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角換わりテーマ図研究① △9三歩型(1)

最重要テーマ。

9/25 基本図から▲5六銀△4四歩に▲6六歩の変化を追加しました

基本図

基本図  9筋の端を受けないのが後手の作戦だ。


後手の理想は、先手が端を詰めている間に先攻することだ。

一例。▲9六歩~▲9五歩と指させている間に、△3一玉と△4四歩を入れて先攻する。

△3一玉とできれば▲4七銀(△6三銀)の打ち合いになった時に後手の方が響きが弱いし、△4四歩とできれば▲4五桂とダイレクトに跳ばれないので攻められにくい上に桂頭攻めがしやすい。もちろん、一段飛車が王手になったり、▲4五歩と歩がぶつかるのがマイナスになるケースがあったり、一長一短ではある。


基本図から▲9五歩(▲5六銀保留)と▲5六銀がある。順番に見ていこう。


基本図から▲9五歩(▲5六銀保留)


以下△4四歩 ▲7九玉 △3一玉 ▲8八玉 △6五桂 ▲6六銀△8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲8七金 △8一飛 ▲8六歩△2二玉 ▲7八玉 △8五歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲8六歩△8一飛 

後手は最善形なので△8五歩▲同歩△同飛▲8六歩△8一飛と手待ちをする。

先手は▲5六銀か▲5六歩か。

▲5六銀

自然な活用。桂頭が薄くなったので、△3五歩から攻めていきたいが、△7五歩も突き捨てたい。どちらからいくべきだろうか。またそれらはうまくいくのか。

△7五歩、△3五歩、△4一飛を見ていく。

△7五歩 だと、▲同 銀 △3五歩 ▲同 歩△3六歩 ▲4五桂 △同 歩 ▲6六角 △3一玉 ▲3四歩△2二銀 ▲1五歩 △同 歩 ▲1三歩 △同 香 ▲1二歩

部分的に頻出する端攻め。先に△7五歩は同銀と取られたあと角のラインで攻められてしまう。

よって、△3五歩に▲4七銀(▲同歩は△3六歩で角のラインで攻められる心配がない) △7五歩 で、今度▲同銀は△7七歩 ▲同 桂△同桂成 ▲同 金 △5五桂 ▲2四歩 △4七桂成 ▲2三歩成△同 金 ▲5六角 △2四歩 ▲4七角 △3六歩 ▲同 角△3五銀 ▲5八角 △3六歩 ▲2七桂 △3四銀 ▲3五桂△同 銀 ▲2七桂 △4六銀 ▲3六角 △6五桂 でよし。

▲8七金△3五歩 ▲6九角 △5七銀不成 ▲同 金 △同桂成が厳しい。


△7五歩には▲3五歩として、△7六歩 ▲同 金 △9四歩 ▲同 歩 △9六歩▲7七歩 △9四香 ▲9八歩 △7三金

これも部分的には応用の利く攻め。△8八歩▲同玉△8四金~△7五歩が狙い。

ただ、▲8五歩 (△8四金の防ぎ)△8八歩▲同 玉 △6三角(単に△7四金は△3四歩がある)▲2四歩 △同 銀 ▲6二角 △7四金▲5三角成 △4三金 ▲6二馬 △8五金 ▲8六歩 △7六金▲同 歩 △8二飛 ▲7三馬 △8六飛 ▲8七金 △8一飛▲8三歩 △6一飛 ▲7八玉が一例で攻めが続かないか。

△7三金からの攻めは続かない。

そもそも、△7五歩に ▲同 歩とされてもよくわからない節がある。

そもそもこれが成立していない可能性も。

具体的には、△7七歩 ▲同 桂△同桂成 ▲同 銀△5五桂 ▲2四歩 △4七桂成 ▲2三歩成△同 金 ▲5六角 △2四歩 ▲4七角 △3六歩 ▲同 角△3五銀 ▲5八角 △3六歩 ▲2七桂 △3四銀 ▲3五桂△同 銀 ▲2七桂 △4六銀 ▲3六角 △6五桂

