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暑熱順化をすすめて、春を楽しむ

春が本格化し、むしろ暑いと感じる日が増えましたね。私は、正直言って暑さが苦手です。

春先の温かさですら、急すぎると身体がついていけません。春のデトックスと重なると、眠気がまさって何もできなくなるのです。趣味のランニングですら、すでに本調子ではありません。

私たちにできることは、ただ一つ。
暑熱順化を適切にすすめることです。

「暑熱順化」とは、身体の機能が暑さに適応することを言います。この慣れは、発汗量や皮膚血流量の変化、汗に含まれる塩分濃度の低下、心拍数の減少などを通して起こります。

環境省 熱中症予防情報サイトより抜粋

暑い環境に早く慣れると、熱中症の予防につながります。とはいえ、暑くて身体はバテ気味。暑熱順化には、時間がかかるのです。

こうした暑さに対する身体の適応は、気候の変化より遅れて起こります。

環境省 熱中症予防情報サイトより抜粋

暑さに慣れるのに、どの程度の日数が必要なのでしょうか。

暑熱順化は、体力レベルや発汗能力によって影響されますが、暑熱環境にされされて3日目から運動継続時間が改善します。
5〜6日目には、体温、快適感、相対的心拍数が改善するという実験データがあります。

環境省 夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン2020より抜粋


つまり、個人が暑さに慣れて上手に汗をかけるようになるまで、一週間要するのです。暑熱環境にさらされる最初の一週間は、無理をしないことが大切です。

一週間も待てない。そんなとき、何か対策はあるのでしょうか。汗をかく運動をすると、暑熱順化を早めてくれると言われています。体力がある人には、おすすめです。

日本の夏季と冬季に、暑熱順化の獲得状況を比べる実験を行ったところ、冬季は夏季と比較して実験初日の発汗量がやや少なく、体温も大きく上昇していました。一方で、冬季では連日の運動に伴い徐々に暑熱順化が獲得されました。

環境省 夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン2020より抜粋

汗ばむ程度の早歩きでも、効果がありそうですね。いちばん大切なことは、変化した環境に身体を少しずつ慣らすことです。


暑さだけではなく、進学・就職などて大きく環境が変わった人に対しても、同じことが言えると思います。

環境が変わったのなら、無理は禁物。自分の本領が発揮できないと感じられても、あせる必要はたりません。今はまだ、環境に適応する準備期間だと考えて良いと思います。

人間の身体は、四季の変化に適応できるようになっています。そう思うと、人の身体も心も同じだと思います。この時期に、パフォーマンスが上がらないからと言って、あせる必要はありません。

せっかくの春の訪れです。新しい気候や新しい環境に身体を慣らすことを最優先にしてみてはいかがでしょうか。

新緑や澄み切った青空を楽しみに、適応するまでの期間をのんびり過ごすことをおすすめしたいと思います。

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