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様々な人と一緒に学ぶには

これは以前SNSに投稿したものです。
一部書き直しブログにしてみました。


中学の時、クラスメイトに知的障害のある子がいたんです。z君としましょうか。

z君はしゃべることができません。
ですが表現することはできました。
彼は機嫌が良くなると手を叩き首を振って嬉しそうに喜びます。特に嬉しい時は飛び跳ねながらやります。
そして機嫌が悪くなったり不安に駆られるとちょっと乱暴になります。z君は大きな体格をしていたので、もしそうなった時に彼を抑えるのはとても大変なことでした。
でも彼はこちらが言うことは理解できるようでした。落ち着いて伝えればこちらの考えや気持ちは伝わります。
そして授業中も大人しく静かに座っていることが出来ました。

今になって思うんです。
きっと親御さんは出来るだけみんなと一緒に過ごさせてあげたいと願っていたからこそ、彼は僕らと同じ環境で過ごすことができたんだと。

そして、彼のそばにはよくスミさんがいました。
スミさんはよく彼のそばにいて、明るくz君をリードしていましたし、いい聴き役にもなっていました。そして彼はz君の機嫌が悪くなった時やz君が暴れそうになるのを真っ先に文字通り身体を張って止めに入り宥めていました。z君が表現し切れない不安や不機嫌は繰り返し聴きつつどうにか受け止めようとみんな自然と心がけてはいましたが、笑いながらなんでも受け止めていくスミさんが一番上手でした。結局誰もz君が癇癪を起こす訳を理解できなかったなんてことも多々ありましたが、最後はスミさんの顔でz君が飲み込むことが多かったように思います。
僕にはスミさんのやっていることを実践することが全くできませんでした。どうしたらいいんだろう?となるばかり。ある日突然その構図に気付き、以降「スミさん、実はめちゃくちゃすごくない?」と思ったものです。

こんなことをツラツラ書き出したのは、こんな記事を目にしたからでした。

どうすれば分離せずに済むのか。
僕はその専門でもないですし、障害も多様でしょうから、どうすればいいのか全く想像ができません。
ただ、成功の一例をそばで見た物として思うのは、Z君のような子がみんなと同じ環境で過ごすためには、仕組みだけでは足りず、スミさんのような仲間がいるという属人的な面にも頼らなければ難しいのではないか、ということです。
そんな属人的な環境をどう育めばいいのか。。
この課題に向き合ってる方々には頭の下がる思いです。

中学卒業後、z君には1度だけ会うことが出来ました。成人式の時です。
その時、z君の隣には変わらず明るいスミさんの姿がありました。

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