(掌編小説)ごめんね、みいちゃん
心中相手を募って出会った2人。女は部屋に残した猫を気にかけて…
とにかく誰も知らない遠い所へ。かもめさんが運転する車は、私を乗せて北へ北へ走っていた。
心を削るだけだった会社は少し前に辞めた。薬は増えていく一方で、どんよりとした暗い闇は重くまとわりついたまま。
秋とはいえこの辺りはもう寒く、空はやたらと青かったけれど、車の中は色が消えたような会話が交わされるだけだった。
ネットの世界で仲の良い2人も、実際に会うのは初めて。会ってみたらかもめさんは案外普通のおじさん