![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/74519035/rectangle_large_type_2_e8b5481bbba49ae3f092f260b3b1a4b5.jpg?width=800)
アメリカン・ミュージック・ヒストリー第5章(1940年代後半~50年代中頃まで・・・その2)
*シカゴブルース黄金時代
戦前からシティブルースが盛んだったシカゴで、1940年代後半から50年代にかけて大きな変革が起こりました。ミッシシッピーを中心とした南部から北部の工業都市に仕事を求め黒人たちが大挙移住してきたことで先祖返りのような南部な感覚(ダウンホーム感覚)が色濃いブルースが復活していったようです。
戦後最大のシカゴブルース推進者の「マディ・ウォーターズ」はエレキギターによる南部出身者の心情に訴えるブルースを展開し、50年代には優秀なブルースマン(ハーピストのリトル・ウォーター等)を集めバンドサウンドを確立させ全国ヒット「フーチー・クーチー・マン」を生み出しました。その他にもメンフィスのハウリン・ウルフ、アーカンソーのサニー・ボーイ・ウイリアムソン等もシカゴで録音する等、シカゴブルース黄金時代が到来しました。
*モダンジャズの時代(踊るジャズから聴くジャズへ)
ジャズ誕生からおよそ半世紀がたった1940年代初期、白人スウィング時代の反動ともいえる、チャーリー・パーカー(この人もカンザス出身)、ディジー・ガレスピー、セロニアス・モンク、バド・パウウェル、ドラムのケニー・クラーク、チャーリー・クリスチャン、若きマイルス・デイビスらによって「ビバップ革命」が起こります。身体が動き出すスウィングから頭で理解するような、とっつき難いアドリヴ重視の演奏、言い換えれば、わからない人には分かってもらわなくて良い芸術性の高いジャズの時代に入っていきます。その後、マイルスは白人ジャズメンと共に、クールジャズを生み出し、白人ミュージシャンが活躍するウェストコースト・ジャズの大流行へと繋がっていきます。
一方で、50年代以降イーストコーストを中心にアートブレイキー、ソニー・ロリンズ、クリフォード・ブラウン、マイルス・デイビス、そしてジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンス等によりハードバップ~モードジャズが誕生し、モダンジャズ時代の絶頂期を迎えることになりました。
(2) ヒルビリー~カントリー&ウェスタンへ(1949年)
レイス・ミュージック同様、ヒルビリー・ミュージックがアメリカ中に広がっていくと最早ヒルビリー音楽と言う枠組みでは捉えられなくなって来ます。レッド・フォーリー、エディ・アーノルドに代表されるカントリー・クルーナーの登場、前項でも触れたシンギング・カウボーイ人気、そしてウェスタン・スウィングのエレキやスチールギターとジミー・ロジャースのヒルビリー音楽を掛け合わせ、テキサス、オクラホマ、ミズリーの中西部特有のブギのリズムと共に、安酒場で演奏するホンキー・トンクスタイル(ややこしいことに中西部及び西海岸では、このホンキー・トンクスタイルのことをヒルビリー・ミュージックと呼んだようで混乱しちゃいますね)の確立等、さまざまなタイプのカントリーミュージックが登場してきました。
特にホンキー・トンクは、テキサス出身のアーネスト・ダヴやアル・デクスター(ピストル・パッキン・ママで有名)を初めとして、女性歌手のキティ・ウェルズ、そしてハンク・ウイリアムスの登場で頂点を迎え、その後もレフティ・フリッツェル、ウェブ・ピアス、ハンク・スノウ、マーティ・ロビンス等々、人気歌手が続出します。
また、テネシー・アニー・フォード、ムーン・マリカン、デルモア・ブラザース、マール・トラヴィスのヒルビリー・ブギやビル・モンローのブルーグラスボーイズにレスター・フラットとアール・スクラッグッスが加わったことによりブルーグラス・ミュージックが確立され大人気となる等、ヒルビリー、ヒルビリー・ブギ、カントリー、ウェスタン、ブルーグラスと多様化し、音楽業界では、1944年「フォーク・ソング・アンド・ブルース」1949年には「カントリー」または「カントリー&ウェスタン」(現在のビルボードカントリーチャートの前身は1944年にスタート)と記載されるようになりました。
こうした変遷を見ると、広い意味でのカントリーミュージックは、やはり白人のフォーク&ブルースだとも言えるのではないかと思います。
*社会派フォークの弾圧
一方、前章で触れたジャンルで言うところのフォークは、1950年にウィーバーズの「グッドナイト・アイリーン」のNO.1ヒットが生まれましたが、悪名高きマッカーシー上院議員の「赤狩り」により、共産主義者というレッテルを張られ弾圧を受け、ヒットチャート上の社会派フォークは50年代後半のフォーク・リバイバル運動でNO.1ヒットとなった1958年のキングストン・トリオの「トム・ドゥーリー」まで、冬の時代を迎えることとなってしまいました。
アコギのマディ・ウォーターズも良いんですね
ジャケットが、印象的な名盤
踊れる音楽から聴く音楽へ、ビバップと言えばこの人、このアルバム
クレオパトラの夢が、衝撃的でした
カントリーを全国区にしたのは、この人なんでしょうね
ハンク亡き後、天下を取ったのは、この人?
西海岸のカントリースター、16トンの大ヒットで有名です
この人のヒルビリー・ブギ・ピアノは、リトル・リチャードやジェリー・リー・ルイスにも影響を与えたと思います
ギャロッピング・ギターの名手、元祖16トン
この兄弟のビートは、ロカビリー誕生を予感させます
私の投稿には再三出てくる、ブルーグラスの父
モダンフォークの始祖、特にPPMは影響大だと感じられますね
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?