先程と違って7七にいるのは金ではなく銀なので、▲6六銀で続かない。

ということで、△4一飛が本命だ。以下、▲7七桂 △同桂成 ▲同 銀 △6五歩 ▲8五歩△3一玉 ▲8二角 △7三桂 ▲8三桂 △3五歩 ▲4七銀△7二金 ▲9一角成 △6一飛 ▲3五歩 △8五桂 ▲8六銀△6六歩 ▲同 歩 △8三金 ▲9二馬 △8四金 ▲9三馬△8三歩 ▲8二馬 △7五歩 ▲7二馬 △6六飛 ▲6七歩△6四飛 ▲7三馬 △6一飛 ▲7二馬 △6四飛は千日手か。

後手からの△7六歩が厳しいため、千日手は仕方ない。



▲5六銀からの打開は△4一飛で千日手と結論付けておく。



▲5六歩

▲5六歩 △8五歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲8六歩 △8一飛  ▲7七桂 △同桂成 ▲同 銀

△6五歩か△7五歩か△6三桂か。

△6五歩なら、▲4五歩 △同 歩▲3五歩 △同 歩 ▲5五歩 △同 銀 ▲4五桂 △3四銀▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三銀 ▲3四桂 △1三玉▲2九飛 △3四銀 ▲2二歩 △同 金 ▲2四角 △1二玉▲1五歩 △2五歩 ▲1四歩 △2三玉 ▲4二角成 △2四角▲同 馬 △同 玉 ▲1五角 △2三玉 ▲4二角成 △2四角... 

千日手。

△7五歩もあるが、▲同 歩 △6三桂 ▲7六金 △6五銀 ▲同 金
△同 歩 ▲7六銀打

逆用されている感がある。

△4三角 ▲2四歩 △同 歩 ▲2五歩△6六歩 ▲同 歩 △7六角 ▲同 銀 △8六飛 ▲7七玉△8五歩 ▲8七歩 △8八銀 ▲6七玉 △7五桂 ▲同 銀△8七飛成 ▲5八玉 △7八龍 ▲4九玉 △7五龍 ▲3八玉は攻めが切れている。

2筋の嫌味も残って勝てない。



打つなら単に△6三桂か。

永瀬ー佐藤天戦。

▲4五歩 △同 歩 ▲3五歩 △同 歩 ▲1五歩△同 歩 ▲6六桂(▲4五桂は△3四銀で続かない)△4三銀 ▲7四桂 △5二金 ▲7三角△7五歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲6二桂成 △7六歩 ▲同 銀△8五歩 ▲8八金 △8三飛
▲6三成桂 △同 金 ▲9一角成

駒損の上に▲7五桂が残り先手良しか。


現時点では△6五歩が最有力としておく。


基本図から▲5六銀△4四歩に▲9五歩

以下△3一玉

▲4五歩か▲6六歩か▲7九玉か▲3八金か。

▲4五歩

▲4五歩 △4一飛 ▲4四歩

△同飛は▲4五歩△4一飛▲4六角△4七歩(△6三金は▲6六銀で攻めが止まらない)▲2四歩△同歩▲4九金△4五銀直▲同銀△同銀▲2四角でだめ。


△同 銀 ▲7九玉 △5五銀 ▲4七歩 △5六銀 ▲同 歩 △8四角 ▲6六角 △同 角▲同 歩 △6五歩 ▲6四銀 △8六歩 ▲同 歩 △8七歩▲7三銀成 △同 金 ▲2四歩 △同 歩 ▲4六桂 △6六歩▲5四桂 △同 歩 ▲6八歩
△6一飛

▲5二銀か▲4三銀か。

▲5二銀 なら△6五飛▲4四角 △6七銀 ▲5七金 △4八角 ▲6七金寄 △同歩成▲同 金 △4二金打

銀取りが受けにくい。

▲4三銀 なら△同 金 ▲5二角 △6三飛 ▲同角成 △同 金
▲6一飛 △4一角 ▲9一飛成 △3二銀

2筋に香を打って攻めるくらいだが、▲2七香と▲2八香どちらがいいか。

▲2七香なら△4二玉▲8七金 △6七銀 ▲8二龍 △5二桂 ▲6七歩 △同歩成▲7八銀 △7七と ▲同 桂 △7五歩 ▲2二歩 △7六歩▲同 金
△7五歩 ▲6六金 △3八銀が痛い。

