごとに大きく異なるはずもなく、それゆえ、同じころの作品ならばそれほど目新しい気づきがあるわけではないのですが、五木さんの新刊というだけでどうにも手が伸びてしまいます。  本書は、サンデー毎日に連載された「ボケない名言

          折れない言葉 (五木 寛之)

          駅前旅館 (井伏 鱒二) 

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  たまたまいつも行っている図書館の書棚で目につきました。  久しぶりに、誰でも知っているようなちょっと昔の有名作家の作品を読んでみようと思った次第です。  とはいえ、そういったジャンルの本はほとんど手に取ったことがなく、井伏鱒二さんといっても、はるか昔の教科書からの知識で、「山椒魚」が代表作だというぐらいしか分かっていません。  さてこの作品、昭和31年から1年間ほど「新潮」に連載されたものとのことですが、戦後、ち

          駅前旅館 (井伏 鱒二) 

          小樽殺人事件 (内田 康夫)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  ちょっと前、久しぶりに内田康夫さんの「札幌殺人事件」を読んだのですが、その流れで手に取ってみました。“北海道つながり” です。  今回の舞台である小樽は、私も何回となく訪問したことがあります。  最初は学生のころなのでもう40年以上前ですし、その後、会社の仕事でも何度も行きました。直近では、数年前にプライベートでも訪れています。北の街ならではの旅情が漂ういい街ですね。  浅見光彦が立ち寄った「北一硝子三号館」は、

          小樽殺人事件 (内田 康夫)

          生きがい (茂木 健一郎)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  いつも利用している図書館の新着本リストで目についた本です。  茂木健一郎さんの著作は以前結構読んでいたのですが、このところちょっとご無沙汰でした。  本書は、海外に向け英語で記されたものの翻訳版とのこと。そういった形態は新渡戸稲造の「武士道」を思い起こさせますが、イギリス留学の経験もある茂木さんが「生きがい」という概念をテーマにどんな立論を展開するのか興味を抱き、手に取ってみました。  茂木さんは「生きがい」と

          生きがい (茂木 健一郎)

          オリエント急行の殺人 (アガサ・クリスティー) 

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  ちょっと前に「ナイル殺人事件」という映画を観て、そのあと続いて「ナイルに死す」という原作も読んでみました。  意外だったのは、私の想像以上に原作に沿った映画づくりをしていたということです。  今回は同じことを「オリエント急行殺人事件」でも試してみることにしました。映画(1974年版)の方は以前何度も観ているので、謎解きの結末についてははっきりと記憶に残っています。  初めて原作を読んでの印象ですが、まず感じたのは

          オリエント急行の殺人 (アガサ・クリスティー)