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アメリカン・ミュージック・ヒストリー第8章(1970年代全般・・・その3)
(3) ブリティッシュハード&プログレッシヴ・ロック
この時代、リアルな体験者としての感覚では、ブリティッシュハード&プログレッシヴ・ロックの人気が高く、この辺を聴いてないと学校の音楽仲間と話ができなかったですね。
ハード・ロックと言えば、何と言ってもレッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、ブラック・サバスが三大ハード・ロックバンドと呼ばれていました。私自身もレッド・ツェッペリンの「Ⅰ~Ⅳ」、ディープ・パープルの「イン・ロック、ファイアーボール、マシンヘッド、ライヴ・イン・ジャパン、紫の炎」ブラック・サバスは、私の周りでは、ヒットした「パラノイド」より、何故か3枚目の「マスター・オブ・リアリティ」の人気が高かったですね。
他には、「対自核」が流行った、ユーライア・ヒープ、テン・イヤーズ・アフター、フリー、ウィッシュボーン・アッシュ、ベック・ボガード&アピス、そして60年代には、ビートルズ、ローリング・ストーンズと共にイギリス3大ロック・バンドと言われたザ・フーは、70年代には、ハードロックバンドとして「サナータイム・ブルース、シーミー・フィル・ミー、無法の世界」のシングルヒットや「トミー、フーズ・ネクスト、四重人格」等の話題作をリリースしました。
個人的趣味としては、ハード・ロックと言うと甲高いヴォーカルが主流の中、ポール・ロジャースとポール・コゾフの心に沁みいるようなヴォーカルとギターがグッとくるフリーは、どのアルバムも好きですが、特に「フリー・ライブ」は、今だ特別な1枚です。
同じライヴアルバムと言えば、ウィッシュボーン・アッシュ(ハード・ロック界のヴェンチャーズと言う人もいて好みが分かれるところですが)の「ライヴ・デイト」やディープ・パープルの「ライヴ・イン・ジャパン」等、ライヴの名盤も目立ちました。
ただ、こうして書いているものの、ハードロックバンドの定義は、諸説あり(例えば、ブラック・サバスは、ヘヴィメタの元祖だとの説もあるし)、楽曲としては、ビートルズのレボリューションやヘルター・スケルター等が、最初のハード・ロックだとも言われているようですね。
但し、個人的にジス・イズ・ハードロックと言える曲を1曲挙げるとしたら、今でもレッド・ツェッペリンの「胸いっぱいの愛を」が、すぐに頭に浮かんできます。他にもディープ・パープルの「ハイウェイスター」やイギリスNO.1ヒットとなったブラック・サバスの「パラノイド」やフリーの「オールライト・ナウ」、そしてオランダのバンドですが、フォーカスの「悪魔の呪文」等も忘れられません。
一方、プログレッシヴ・ロックと言えば、キング・クリムゾン、ピンク・フロイド、エマーソン・レイク&パーマー、イエス、ジェネシス、ソフト・マシーン、ムーディ・ブルース、ジェスロ・タル、オランダのフォーカス等で、どうしてもブリティッシュ&ヨーロッパ勢の人気が高かったですね。
プログレッシヴ・ロックは、1曲単位よりアルバム単位での評価が大きくものを言いますが、代表的なアルバムとしては、「キング・クリムゾンの宮殿(厳密には1969年暮れですが)、太陽と戦慄、レッド」、ピンク・フロイドの「原子心母」や驚異的なヒットとなった「狂気」、人気面では一番だった、エマーソン、レイク&パーマーの「タルカス、展覧会の絵、恐怖の頭脳改革」、イエスの「こわれもの、危機」等で、ブリティッシュ・ハードロックと共に、特に日本での人気が凄かったので、この頃の音楽月刊誌の「ミュージック・マガジン」の楽器別人気投票では、圧倒的にイギリスのミュージシャンが上位を占めていました。
*グラム・ロック
70年代に入ったイギリスでは、デヴィッド・ボウイ、T・レックス、モット・ザ・フープル、ロキシー・ミュージック、アメリカでは、アリス・クーパーが煌びやかなファッションや濃いメイクを施したグラム・ロックが流行しました。マーク・ボランの死もあり、流行は短かったものの強烈なインパクトを残し、ニューヨーク・ドールズ、ルー・リード、イギー・ポップ等へも影響を与えました。
(4) アメリカンハード&ブラス・ロック
アメリカのハード・ロックと言うと、マウンテン、グランド・ファンク・レイルロード、渋いところでは、キャプテン・ビヨンド辺りが何とか頑張っていましたが、むしろアメリカでは、アル・クーパーが仕掛け人となったブラッド・スウェット&ティアーズ、それに続いたシカゴ、アイズ・オブ・マーチ、チェイス、タワー・オブ・パワー等のブラス・ロックが活況を呈しました。
グランド・ファンク・レイルロードは、日本公演での嵐の後楽園球場ライヴが伝説化していて、この頃は「ハート・ブレイカー、孤独の叫び、アー・ユー・レディ」、70年代半ばになると、ポップス色を強め「アメリカン・バンド、ロコモーション、バッドタイム」等のヒット曲も有名ですね。そういう意味も含め個人的には、アメリカンハード・ロックの代表バンドは、マウンテンでは、ないかとも思います。巨漢ギタリストのレスリー・ウェスト(ギターがウクレレみたいに見えましたが)とベースのフェリックス・パパラルディの重たい音とリズム「ミシシッピイ・クイーン、ベートーベンをぶっとばせ」等は、ハード・ロックと言うよりヘヴィー・ロックと呼んだ方がふさわしかった気がします。
一方ブラス・ロックは、ジャズ要素が強く黒っぽいヴォーカルが印象的で名曲「スピニング・ホィール」も有名なブラッド・スウェット&ティアーズ、デビューから3作連続で2枚組スタジオアルバムを発表し、2枚目からは「長い夜」の大ヒットシングルも生んだシカゴ(私もリアルタイムでシングル盤を購入した覚えがあります)、そして「ビークル」のアイズ・オブ・マーチや「黒い炎」が大ヒットしたチェイス等、懐かしいですね。付け加えると、シカゴは、80年代には、AORグループとして大ヒットを連発し、まるで別のグループのように変身を遂げました。
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