▲2八香としておけば▲6九飛で何ともないが、▲2七香と打ってしまっているため、▲6九飛には△2七銀成がある。

よって、その筋を防ぐために▲2八香とする。以下、△4二玉 ▲8七金 △6七銀 ▲8二龍 △5二銀▲6七歩 △同歩成 ▲7八銀 △7七と ▲同 桂 △7五歩▲2二歩 △7六歩 ▲同 金

△7五歩以下打開できる?今回は△7三銀の手順を紹介。

△7三銀 ▲9二龍 △7五歩▲6六金 △3三桂 ▲2一歩成 △同 銀 ▲7二龍 △6二金▲7一龍 △6三金 ▲7二龍 △6二金と進むと千日手か。

△4四角の龍金両取りがあるため千日手は仕方なしか。


▲6六歩

感覚的にはやりづらい手。


△6五歩 ▲同 歩 △同 銀 ▲5五銀 △7五歩 ▲同 歩
△7六歩 ▲8八銀 △8四飛

桂頭の傷を緩和しつつ飛車を軽くする味のいい手。次に△8六歩▲同歩△5四歩が狙い。

銀交換になれば冒頭で言った通り玉の遠さが活きて後手良し。また▲6六桂などの傷もあり相当先手が勝ちづらい。

以下▲5一角 △7二金 ▲6三歩△4二銀 ▲6二角成 △同 金 ▲同歩成 △3三銀 ▲6三とが一例。

銀があれば▲4七銀で必勝形なのだが…。

△4七角の豪打で良し。

応用が利く手筋。▲2六飛には△6九角打がある。

▲6六歩は先手陣に傷が多く、相当まとめづらい。


▲7九玉(△7五歩の仕掛け)

有力な対策の一つ。△7五歩か△6五銀か。

△7五歩なら、▲同 歩 △6五桂 ▲6八銀 △8六歩▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8一飛 ▲6六歩 △3五歩▲5八角 △7七歩 ▲同 桂 △同桂成 ▲同 銀までは一直線。


△6五歩か△3六歩か。

△6五歩なら▲同歩(▲同銀 なら△同銀 ▲同歩 △5四桂 ▲3五歩 △6六銀▲8六銀打 △7七銀成 ▲同銀 △6六銀で千日手?)△3六歩 ▲同 角 △9四歩 ▲同 歩△同 香▲同 香 △9七角 ▲6八玉 △8五桂 ▲2四歩 △7七桂成▲同 玉 △2四歩 ▲2二歩 △7五角成 ▲2一歩成 △4二玉▲7六歩 △6六銀 ▲6八玉 △7六馬 ▲7七歩 △8七馬▲8二歩(△同飛は▲8九香)△7八馬 ▲同 玉 △7一飛 ▲8九桂 △7六歩▲同 歩 △7七歩▲6八玉 △7六飛 ▲5八玉 △7八歩成に▲3四歩が鋭い手。

