宮嵜道男

東京練馬区在住、男性、NPO法人日本オーガニックコットン流通機構の顧問、趣味は読書、映…

宮嵜道男

東京練馬区在住、男性、NPO法人日本オーガニックコットン流通機構の顧問、趣味は読書、映画、著述、音楽(ラテン系で特にブラジルサンバ音楽が好み)

マガジン

  • 画と小話

    新聞各社には一面コラムと呼ばれる特別な囲み欄があります。 2,3分で読める500字前後の短文に日々の世相を反映させ、 時には落語の「お後がよろしいようで」とウイットで退くような かっこよさが信条です。 コラムを担当するのは大変な名誉なことですが、超人的な記憶力と 情報へのアクセス力とウイットのセンスが要求され、 毎日のことでストレス負荷は大きく精神を病んだり、 短命に終わるとかの噂があり、ある意味恐ろしいポジションと云えます。 そんなコラムに画像が添えられたら、もっと楽しめると思ってきました。 「画と小話(えとこばなし)」を始めた切っ掛けです。 写真を見つけて物語を綴る、物語にドンピシャな画像を付けて 編集すると別の趣きを醸し出します。 こんな、小話と画像の組み合わせの作品をこのマガジンに 収集してゆきたいと思います。 皆さん、奮ってご参加ください。

  • テイルホワイト

    テイルホワイトというタイトルは、TAIL is also WHITEを短縮して付けました。 森羅万象に目を向けて、心引かれる事象を出来るだけ広く感じ取って エッセーにまとめています。読み終わった時「へ~?」と発して貰うのが 無上の喜びです。

最近の記事

こんな日ってあるんだなあ

 5月の中頃だった。 晴天で少し暑いが時折やってくる風が心地よい。 引っ越しの片付けで大量に出てきたレコードの処分に頭を悩ませてきた。 ネットで買い取りの会社を探してみると世田谷のレコード買い取り店が 音楽ジャンルも幅広くとてもシステマチックにやっている会社のように 思えた。 更に今なら30%上乗せ買い取り期間中というキャッチフレーズに誘われて 決断した。 車に100点以上の古いレコードやCDを積み込み環状7号線を西に向かって 走り出した。 住まいの練馬から10km位の距離で

    • 究極のリラックスカラーは・・・

       NFLプロアメリカンフットボールのチームでは、 試合前に選手はレッドルームと呼ばれる赤一色の部屋に入り、 敵意を高揚させる怒鳴り声のシャワーを浴び、 鼻から蒸気を吹き出すような戦闘モードになって、 戦場であるフールドに駆り出されてゆくそうです。 この時の「赤」という色は、絶大な威力を発揮します。  スペインの闘牛でマタドールがひらめかす赤いマントは 当の牛には赤い色は識別できませんが 観客の興奮を呼び起こすには最高の道具立てと云えます。  では人間の眼が識別できる色の数

      • 平和な棲み分け理論

         中国は経済を伸ばし、軍備を拡大し、 領土、領海の拡大に熱心で、 四方八方に加圧の行動をしています。 中国沿岸の海洋侵出では、南沙諸島でフィリピンと、 沖縄尖閣列島では日本と摩擦を起こしています。 陸上の国境でも、中国軍はやはり膨張して、 インド軍がこれに対抗し、重苦しい緊張状態が 続いています。 そんな中、大分古い話ですが、 ちょっと心和むやりとりがありました。 2013年のインド、ヒンドゥスタン・タイムズ紙の 8月9日付の新聞記事が伝えています。 中国のパトロール

        • あちらを立てればこちらが立たない

          小ぶりの黒猫がやって来て庭で遊ぶようになった。 気持ちよさそうに日向ぼっこをしたり、つくばいの水を飲んだり、 サツキの小枝にじゃれついてネコパンチ。 脅かさないようにそっとガラス越しに見て楽しんでいた。 家内はどこで聞きつけてきたのか、 黒猫が居着くとその家の運気が上がると喜んだ。 黒猫が前を横切ると不吉という説が過ぎったが 口にするとそうなる気がして黙って家内の説に従った。 桜が咲き始めると毎年シジュウカラの夫婦がやって来て 石灯籠の中で産卵、子育て、巣立ちのドラマを

