拾ってくれませんか?二十二話
今日は2人のお別れの日。○○の家にみんな集まっていた。
美空)うぅ…○○くぅん…😭
咲月)行かないで〜😭
○○)2人とも泣かないで…笑
蘭世)あ〜○○くん泣かせたな〜?笑
○○)えぇ?!う〜ん…あっ!2人とも!
○○は美空と咲月の元へ駆け寄る。
○○)僕ね、乃木高に行こうと思ってるんだ。だから2人も乃木高に行こうよ!和も来るし、またみんなで会えるよ!
美空)ほんと…?
○○)うん、約束。
咲月)私、絶対に乃木高に合格する!
美空)私も!だから、○○くんも絶対合格してね?
○○)うん!!
彩)ジーッ…
○○)ほら彩、挨拶して?
彩)はじめまして、小川彩です!
美空)はっ!か、か、可愛い〜〜〜〜!!!!
彩)うぎゃっ?!
美空は彩に思いきり抱きついた。
美空)彩ちゃん可愛いよ〜〜!!
彩)やあぁぁぁ!!
○○)菅原さん、あれって…
咲月)さぁ?笑
彩にベタ惚れの美空だった。
眞衣)和ちゃん?
和)あ、眞衣さん!
眞衣)いいの?
和)え、何がですか?
眞衣)○○のこと、好きなんでしょ?プロポーズ、しなくていいの?
和)で、でも、○○は…
眞衣)この先、○○のことを1番に見てあげられるのは和ちゃんだと思うの。私はもう、○○とは会わないから…。
和)え?
眞衣)咲月ちゃんと美空ちゃん、振られちゃったんだって。今がチャンスじゃない?
和)で、でも…
眞衣)和ちゃん。やらないっていう選択肢は、いつかきっと後悔する。私は○○を拾って後悔はしなかった。勿論、警察に捕まるのは怖かった。でも、倒れてる○○を見て、私がやらなきゃって思ったの。当たって砕けろ!ダメで元々!最初から諦めてたらいつまで経っても無理だよ?
和)眞衣さん…私、行ってきます!
眞衣)行ってらっしゃい!…なんて、本当は私が1番臆病者なんだけどね…笑
和)○○!!
○○)和、どうしたの?
和)私、○○のことが大好き!!ずっとずっと好きだったの!だから、私と付き合ってください!!
○○)和…
咲月)私、美空のところ行ってくるね。
○○)うん、ありがとう。
○○)和、顔上げて?
和)……。
○○)ありがとう、すごい嬉しい。和みたいな子に好きなんて言われて嬉しくない男なんていないと思う。でもごめん。好きな人がいるから。たとえ叶わなくても、その人のことが好きなんだ。だから、和と付き合うことはできない。
和)……やっぱり私じゃ勝てないか、眞衣さんには。
○○)ごめんね。
和)眞衣さんに告白はしたの?
○○)ううん、眞衣さんは僕のこと息子みたいって思ってるから、僕みたいな子供には無理だよ。
和)○○。これは私の尊敬してる人でありライバルでもある人が言ってたこと。やらないって選択肢は絶対に後悔する。当たって砕けろ!ダメで元々!最初から諦めてたらいつまで経っても無理だよ、って。だから告白、してきなよ!好きなんでしょ?大好きなんでしょ?私は○○に言ったよ、だから次は○○の番だよ!
○○)和…ありがと、行ってくる!
和)頑張って!!…私も馬鹿だなぁ〜、敵に塩を送るなんて…グスッ
○○)眞衣さん!!
眞衣)○○、どうしたの?
○○)僕、やっぱり眞衣さんのことが大好き!親子とかそんなんじゃなくて、僕は眞衣さんと結婚したい!だから、僕と付き合ってください!!
眞衣)○○…ごめんね、気持ちは嬉しいけど○○はまだ中学生だし、これからもいろんな出会いが待ってる。だから、私なんかよりもいい人がきっといるから。和ちゃんとか咲月ちゃん、美空ちゃん…○○の周りにはたっくさん優しい人がいるから、私じゃない他の誰かと幸せになって?
○○)でも、僕は眞衣さんじゃなきゃ嫌だ!!眞衣さんが、誰よりも一番好きなんだ!!
眞衣)っ…!じゃあ約束しよう。○○が立派な大人になって、その時まだ私のことが好きだったら、結婚してあげる。
○○)本当に?!
眞衣)うん、約束。
○○)僕、絶対立派な大人になって眞衣さんと結婚する!
眞衣)ふふっ。
眞衣はわざとそんな約束をした。叶うはずのない約束を。
「大人になったら」
そう言えば今この場では○○は諦める。
そして過ごしていくうちに自分のことを忘れて、新しい誰かと恋に落ちる。
眞衣はそれを望んでいた。
○○)また眞衣さんの家に遊びに行ってもいい?
眞衣)…うん、いいよ。
その時には、あの家にはもういないけどね…
○○)やった…じゃあ最後に、ちょっとだけわがまま言ってもいい?
眞衣)うん、いいよ。
○○)じゃあ、ギュ~!
眞衣)っ…///
○○)眞衣さん、大好き!!
眞衣)私も、大好きだよ。ギュ~!
2人は思い出を包み込むように抱きしめた。
長く、長く、長く…
○○)今までありがとうございました…グスッ
眞衣)もう、泣かないの…笑ほら、こっち向いて?
○○)え?
チュッ…
○○)っ…///
眞衣)こちらこそ、ありがと!
眞衣は○○の口にキスをした。
○○)…ずるいよ、眞衣さん。
眞衣)ふふ、じゃあね。
眞衣は○○に背を向け、歩きだす。
○○)絶対会いに行くから!!僕、立派な大人になるから!!だから、だから、待ってて!!
眞衣)…グスッ
眞衣は振り返らずに歩いた。
○○のために、自分自身のために。
○○)眞衣さん、またね!!
こうして、眞衣と○○の甘くて切ない生活が、終わった。
To be continued……
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?