▲4七玉でも勝ちだろうが、最短で勝ちを目指す。

△同 銀 ▲2四飛に、△2三金打が最善だが、▲3四飛 △同 金▲2六桂で攻めが続く。

△3五金なら▲2四角、△2四金なら▲3四桂打△5一玉▲3一と△同金▲3三角とどちらも金を抜いて良し。

自然なのは△2三金だが、▲4三香が目の覚めるような手で良し。

△同玉は▲3五桂、△同銀右は角筋が通るので▲3一角△5
二玉▲6四桂△6一玉▲2三飛成△同銀▲4二角成で良し。また△5一玉は▲4一香成△同玉▲8五角。



また、△3六歩は▲同 角 △9四歩 ▲同 歩 △9六歩 ▲同 香
△9七角 ▲6八玉 △7五角成 ▲9三歩成 △7六歩 ▲8六銀
△7四馬

香取りをどう受ける?▲9九飛か▲9五香か。

▲9九飛なら△6一飛 ▲7五歩 △5二馬 ▲7四桂△7二金 に▲9五香が面白い一手。

香の位置を変えることで▲8二と△9五香▲同飛△8二金▲同桂成を可能にしている(香が▲9六だと▲同桂成に△9六馬と飛車が取られる

しかし、△6五歩がそれを上回る好手で、▲8二と △同 金

▲同桂成か▲9一香成か。

▲同桂成△8五歩 ▲7二成桂 △6四飛 ▲9一香成 △8六歩 ▲9二飛成△8七歩成 ▲同 金 △6六歩と進めばその効果がわかるだろう。

△6五歩は△6四飛を用意した手だった。金をボロッと取られても6筋の攻めが厳しい。横に逃げるのとでは雲泥の差だ。

よって▲9一香成だが、△8五歩 ▲同 銀 △6六歩 ▲6二歩 △7一飛▲7六銀 △6四桂 ▲7七金 △5六桂 ▲同 歩 △8八銀▲9八飛 △8三金 ▲6六金 △9七歩 ▲8八飛 △9一飛▲5七玉 △9八歩成 ▲5八飛 △3四香 ▲4七角 △4三馬は互角の形勢。

▲5五歩に△同銀を用意。先手も▲5五桂と馬を目標にしてどうか。

この局面が先手不満なら、△7四馬に▲9九飛は微妙かもしれない。

再。香取りをどう受ける?▲9九飛か▲9五香か。

ということで▲9五香が有力だ。

▲9九飛~▲9五香ではなく、単に▲9五香がいい。△6一飛か△8四馬か。

△6一飛なら、▲7五歩 △5二馬 と▲9九飛の時と同様に進めると、▲6七金 △7三金▲7六金とする手がある。

▲9五香に代えて▲9九飛でこの手順だと、△8四桂が絶好だ。この局面だと、香をずらした効果で両取りにならない。

よって△8四馬だが、▲9二と △6一飛 ▲2四桂 △7四桂 ▲3二桂成△同 玉 ▲2四歩 △同 歩 ▲2五歩 △4二玉 ▲2四歩△2八歩 ▲同 飛 △8六桂 ▲同 歩 △3九銀 ▲2三歩成△2八銀不成 ▲3三と △同 玉 ▲5五桂 △3四歩 ▲5四角△同 歩 ▲4二銀 △同 玉 ▲4三金 △3一玉 ▲2三銀△5二飛 ▲6三桂成がうまく行き過ぎた例。

fgの実戦例。


再。

ここから△7五歩 ▲同 歩 △6五桂の仕掛けは、先手良しとしておく。


▲7九玉(△6五銀の仕掛け)

ということで、△6五銀が最有力だ。

▲同銀は△同桂で銀取りと△4七銀が同時に残る。また、▲4七銀も△5四角で打開できそうだ。

▲5五銀 △4三角 ▲3五歩

△7六銀か△同歩か。

△7六銀なら、▲3四歩 △同 銀▲1八角 △8三飛 ▲4四銀 △7七銀成 ▲同 桂 △8七角成▲3三歩 △同 桂 ▲4五桂 △同 銀 ▲2四歩 △同 歩▲8七金 △8六歩 ▲9七金 △7六桂 ▲4三角 △6八銀▲8九玉 △3四銀 ▲7六角成で先手良し。

根元の桂馬を取られてまずい。

△同歩なら ▲4五歩 △7六銀 ▲同 銀 △同 角 ▲4四歩
△8六歩 ▲同 歩 △8七銀 ▲2四歩 △同 歩 ▲4三角

金ではなく角を打ち込むことで▲8七金の先手になり、より厳しい。△同金か△8六飛か。

△同 金 なら▲同歩成 △同 角 ▲4四歩 △6五角 ▲4三銀△7八銀成 ▲同 玉 △4二金 ▲3二歩 △4一玉 ▲4二銀成△同 玉 ▲4三金 △5一玉 ▲6三銀 △4一角 ▲6二銀成△同 玉 ▲2六飛