        こんな日ってあるんだなあ

        マガジン

        • 画と小話
          202本
        • テイルホワイト
          23本

        記事

          畏るべしモデル犬

           テレビのコマーシャルに出てくるタレントワンちゃんとなると、 とんでもないギャラを稼ぐそうです。 モデルのワンちゃんは、単に訓練された従順さという以上の プロ意識を感じさせる振る舞いがあるということです。 ペット用のオーガニックコットン製の衣料品メーカー・マザーズの 石塚社長は撮影現場に立ち会ってみて、そこらの落ち着きのない ワンちゃんとは全然違うと興奮気味に話してくれました。  写真を見ると、9匹のワンちゃんたちがベストポーズで一斉に カメラに目を向けています。 例えば9

          畏るべしモデル犬

          アメリカ アメリカ アメリカ

           60年も前の話で恐縮ですが、中学生の頃、アメリカの ポップス音楽に夢中でした。 今ではオールディーズというジャンルで懐かしくも少しカビ臭い ジャンルになっています。 当時テレビを付けるとアメリカのホームドラマが流れていて 夢のような豊かな暮らしぶりに憧れたものです。 学校に行けば給食はパンと脱脂粉乳で、後から聞くとアメリカの 洗脳作戦だったそう です。 家庭用品や電気製品や車のある理想的な生活を見せて、 将来の消費生活の価値観を植え付け、パン食に慣れさせて、 マクドナ

          アメリカ アメリカ アメリカ

          フランケンシュタイン・サイエンス

           近現代の最大の特徴は科学・サイエンスの長足の進歩でしょう。 その進歩が行き過ぎて、ひょっとすると人類に取り返しのつかない 害悪となるのではないかという怖れを持たざるを得ない時代に 私たちは 生きているのかもしれません。      未来の絵図はバラ色ではなく深刻な数々の脅威があって、 今日、只今から改善の行動を起こさないと間に合わないと 背中を押されているようで戸惑うばかりです。   こう書くと、シンギュラリティ・コンピュータサイエンス のことかと思われるかも知れま

          フランケンシュタイン・サイエンス

          指先の超精度

          家内が「日が落ちたら洗濯物、取り込んでね」と言い残して出掛けた。 午後から雲が出てきて湿気がちになったので、 早めにベランダに出て洗濯物を部屋に持ち込んだ。 案の定、触ってみるとまだ湿った感じがして、そのまま部屋に干した。 洗濯物に触った時、僅かな水分を指が感じる事って 凄いことだと改めて感動した。 熱い冷たい、堅い柔らかい、それからツルツル、ザラザラ、 ヌルヌル、フワフワの質感・・・ 更にそれを主観的な感覚として捉えることをクオリアと呼ぶらしい。 指先のセンサーから大脳

          指先の超精度

          名付けと量子論って似てないか

          「量子論」の何が凄いかというと、 人の意識が物理的に作用するという事と その量子の振る舞いは距離と時間を遙かに 超えてしまうということだ。 宇宙の果てまでの距離でも間髪を入れず伝わる。 この論の難解さは天下一品で、日常の感覚とかけ離れていて 取りあえず、次元が違うと納得するしかない。 テレビで一時期、手を触れずに念力で 目の前の鉄の棒を曲げてしまうなんていう 超能力の番組が流行ったことがある。 曲がれ!という強い思いで物理的な作用が起こる、 その不思議さに目を見張った。

          名付けと量子論って似てないか

          反出生主義という本音

          仏教は生きるということは、四苦八苦が当たり前だぞ!と、 はなから説いている。 その苦しみと苦しみのわずかな隙間で生きる楽しみが 見つかったらそれでいいんじゃないの・・・ということらしい。 2500年も前の叡智、同じ頃、古代ギリシャでも 人生は苦しいことばかりだから、生れてこない方が幸せだという 極端な言説があったようだ。 肉体を持ってしまったがために、衣食住の必要、愛情の必要、 病や死の不安、我欲との格闘などなど、 確かに傍目から見れば滑稽なほど、苦悩と闘っている。

