兼業小説家志望(仮題)3 コラボ小説
「伊香田本部長、通電です」
女性のオペレーターは、受話器を置いて後ろにいる男に向いて言った。
前かがみに椅子に座る本部長と呼ばれる男はオペレーターの声に目をやり、無言でうなずくと、近くにある黒い受信機を取った。
「…はい、はい」と何度か、相手に応答をして、黒い受信機を置いた。
「大臣か?何事かね?」
少し白髪の混じった細身の中年男性は背筋をピンと立て、後ろに手を組みながら、背後から現れた。そして、伊香田本部長と呼ばれる男に問いかけた。
「機密が漏れているとのお叱りだ」
伊