飛車を逃げつつ△8六飛を防ぐ。次の▲6四銀が速い。

よって、△8六飛が最善で、▲7六角成 △同銀成 ▲4五桂 △4二歩 ▲3三桂成△同 桂 ▲9七銀 △8五飛

▲3四歩か▲4三歩成か。

まずは▲3四歩から。

△7五桂か△8七角か。

△7五桂 ▲3三歩成△同 金 ▲5六角 △8七桂成 ▲4五桂 △3四金 ▲5三桂成△同 金 ▲3四角 △7八成桂 ▲同 玉 △3六桂


この手が詰めろだが…。

▲3二歩△同 玉 ▲2三銀 △4一玉 ▲3三桂以下詰み。

桂を渡すと後手玉が詰んでしまう。

よって、△8七角 が正解で、▲6八金 △5五飛で良しだ。

▲3三歩成には△同金でこれ以上後手玉に迫る手段がない。


ここで、予め▲4三歩成 ⇔△同歩の交換を入れておけば▲5一角が生じていると考えた人は鋭い(この局面で▲3三歩成△同金▲4三歩成には△同金と取られる)。

ということで、▲4三歩成 △同 歩 ▲3四歩を見ていく。

同様に△8七角は▲5一角の筋でまずい。

△8七角だと ▲6八金 △5五飛▲3三歩成 △同 金 ▲5一角 △4二桂 ▲3四歩 △同 金▲6二角成

金がぼろっと取れて良し。

しかし、今度は△7五桂が激痛だ。

今度は事情が少し違う。

▲3三歩成△同 金 ▲5六角 △8七桂成 ▲4五桂 △3四金 ▲5三桂成△同 金 ▲3四角 △7八成桂 ▲同 玉 △3六桂

▲4三歩成 ⇔△同歩の交換を入れてしまっているので角筋が止まっている。後手玉が詰めろになってない。

仮に▲2三銀なら、△8七飛成 ▲6九玉 △7八角 ▲5九玉△8九龍 ▲5八玉 △4六桂 ▲同 銀 △6七角成 ▲同 角△同成銀 ▲同 玉 △7六角 ▲5六玉 △6五金 ▲4七玉△4八桂成 ▲同 玉 △7八龍で詰む。

▲4三歩成 ⇔△同歩の交換が入っていないと一手負け、入っていると一手勝ち。
再。

よって、▲3四歩には△8七角▲4三歩成 △同歩 ▲3四歩には△7五桂で良しだ。


△4三角に▲6八玉の変化も有力。これは実戦例が少なすぎたので保留。

永瀬-渡辺(2022/3/6棋王)が一例。


▲3八金(途中まで)

最有力。この変化はあまりに複雑なのでちょっとだけ。

手待ちをして、△2二玉なら▲4五歩と仕掛ける意図。


△6五桂 ▲6六銀 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲9七角
△8一飛 ▲6四角 △6三金 ▲8二歩

△7一飛か△6一飛か△4一飛か。

まずは△7一飛から。

7筋から攻める手を見せる。

以下▲8六角△6四歩▲7七桂 △同桂成 ▲同 角△6五歩 ▲5五銀左 △7五歩 ▲同 歩 △同 飛となれば後手の成功形だ。

△7六歩~△7七銀のぶち込みがあまりにも痛い。こうなると7筋に回った手が抜群に効いている。


しかし、△7一飛以下▲9七角△6四歩 ▲6五銀直 △同 歩 ▲7七桂 △2二玉 (緩手)▲8九飛で先手良しだ。

7筋から攻められる前に▲6五銀直~▲7七桂~▲8九飛と駒損してでもスピードを上げて攻めるのが好判断。

▲6五銀直~▲7七桂~▲8九飛、あるいは▲7七桂~▲8九飛と飛車を転換するのが常に狙い筋になる。この逆襲の成否が重要だ。

後手は△2二玉の代わりに△9四歩としたいがうまくいかない。理由は後で説明。

続いて▲6一飛。

7筋ではなく6筋から攻める手を見せる。

▲9七角△6四歩▲6五銀直 △同 歩 ▲7七桂と先ほど同様に進めると、△9四歩▲8九飛△9五歩▲8一歩成△9六歩で△7一飛型と△6一飛型の違いが出る。

▲8一歩成が飛車に当たらないのでここで△9六歩と取り込めるのが大きい。▲7九角くらいだが△7五歩で良し。

逆に△7一飛型だと▲8一歩成が飛車に当たってぴったり間に合ってくるので△9四歩は成立しない。

▲9七角だと△9五歩から咎められてしまったので、▲8六角と引

く。以下、△6四歩

▲7七桂~▲8九飛を狙いたいが…?▲7七桂か▲5八玉か。

▲7七桂 なら△同桂成 ▲同 角△6五歩 ▲5五銀左 △7五歩 ▲同 歩 △8五桂 ▲8八角△5五銀 ▲同 角 △6四金 ▲8八角 △7五金

これは後手の攻めの方が速い。△6一飛と△7五金が連動して厳しい。

しかし、▲5八玉が巧妙な手待ちだ。

△2二玉と入城させた方が先手にとって都合が良い。

他に手がないので△2二玉とするくらいだが、▲7七桂 △同桂成 ▲同 角 △6五歩▲5五銀左 △7五歩 ▲4四銀 △7六歩 ▲3三銀成 △同 桂▲同角成 △同 玉 ▲4五桂