          反出生主義という本音

          ハダカデバネズミ

          お風呂から上がって、裸のまま台所に行き 冷蔵庫から冷たい豆乳を出してグイッと飲んだ。 炊事をしていた家内が振り返って言った。 「ハダカデバネズミ」 なんのことか分からなかった。 裸でいることを咎められたのかと思った。 もう50年も一緒に居るのに今更裸でいることで とやかく言われなくても・・・。 飲み干したグラスをテーブルに起きながら 「なんだ、それ?」と訊くと、毛のないネズミのことだという。 先日テレビで紹介されていた異形のネズミの姿と似ているそうだ。 気になって早速ネッ

          ハダカデバネズミ

          人を導く12という数字

          12という数字を考えると不思議だなあと思う。 12は2で3で4で6でも割れる。 分けるのも並べるのもまとめるのも便利だ。 12進法でダースという単位が使われた。 月は満ち欠けを12回繰り返すので1年とした。 一日は24時間、午前12時間、午後12時間とした。 星座も12で展開してゆく。 子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥の十二支もある。 12年を5回繰り返すと60で、60歳の誕生日は 還暦といって特別に祝う。 赤い帽子とチャンチャンコを着て、赤ちゃんに戻って 次の60年に向かう

          人を導く12という数字

          僕は小心者なんです。

          男の子は勇敢でなければならないと思い込んでいた少年の頃、 友だちの前で高い塀から飛び降りて捻挫して病院通いしたり、 ドブ川を飛び越えるつもりがドボンと落ちて、 帰ったら母に臭い臭いと嫌がられたり、痛々しいほど自分が 小心者だと覚られないように虚勢を張って生きて来たことか。 初老になって、僕は小心者だとそっと家族に言ってみた。 特に反応がなかったところをみると周知の事実だったのだろう。 友人たちにも小心者だと打ち明けると、 そんなの分かっていたよとばかりに、聞き流された。

          僕は小心者なんです。

          へりくだりの美文化

          父が居た老人ホームに見舞いに行った時のこと、 ホールに車椅子の老人が沢山集まっていて、 これから慰問のハワイアンフラダンスが始まるところだった。 高齢のご婦人方が肌も露わなムームー姿で ニコニコと登場してズラリと並んだ。 気品を漂わせるリーダーがご挨拶。 その中にあった「お目汚しではございますが・・・」 という言葉に反応してしまって笑いを堪えるのに苦しんだ。 周りは誰も笑わず真剣に見上げている。 私が異常なのである。 一昔前の事、英語もおぼつかないのにアメリカに 家族で赴

          へりくだりの美文化

          引きこもり人の独白

          ●戸袋にピタッと収まる雨戸 ●毛皮を着たエスキモーの子供達がニコニコとこっちに来いと 手招きしているアンカレッジのおみやげ ●めかし込んでお出かけの妻の横顔 ●愛着があって新調できない使い込んだテニスラケット ●賞を取った息子のカワセミの油絵 ●雑然と本棚に並んだ愛読の本たち ●季節外れのサンタクロースがバンジョをかき鳴らす置物 ●浅草サンバカーニバルに出場した時の、ど派手な衣装 ●料理を作りながら鼻歌に体を揺する妻の後ろ姿 ●アメリカが製造していた頃のアンティークカメ

          引きこもり人の独白

          有効活用の妙

          小学1年生の女の子が新聞に投稿した一文に腹を抱えた。 「暴走族なんてただ走ってるんじゃなくて、 新聞でも配ったらどうなの」 元より新聞なんか読むこともないオニイちゃん達だろうけど これを見たら流石に恥じ入るだろうか、そんなことはないか。 フィットネスジムで、若者たちが運動装置に 向かって励んでいるが、 動作の一つ一つに発電機を付けたらどうなんだろう。 発電量はリアルタイムで表示されていたら、 さぞかし励みになるのではないか。 庭木の剪定の枝や雑草を燃えるゴミに出すとき

          有効活用の妙