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~闘争する音楽家達~vol.1 inochiインタビュー

来たる12月22日、仙台で活動するバンドinochiのアルバム「闘争」リリースツアーライブの山形編が、山形駅西にあるレコード屋RAF-RECにて執り行われます。それに先駆けて、「闘争する音楽家達」と銘打った特集をお届けしたいと思います。初回はそのinochiのバンドリーダーであり、同じく仙台で活動するバンドyumboのギターも担当していらっしゃる皆木氏にメールインタビューを行いました。バンドの結成からルーツ、アルバムの事やツアーで一緒に回るんミィバンドのこと、最近聴いている音楽などを答えてもらっています。彼等は何処から来て、何処へ向かうのか? 旅路の果て、山形にて彼等の意思をあなたにも目撃してもらいたいです。

まず、メンバー紹介をお願いします。

皆木大知(gt、vo、作詞、作曲)、佐藤ゆか(cl、glo、pf)、石塚博基(ba)、鈴木弘朗(dr、per)、橋本詩苑(vn、glo)、相原洋(tb)の6人がinochiのメンバーです。
今はドラムの鈴木が仕事で海外にいるので、12月22日当日は猿田芳規さんにサポートでドラムを演奏してもらいます。

・バンドの結成に至ったきっかけや、バンドのルーツ的な音楽があれば教えてください。

inochiの元になるバンドは2015年12月30日に最初で最後の演奏を行った「心の友」というバンドです。このバンドはプログレッシブ・ロック、ジャズ・ロック、チェンバー・ロックのゴリゴリな世界を可愛く、やさしく、情けなく、剽軽に演奏したら面白いのではないか、という考えで始めました。
その時は他のバンドを一緒にやっていた佐藤ゆか、石塚博基をまずメンバーに誘いました。唯一友人の中で車を持っていた鈴木弘朗に機材の運搬を頼むうちに、ドラムも叩いてもらうようになり鈴木もメンバーに。
その初ライブ後、このバンドは続けたいと感じた僕は自分の一人ユニットだった「inochi」をそのままバンド名として使い活動を続けました。
その後、当時知人の集まりでしかバイオリンを弾いていなかった橋本詩苑を鈴木に紹介してもらいバンドに加入してもらいました。
この5人のメンバーでファーストアルバム「眠る男」(2017年4月、ASC)、セカンドアルバム「闘争」(2018年9月、自主制作)を作りました。
映画の話をする友人であり、僕が参加するバンド、yumboにゲストで度々参加していた相原洋は2018年7月28日のライブからメンバーに加わりました。
心の友を始める時はキング・クリムゾン、ヘンリー・カウ、ユニヴェル・ゼロなどを参考にして曲を作っていましたが、ストラヴィンスキー、モリコーネ、伊福部昭など今は何でもその時面白いと思った曲を引用して曲を作っています。

・今年、アルバム「闘争」をリリースされましたが、アルバムのテーマなどがあれば教えてください。

テーマは特にないのですが、日々生活していて起こったことや感じたことを曲にしています。例えば「抵抗」は、夏になると僕の家に入ってくる沢山の虫を退治した思い出を曲にしました。

・アルバムのジャケットがとても素敵です。このジャケットに至った経緯を教えてください。

ジャケットの絵は東京で画家をしている堀田知聖が書いたものです。
以前、んミィとinochiのツーマンを仙台で行った時、フライヤーのデザインを彼に頼んだのですが、その時にドローイングを一通り見せてもらいました。とても面白い絵ばかりで、いつかinochiのアルバムを作ったら彼の絵を使いたいと考えるようになり、今年アルバム製作中に彼にデザインを頼んだら快諾してくれました。
ジャケット表紙の絵は大量のドローイングの中の一つで、裏面、盤面、ブックレット、帯の絵は今回のために描き下ろしてもらいました。

・皆木さんは映画がお好きのようですが、音楽に対する影響はありますでしょうか?

近頃、家では映画やテレビドラマを観るか、バンドの準備しかしてないので、音楽は移動中の車の中でしか聴いていないんです。普通にただ音楽を聴く時間より、映画中で流れる音楽を聴いている時間の方が長いと思います。なので、単純に映画というか劇中歌、劇伴音楽には影響を受けていると思います。
よく考えてみると、今まで意識してなかったのですが、映像とセットになって作品になるよう映画音楽に余白を作っておくように、ある意味言葉足らずな音楽が自分は好きなようです。

・曲作りはバンド内でどのようにして進められているのでしょうか?

作詞作曲はすべて僕が担当しています。
曲を作ったあと、ギターとベース、打ち込みだけで全員分のデモ音源を作り、楽譜を書きます。
しかし、それだけでは合奏した時に上手くいかないので、最後にバンド全員でアレンジを仕上げていきます。

・アルバムのリリースツアーが始まりますが、全公演一緒に回る、んミィバンドさんについて教えてください。

今回の東京、郡山、山形のツアーはinochiのアルバム「闘争」のレコ発と銘打っていますが、ほぼライフワーク的に行なっているんミィとinochiの合同ライブの延長にあります。
去年は9月に仙台で荒川淳を迎え、今年2月には東京でにゃにゃんがプーを迎えてライブを行いました。
んミィに出会ったのはまだ彼が仙台に住んでいた6、7年ぐらい前のことです。その頃はお互いに今とは全く違う音楽をやっていました。知り合ってから何度も一緒にライブをして、何度も一緒に遊んでいます(この前は遊園地に行きました)。
んミィバンドの演奏は見ていると応援したくなります。決して存在するはずのない楽園を目指す旅行団のようです。
ボサノヴァ調のお洒落なコードに、ゆったりと心地よく揺らぐ拍子。しかし、歌声は悲しく、何かを叫んでいるようでもあります。
「楽譜通りに演奏すること」は、「楽譜に書かれていること以外を演奏しないこと」になります。そうならないよう彼らは細かな努力を怠りません。

・最近のお気に入りのアーティストや作品を教えてください。

この前のinochiのツアーではmary halvorson、the magnetic fieldsのアルバムをひたすら聴いていた気がします。
最近通勤中はエチオピア音楽のコンピレーション「ethiopiques」シリーズをヘビロテ中。特にvol.5が好きです。

・最近あった嬉しかったことを教えてください。

コスミック出版のおかげでブレッソンの映画が格安で三本も観れたことです!

-inochi‐
2015年、仙台で結成。チェンバー・ポップ・バンド。
2017年に郡山のレーベルASCからファースト・アルバム「眠る男」、2018年に自主制作でセカンド・アルバム「闘争」発表。

-EVENT INFO-
「だから、遊ぼ」

日時
2018年12月22日(土)
17時~21時

場所
Used Cd / Record & Cafe【RAF-REC】
〒990-0828
山形県山形市双葉町2-1-1-1F
tel/fax 023-645-5565
(山形駅西口より徒歩5分)

料金
予約 ¥1,500
当日 ¥2,000
+1ドリンク¥500

ライブ
mmm
inochi
んミィバンド
DJ
かれーらいす
hara-pon

予約、お問い合わせ
鈴木
giftwillsuddenly@gmail.com
RAF-REC
023-645-5565
info@rankandfilerec.com

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