△2二玉とさせた効果で先手の方が攻めが速くなっている。

ということで△4一飛が本命だ。

▲4五歩の仕掛けを封じつつ、場合によっては△4五歩と反発する。

▲9七角~▲6五銀直~▲7七桂~▲8九飛の構想は▲8一歩成が飛車に当たらないのでやはりだめ。▲8六角とし、△6四歩

▲5八玉か▲7七桂か。

▲5八玉なら△2二玉

▲7七桂か▲6八角か▲4八金か。

▲7七桂だと△4五歩

△4一飛型の特権で、4筋から反発できる。▲3八金・▲5八玉型を咎めている。

▲同 桂 △同 銀 ▲同 銀 △同 飛 ▲同 歩△4六桂 ▲6八玉 △3八桂成 ▲8九飛 △4七角 ▲6五桂△8五銀

△2二玉が明確にプラスの手になっている。


再。△7一飛か△6一飛か△4一飛か。

ここで、上の局面で飛車をどこに逃げるのが最善かとその理由をもう一度まとめておく。

△7一飛
▲9七角△6四歩▲6五銀直 △同 歩 ▲7七桂△9四歩▲8九飛△9五歩に▲8一歩成が飛車に当たるので後手がまずい。▲9七角は△9四歩から攻められるし、▲6五銀直は駒損になるので普通はだめなのだが、△7一飛型を咎めるべく最速で反発するのが好判断で先手良し

△6一飛
上の手順になった時に▲8一歩成が飛車に当たらないので△9六歩と取り込む手が間に合い後手良し。ただ、△6一飛に▲8六角△6四歩▲5八玉と手待ちするのが好手で、△2二玉▲7七桂 △同桂成 ▲同 角 △6五歩▲5五銀左 △7五歩 ▲4四銀 △7六歩 ▲3三銀成 △同 桂▲同角成 △同 玉 ▲4五桂で入城させたことで当たりが強くなっており後手がまずい

△4一飛
▲8六角△6四歩▲5八玉△2二玉に▲7七桂だと△4五歩が▲3八金・▲5八玉型を咎める好手で、▲同 桂 △同 銀 ▲同 銀 △同 飛 ▲同 歩△4六桂 (この手が両取りになるのが▲3八金・▲5八玉型の罪)▲6八玉 △3八桂成 ▲8九飛 △4七角 ▲6五桂△8五銀で後手良し。△4一飛は▲4五歩の仕掛けを防ぐというよりかは▲7七桂に△4五歩の反発を作った意味合いが大きい(△4五歩▲同 桂 △同 銀 ▲同 銀に△同 飛とできる )。



再。▲7七桂は後手良しだ。▲6八角か▲4八金か。


ここからの変化は複雑すぎるので次回に回す。お楽しみに。




基本図から▲5六銀△4四歩に▲7九玉

△3一玉には、▲9五歩としてくれたら△6五銀で合流するのだが、▲4五歩と仕掛けられてしまう。

▲7九玉には△9四歩とする。以下、▲4五歩には△同歩▲同銀に△5二玉

銀をぶつけられたときは△5二玉として▲4七銀を消しつつ△4一飛を見せるのが鉄則だ。▲6六歩と突いているかで成立するかが変わってくる。この場合は後手良し。

▲6六歩の場合は△4一飛▲4五歩△5二玉

部分的にはよくある展開。

この△4一飛と回るテーマは角換わりの最重要テーマの一つなのでこれも別の機会に。


基本図から▲5六銀△4四歩に▲6六歩


△9四歩は▲4五歩でだめな展開。

△3一玉▲7九玉(▲9五歩は合流)△6五歩

▲6五歩か▲6九飛か。

▲6五歩なら、△7五歩 ▲6四歩 △6五桂 ▲6六銀 △7六歩
▲6五銀直 △同 銀 ▲同 銀 △4七銀 ▲4九金 △6六角
▲6三歩成 △5七角成 ▲6八歩 △8六歩 ▲同 歩 △8八歩
▲同 玉 △6六馬 ▲7七歩 △6五馬 ▲6二と △7五銀
▲7六歩 △同 銀 ▲9八銀 △6七歩 ▲同 歩 △5六銀成が一例。

△6七歩⇔▲同 歩が入っていることにより▲7七歩の受けが無くなっている。

本命は▲6九飛だ。

▲7九玉を活かすならこの一手。

△6六歩 ▲同 銀 △6五歩

▲7七銀か▲同銀直か▲5五銀か。

△6五歩に▲7七銀

▲7七銀 △6四角

▲4七金か▲9五歩か。

▲4七金 △2二玉

▲9五歩か▲8八玉か。

▲9五歩で後手の手詰まりに見えるので先手が得しているように見えるが、以下△9四歩 ▲同 歩 △7五歩 ▲同 歩△5五銀 ▲6五銀(▲同銀 は△同 角で、△7七角成と切る筋があるため厳しい)△同 桂 ▲同 飛 △8六歩 ▲同 歩 △9四香 ▲同 香 △7六歩 ▲8八銀 △6三金 ▲7二角 △5四金 ▲6四飛 △同 金 ▲8一角成 △4九飛 ▲6九香 △4七飛成 ▲6二飛 △3七龍 ▲4三角 △4二銀打 ▲7六角成 △3九龍 ▲8七銀 △6五金打 ▲同 馬 △同 金 ▲同飛成 △4七角 ▲6二龍 △1九龍 ▲6八金打 △6六桂で良し。

▲9五歩に△9四歩と突っかける筋がある。

よって、▲8八玉 △9四歩 ▲2九飛 △7五歩 ▲同 歩 △8六歩
▲同 歩 △6六歩が一例で良し。

△6五桂が受けにくく後手ペース。


やりにくい手だが、▲9五歩として▲4六の歩を受けない指し方もある。

△4六角としていいのだろうか。

△4六角 ▲7五歩 △6三銀 ▲6六歩 △同 歩 ▲同 銀

▲5五銀左が受けにくいので困っている。

△2二玉⇔▲8八玉の交換を入れてから△4六角とするのが良い。以下、▲7五歩 △6三銀 ▲6六歩 △同 歩 ▲同 銀 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △6八歩

▲同飛に△3七角成で決まっている。これは▲8八玉が明らかにマイナスになっている。


△6五歩に▲同銀直


▲同銀直 △同 桂 ▲同 銀 △同 銀 ▲同 飛 △6三銀▲6九飛 △5五角 ▲8八角 △同角成 ▲同 玉 △5五角 ▲7七角 △同角成 ▲同 金 △7五歩 ▲同 歩 △4七銀 ▲9五角 △5二金 ▲5五桂 △4八銀不成 ▲6三桂成 △5八角▲6八飛 △5七銀不成 ▲5八飛 △同銀不成 ▲5二成桂 △7六歩 ▲7八金 △6七金 ▲7九金打 △7八金 ▲同 金 △6七金で千日手模様。

もうちょっとよくなる順がありそうだったが…。妥協。


△6五歩に▲5五銀左

本命の▲5五銀左の変化。

ネット将棋ではなぜか非常に多い。


△同 銀 ▲同 銀 に△7五歩は有力だが、▲6四歩 △7六歩 ▲6三歩成は相当勝ちにくい。

△6六銀▲7三と△5五銀▲6二と△7七銀▲6三角が予想されるが、思ったより戦果を得られていない。

ここは△2二玉がいい。

▲6四歩や▲6三銀の攻め合いに強くした意味合いがある。▲6四歩か▲6三銀か▲4五歩か。

▲6四歩なら△4七銀 ▲同 金 △5八角 ▲4八金 △6九角成 ▲同 玉 △2九飛 ▲4九銀 △1九飛成 ▲5八玉△8六歩 ▲同 歩 △5四香 ▲同 銀 △同 歩 ▲6三歩成 △同 金 ▲7二角 △8六飛 ▲8七香 △7六飛 ▲7七金 △同飛成 ▲同 桂 △6六銀

△2二玉の効果で強気に攻め合いができる。


続いて▲6三銀。

後手玉の位置と▲6三銀の成否は、密接に関係している。

△8六歩▲同歩△6三金▲7二角△8六飛

▲8七歩は△6二金が角換わり党なら必修の手。二枚替えで良し。

勢い▲6三角成とするしかないが、そこで△8八歩が△2二玉を活かした手だ。

▲5三馬が王手飛車取りにならない

▲同金△8七銀▲同金△同飛成▲7八金に△7七銀が強烈な寄せ。

▲同金は△8八角、▲同桂は△8九角。

一番の強敵は▲4五歩だ。

△2二玉型に対しては▲6三銀も▲6四歩もやりにくい。▲4五歩が一番自然だ。

△8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △7六飛 ▲8八歩 △7六飛 ▲5一角(▲4四歩は後述)△4七銀 ▲同 金 △5八角▲7七歩 △6六飛 ▲同 銀 △4七角成 ▲5五銀 △6九馬 ▲同 玉 △3九飛 ▲5九銀 △4八金 ▲6八銀打 △5九金 ▲同 銀 △4八銀 ▲5八金 △5九銀成 ▲同 金 △4八銀がおそらく最善の変化で千日手。

金銀を交換しながら打ち合うタイプ。


これが不満とみて、先手は▲5一角ではなく▲4四歩としてくるが、△4七歩 ▲5八金 △2六角が素晴らしい手だ。

▲4六角としても△2八銀で足せるので無効。

▲4三銀 △3一金 ▲4五桂 △4八歩成と進む。

△2六角が△4七歩と叩いた歩と連動して抜群に活きている。▲6七金右か▲3三桂成か。

▲6七金右なら、△5九と ▲6八飛 △3六飛 ▲3三桂成

△同 桂か△同 玉か。

△同 桂は相当危なくて、▲4二銀打 △2一金 ▲3三銀成 △同 玉 ▲4二角 △2二玉 ▲3三桂 △3二金 ▲同銀成 △同 玉 ▲4一桂成

△同玉は▲4三歩成。先手玉は安泰だ。

この局面は後で出てくるので図☆としておく。

△同 玉が正しくて、▲4五角 △3九飛成 ▲3四銀不成 △4二玉 ▲4三歩成 △5一玉 ▲4九歩 △同 龍 ▲3八銀 △3九龍 ▲4九歩△5八銀 ▲7七桂 △3八龍 ▲8九玉 △6九と ▲6三歩 △6一金 ▲6四銀 △5四歩

味のいい手。▲5三銀成△8六桂▲5四角は▲4二と以下の詰めろだが、△5三角▲同と△3四龍▲5八龍△5四龍が△7九金以下の詰めろで勝ち。


▲3三桂成 △同 桂 ▲4二銀打 △2一金

先程の変化と似ているが…。▲3三銀成と同様に進めるとどうか。


▲3三銀成 △同 玉 ▲4二角 △2二玉 ▲3三桂 △3二金 ▲同銀成 △同 玉 ▲4一桂成

図☆かなり似ているが、先手玉の安全度が全然違う。

具体的には、▲6七金右⇔△3六飛と△5九と⇔▲6八飛の交換が入っていないのだが、それによって先手玉に詰みが生じている。



△7八飛成 ▲同 玉 △8六桂 ▲6八玉 △7八金 ▲6七玉 △6六銀 ▲5六玉 △5五銀 ▲同 玉 △5四銀 ▲5六玉 △5五銀打 ▲6七玉 △6六銀 ▲7六玉 △7五銀 ▲8七玉 △7六銀打 ▲9七玉 △8五桂

まで21手詰め。飛車が△7六にいるので△7八飛成からの詰み筋が生じていた。


よって▲6八金右とするが、 △5九と ▲6七角 △3六飛 ▲3四銀成 △同 飛▲4三歩成 △4五桂 ▲5九飛 △同角成 ▲3三と △同 飛 ▲同銀成 △同 玉 ▲3九飛 △3七馬 ▲同 飛 △同桂成 ▲5一角 △2二玉 ▲2四歩 △1二銀 ▲3四歩 △3二歩 ▲4四銀 △3六飛で良し。

先手の攻め駒は少ないので丁寧にうけてしまえば後手がいい。



最後に

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